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【銭形平次】66.玉の輿の呪い

「銭形平次捕物控」第66話 玉の輿の呪い イラスト。

「黙ってお辞儀をして、これだけが看板の大きな島田髷を傾げるように白い顔をそっとあげました。妙に人馴れた眼、少し綻びた唇、クネクネと肩で梶を取って、ニッと微笑したお菊は、椎茸髱と、古文真宝な顔を見馴れた土佐守の眼には、驚くべき魅力でした。」

上総国勝浦一万一千石の領主、植村土佐守の下屋敷へ妾として輿入れすることが決まっていた、雑司ヶ谷鬼子母神前の茶屋の娘、お菊。
そのお菊が、輿入れの日を前に、銭湯からの帰り道、何者かに喉笛を掻き切られて死んでしまった。
以前お菊と良い仲だったやくざ者の徳松、血のつながらない姉のお吉、お吉の父でお菊には継父に当る弥助、下手人と疑われる者が三人も捕まるがーー。

証言をする碇床(髪結い)の親方が「この暑さですから」と言っているので、夏のお話なのでしょうね。
お菊が、遠乗りの帰りに茶屋に寄った土佐守に見初められる回想シーン。
1枚目は現在描いてみたもので、2枚目の方が挿絵用に当時描いたもの。や、前回も書きましたが、この頃は急いで描かないといけない事情もありディフォルメ系の方針だったのですよ。…と言いつつ、今回描いたときの方が時間はかかってないかもしれない(^^;
茶屋の娘、というと実際にいた江戸時代のアイドル?「笠森お仙」を思い出す。挿絵を描いた当時は、鈴木春信の笠森お仙の絵っぽい感じにしたかったと記憶しておりますが。笠森お仙っぽい感じで、そしてさらにちょっと小悪魔っぽいような?(^^;
いやしかし、ちょっと悪くていい女?を描くのは楽しいですね。
なにかこう、私の“いい女”の基準って、ラムさん(他高橋留美子さんの描く女性)、峰不二子、あと、たがみよしひささんとかの影響があるなあ、と自分で描いてて思いました。

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2022-08-11 20:05

 萩柚月


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