初恋の人は隣の席の名前も覚えていない人だった
『初恋の話?少し恥ずかしいな。
え?うん、わたしだって初恋ぐらいあるよ。
高校生の時でね。隣の席の……なんて名前だったっけ、板書を写す彼の指が綺麗で好きだった。
ぶっきらぼうに見えて優しくてね、あれは雨の日だったんだけど……あれ……?何があったんだっけ……?
可笑しいなぁわたしも歳とって忘れっぽくなったかなぁ、お婆ちゃんには程遠いのにね。
思い出そうとしてみれば顔も良く覚えてないや。
嗚呼、たまたま帰りが一緒になった時の金木犀の香りはよく覚えてる。彼が好きだと珍しく顔を綻ばせた公園の金木犀。
だから、ついつい金木犀の香りを使ってしまうのよね。
それから季節外れの桜も一緒に見た気がするのだけど……駄目だなぁ、全然思い出せないや。
真っ黒な髪と瞳だったのだけど、何故だろう、すごく鮮やかな色をしていた気がする。
ん?長期遠征組が帰って来たのね。
今回はわたしが生きていた時代に行っていたそうね。
ようやく近侍が戻って来て一安心だわ。
さぁ、わたしの初期刀におかえりを言わなく、て、は……
……あ……嗚呼、あぁ……そうだったのね
お帰り、山姥切国広、おかえりなさい。
たくさんの話を聞かせて、それからわたしの思い出話を聞いてほしいの。
おかえりなさい、わたしの初恋』
え?うん、わたしだって初恋ぐらいあるよ。
高校生の時でね。隣の席の……なんて名前だったっけ、板書を写す彼の指が綺麗で好きだった。
ぶっきらぼうに見えて優しくてね、あれは雨の日だったんだけど……あれ……?何があったんだっけ……?
可笑しいなぁわたしも歳とって忘れっぽくなったかなぁ、お婆ちゃんには程遠いのにね。
思い出そうとしてみれば顔も良く覚えてないや。
嗚呼、たまたま帰りが一緒になった時の金木犀の香りはよく覚えてる。彼が好きだと珍しく顔を綻ばせた公園の金木犀。
だから、ついつい金木犀の香りを使ってしまうのよね。
それから季節外れの桜も一緒に見た気がするのだけど……駄目だなぁ、全然思い出せないや。
真っ黒な髪と瞳だったのだけど、何故だろう、すごく鮮やかな色をしていた気がする。
ん?長期遠征組が帰って来たのね。
今回はわたしが生きていた時代に行っていたそうね。
ようやく近侍が戻って来て一安心だわ。
さぁ、わたしの初期刀におかえりを言わなく、て、は……
……あ……嗚呼、あぁ……そうだったのね
お帰り、山姥切国広、おかえりなさい。
たくさんの話を聞かせて、それからわたしの思い出話を聞いてほしいの。
おかえりなさい、わたしの初恋』
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2022-09-04 07:00
Comments (3)
泣けばいいのか?あまりのエモさに泣けばいいんか???
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