【ロイピク】ふとっちょ王子は踊りに出かけ
謁見の間に控えている王子(id=10018066)が妙な求婚癖を持っている、ということをこの国の新米王女に知らせてやるべきか、と思ったが、時は既に遅かったらしい。だがしかし
「あらごきげんよう、万年王子」
ラケシア・アスター・ジャンヌ・マリア・ド・クリンピア、17歳にして既に稀代の女王とも称されるラケシア一世(id=9537220)は、先程知り合ったばかりのイザベル女王(id=9029819)と話している小太りの男に、ちっとも親愛など籠もっていない挨拶を投げかけた。
「おや、ラケシア陛下ではありませんか!」
親愛が一滴も籠もってなかろうと全く気にするそぶりもなく(おそらくは慣れているのだろう)、この女王が生まれた頃からずっと『王子』だった来訪者、フローレンス王子があっけらかんと笑う。
「ご機嫌うるわしゅう。そなたの戴冠式以来ですが、ますますお美しくなられましたな!」
3秒前まで求婚していたであろうイザベル女王を前に、臆面もなく言ってのける。この男、もしも政敵だったら真っ先にどこぞに幽閉して強制的にダイエットなどさせてやるのに、などと一瞬本気で考えつつ、ラケシア女王はふと『あることを』思い出し、言った。
「………ところで、あちらで求婚者を求めていた第一王女(id=9869254)がいらしてよ?」
「ほほう!それはそれは……」
「若さも美しさも申し分ない王女だけれど、こういった場に出るのは初めてな様ね。あれこれ『教えて』差し上げるのが殿方の役目じゃなくって?」
数秒後、目を輝かせながらいそいそと立ち去っていった王子を片目で見送りながら、彼女は自分の侍女のランメルモール嬢が偶然小耳に挟んだ、リリルナ王国の王女付きの護衛騎士(id=9883655)が零していたという愚痴の内容を思い浮かべ、形の良い唇を釣り上げてこう呟いた。
「せいぜい『ダンス』を楽しむ事ね」
<諸王国国賓来訪記より>
■【illust/10123458】その他あれこれ皆様の投稿作品から色々拾いました。ありがとうございました!★続きも描きたいところです。結婚(血痕)を前提としたお付き合い(剣と剣的な意味で)になりそうですね!★素材お借りしました(http://p.tl/nGod)
「あらごきげんよう、万年王子」
ラケシア・アスター・ジャンヌ・マリア・ド・クリンピア、17歳にして既に稀代の女王とも称されるラケシア一世(id=9537220)は、先程知り合ったばかりのイザベル女王(id=9029819)と話している小太りの男に、ちっとも親愛など籠もっていない挨拶を投げかけた。
「おや、ラケシア陛下ではありませんか!」
親愛が一滴も籠もってなかろうと全く気にするそぶりもなく(おそらくは慣れているのだろう)、この女王が生まれた頃からずっと『王子』だった来訪者、フローレンス王子があっけらかんと笑う。
「ご機嫌うるわしゅう。そなたの戴冠式以来ですが、ますますお美しくなられましたな!」
3秒前まで求婚していたであろうイザベル女王を前に、臆面もなく言ってのける。この男、もしも政敵だったら真っ先にどこぞに幽閉して強制的にダイエットなどさせてやるのに、などと一瞬本気で考えつつ、ラケシア女王はふと『あることを』思い出し、言った。
「………ところで、あちらで求婚者を求めていた第一王女(id=9869254)がいらしてよ?」
「ほほう!それはそれは……」
「若さも美しさも申し分ない王女だけれど、こういった場に出るのは初めてな様ね。あれこれ『教えて』差し上げるのが殿方の役目じゃなくって?」
数秒後、目を輝かせながらいそいそと立ち去っていった王子を片目で見送りながら、彼女は自分の侍女のランメルモール嬢が偶然小耳に挟んだ、リリルナ王国の王女付きの護衛騎士(id=9883655)が零していたという愚痴の内容を思い浮かべ、形の良い唇を釣り上げてこう呟いた。
「せいぜい『ダンス』を楽しむ事ね」
<諸王国国賓来訪記より>
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2010-04-24 01:16
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