【ピクロボ】自律型高速偵察機 スピードスター

元々大手スポーツメーカーバイティングの開発した陸上競技用のトレーナーマシンだった彼は、
伸び悩んだパートナー選手からの執拗ないじめによって重度の鬱状態に陥ってしまう。
2ヵ月後、依然記録の伸びないその選手の前に現れた彼はいつものように伴走練習を始めるが、
そこで選手の持つ最高記録をあっさりと破り去る。ロボットとは言え今まで自分を
支え続けてきたパートナーに裏切られたその選手は、失意の内に陸上界から姿を消した。
自分を傷付けた相手への容赦無い復讐という最低の形で鬱状態から抜け出し歪んだアイデンティティを獲得した彼は、
次第に走る事そのものへの執着を強め、プロアスリートとしてバイティング社と強引に契約。
イメージキャラクターとして各種競技会に出場し、人間相手にぶっちぎりでゴールを決め続ける。
あまりの空気の読めなさに愕然としたバイティング上層部は、あらぬ方向に覚醒してしまった彼のAIを再構築し
、自律型ロボット兵器の試作として連合軍へ売り払ってしまう。しかし実はこの時点で彼の自我と呼ぶべき領域は
まだ完全には消滅していなかった。走りたい、勝ちたい、燃料だって言われて飲まされたファブリーズの味忘れへんぞクソが。
そんな思いが彼にただ兵器として生きる事を許さなかったのである。
「戦場にはまだ俺より速いロボットが山ほど居るはず。」そんな期待と送られてくる命令との間で揺れながら、
いびつな自我を包んだ鋼のボディが今、戦場を駆け抜ける。■全高1.7m■企画元→illust/1001301