【PFOZ】一刻一杯問答
「おや、もうすぐ閉店ですよ?」
「ここは何を売るお店なのだ?」
はて、こんな夜分遅くに女の子が一人で?
「コーヒーですよ。苦い飲み物を販売しています。」
「それは面妖な???なぜ苦いものを売っているのだ???」
「それが美味しいという人がいっぱいいるからです。」
「苦味を良しと認識する者が一定数いるということだな???ワンダホーではないか!?」
どうも私が知っている普通の女の子とはまた事情が違う人らしい。
「試しに一杯飲んでみますか?砂糖もミルクもたくさん入れてみますね。
苦いだけではないんですよ。」
「苦いだけではないとはどういうことだ???
それは苦味以外に別の味覚が含まれているということか???」
「まあ物は試しというでしょう。召し上がれ」
・・・なんとこのお客さん、一杯で一刻(2時間)もおしゃべりを粘り始めた。
「つまり苦くて美味しいは【人】にとっては【成人】の嗜好であり、
現在マスター殿は【幼年】向けに飲めるようにするために
砂糖とミルク以外の手法も研究しているということだな?」
「…まあ、かいつまんで言ったらそんなところですね。」
「苦味に旨味を見いだすことができるようになるのは【成人】になってからなのだな。
スィフリはこの苦味が薄められた甘いものも良しとするが、
マスター殿は苦味は好まないということか???」
「いいえ、そういうわけではありません。むしろこの苦味には精神的に救われたことがあります。」
「苦味が精神に効くことがあるのか???それは不思議だ???
苦味は通常避けて通られる味覚だが、それがマスターを精神的回復させたのは
特殊な理由がある味覚だからなのか???」
「それがわからないので、今猛勉強しているところなんですよ。」
「苦いものが美味いとは摩訶不思議???!」
「まったくですよ…」
おや、この話は”アガリのコーヒー”のヒントに差し掛かっている?
「苦いが美味いと思ってこだわる私はちょっと変でしょうか?」
「否、美味しいと思ったものを探求するのは極めて自然な知的欲求のひとつだ」
「…それが災害がきっかけで見つけた『美味い』だったとしてもですか?」
「人体の味覚が何を美味いと認識するかに、災害が関与する記録は見たことがない。
何が美味いかと認識するのか、それは人体の物質構成がそれを好ましいと認識した結果に過ぎない。
現に地面に落ちた茶の葉を煎じたものを、美味いと言って飲む文化が根付いている。」
確かに紅茶も元々は、発酵した茶の葉を煎じたものだ。
なんならコピ・ドラゴなんかも竜の排泄したコーヒー豆からできている。
実際に私たちは複雑な心境になることもありながらも、その味を認めている。
災害とは切り離して考えたほうがいいのだろうか。
私の悩みは。
「わざわざ焦がしたものを美味しいと思うことは変でしょうか。」
「焦がして尚おいしいものは、この世にいっぱいあるではないか!
キャラメル然り、プリン然り、もっと調べればあるはず!
この世はまだ美味しいが隠されていることに気がつくべきだ!」
それはおっしゃる通り、と首是するしかなかった。
「コーヒーが必要な国を、マスターは欲求するか?」
いきなり話題が変わったな。
突然話が変わるあたり、この子たちのコミュニティの中ではまだ幼いほうなのだろうか。
「もしこの国からコーヒーがなくなったら、確かに悲しいですね。」
「コーヒーが飲めない国になったら、マスターはこの国から退去する予定か?」
「予定とまではいきませんが、ちょっと考えますね。
美味しいコーヒーを作ることが私の仕事なので。」
「マスターの望むものは、美味しいコーヒーを、災害の懸念のないところで飲める国ということか?」
なぜこの短時間で核心を突くのが上手いんだろう?と不思議に思いながら肯定した。
「災害の懸念がないのが一番ですが、なにもコーヒーだけじゃないですよ。
コーヒー豆もそうですが、麦も果物も、なんだって、
植えれば当たり前のように実る国が理想的ですね。」
──────────────
pixivファンタジア Scepter of Zeraldia【illust/101965643】
第3章【illust/103207230】
──────────────
●お借りしました。
・スィフリさん【illust/102227829】
つるまさんは私が最初に所属したギルドのマスターを務めた人でした。なので今回のスィフリさんに会いにいきたいなあと思っていました。ただ、ロータスは学がない?ので、彼女?が例の質問を問いかけて、満足できる問答ができるかどうか、それがちょっと心配でした。
スィフリさんの語り方を再現するのが難しかったです。細かいところで解釈とは違う語り方をさせていたら御免なさい。食べ物を摂取できる種族かどうかちゃんと確認できませんでしたが、もし飲めないようでしたら、飲まずに退店したものとしてください。
●ロゴ素材お借りしました【illust/101966120】
──────────────
タグのつけ方、作画の仕方、交流の内容等で問題がある場合はお知らせください。
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●マスター・ロータス【illust/102184044】
●純喫茶アメアガリ【illust/102294666】
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「ここは何を売るお店なのだ?」
はて、こんな夜分遅くに女の子が一人で?
「コーヒーですよ。苦い飲み物を販売しています。」
「それは面妖な???なぜ苦いものを売っているのだ???」
「それが美味しいという人がいっぱいいるからです。」
「苦味を良しと認識する者が一定数いるということだな???ワンダホーではないか!?」
どうも私が知っている普通の女の子とはまた事情が違う人らしい。
「試しに一杯飲んでみますか?砂糖もミルクもたくさん入れてみますね。
苦いだけではないんですよ。」
「苦いだけではないとはどういうことだ???
それは苦味以外に別の味覚が含まれているということか???」
「まあ物は試しというでしょう。召し上がれ」
・・・なんとこのお客さん、一杯で一刻(2時間)もおしゃべりを粘り始めた。
「つまり苦くて美味しいは【人】にとっては【成人】の嗜好であり、
現在マスター殿は【幼年】向けに飲めるようにするために
砂糖とミルク以外の手法も研究しているということだな?」
「…まあ、かいつまんで言ったらそんなところですね。」
「苦味に旨味を見いだすことができるようになるのは【成人】になってからなのだな。
スィフリはこの苦味が薄められた甘いものも良しとするが、
マスター殿は苦味は好まないということか???」
「いいえ、そういうわけではありません。むしろこの苦味には精神的に救われたことがあります。」
「苦味が精神に効くことがあるのか???それは不思議だ???
苦味は通常避けて通られる味覚だが、それがマスターを精神的回復させたのは
特殊な理由がある味覚だからなのか???」
「それがわからないので、今猛勉強しているところなんですよ。」
「苦いものが美味いとは摩訶不思議???!」
「まったくですよ…」
おや、この話は”アガリのコーヒー”のヒントに差し掛かっている?
「苦いが美味いと思ってこだわる私はちょっと変でしょうか?」
「否、美味しいと思ったものを探求するのは極めて自然な知的欲求のひとつだ」
「…それが災害がきっかけで見つけた『美味い』だったとしてもですか?」
「人体の味覚が何を美味いと認識するかに、災害が関与する記録は見たことがない。
何が美味いかと認識するのか、それは人体の物質構成がそれを好ましいと認識した結果に過ぎない。
現に地面に落ちた茶の葉を煎じたものを、美味いと言って飲む文化が根付いている。」
確かに紅茶も元々は、発酵した茶の葉を煎じたものだ。
なんならコピ・ドラゴなんかも竜の排泄したコーヒー豆からできている。
実際に私たちは複雑な心境になることもありながらも、その味を認めている。
災害とは切り離して考えたほうがいいのだろうか。
私の悩みは。
「わざわざ焦がしたものを美味しいと思うことは変でしょうか。」
「焦がして尚おいしいものは、この世にいっぱいあるではないか!
キャラメル然り、プリン然り、もっと調べればあるはず!
この世はまだ美味しいが隠されていることに気がつくべきだ!」
それはおっしゃる通り、と首是するしかなかった。
「コーヒーが必要な国を、マスターは欲求するか?」
いきなり話題が変わったな。
突然話が変わるあたり、この子たちのコミュニティの中ではまだ幼いほうなのだろうか。
「もしこの国からコーヒーがなくなったら、確かに悲しいですね。」
「コーヒーが飲めない国になったら、マスターはこの国から退去する予定か?」
「予定とまではいきませんが、ちょっと考えますね。
美味しいコーヒーを作ることが私の仕事なので。」
「マスターの望むものは、美味しいコーヒーを、災害の懸念のないところで飲める国ということか?」
なぜこの短時間で核心を突くのが上手いんだろう?と不思議に思いながら肯定した。
「災害の懸念がないのが一番ですが、なにもコーヒーだけじゃないですよ。
コーヒー豆もそうですが、麦も果物も、なんだって、
植えれば当たり前のように実る国が理想的ですね。」
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pixivファンタジア Scepter of Zeraldia【illust/101965643】
第3章【illust/103207230】
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●お借りしました。
・スィフリさん【illust/102227829】
つるまさんは私が最初に所属したギルドのマスターを務めた人でした。なので今回のスィフリさんに会いにいきたいなあと思っていました。ただ、ロータスは学がない?ので、彼女?が例の質問を問いかけて、満足できる問答ができるかどうか、それがちょっと心配でした。
スィフリさんの語り方を再現するのが難しかったです。細かいところで解釈とは違う語り方をさせていたら御免なさい。食べ物を摂取できる種族かどうかちゃんと確認できませんでしたが、もし飲めないようでしたら、飲まずに退店したものとしてください。
●ロゴ素材お借りしました【illust/101966120】
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タグのつけ方、作画の仕方、交流の内容等で問題がある場合はお知らせください。
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●マスター・ロータス【illust/102184044】
●純喫茶アメアガリ【illust/102294666】
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2022-12-07 00:59
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