ペンタ・ウエンストンの大冒険　〜空を飛ぶ乗物〜　#25

ムワシは身体の向きを返し、剣先スレスレでかわしました。小次郎はその後、素早く手首を返しました。

「ぐっ？」

ムワシは小次郎の思わぬ手さばきに意表を突かれたが、なんとか木刀を自分に寄せて小次郎の刀を受け止めました。

「命拾いしたな、ムワシ！」

小次郎の猛攻は終わリませんでした。その隙にペンタとハートリアは、ニワトリーヌとキウイチの縄を解きました。

「みんな！あそこに隠れよ！」

ペンタたちは、急いで岩影に隠れました。
小次郎は再び飛び上がりました。

「奥義、、、」

その瞬間、ムワシは岩壁を蹴り上がり小次郎と同じ高さまで飛び上がりました。

「な、なに？」

ムワシの木刀が小次郎の右翼にめり込みました。

「ツバメ返し、見切った！」

小次郎は吹き飛びましたが、すぐに体勢を立て直しました。

「その程度では、拙者を倒せんぞ！」

右翼の刻印がさらに強く光出し、小次郎の傷がみるみる治っていく。

「ふふっ、まだまだ楽しもうではないか！」

「もはや、鳥ではなくなったか、、、」

「何を言う、あの時のお主と同じではないか！今更、ただの鳥に戻れると思うなよ！」

ムワシと小次郎がぶつかり合う音が洞穴に響き渡ります。
そんな中、ペンタは何かに気づきました。ペンタの目線の先には、ムワシを弓矢で狙うカラスがいました。

ペンタとニワトリーヌ、キウイチは、弓矢を構えるカラスの元へ走り出しました。