ここにある

(ニャビー)「・・・何もないな・・・」
空を見上げる・・・雲ひとつない空
オレの心はこんなに曇ってるのに、この空さえも・・・

公園の端の方でうずくまるニャビー
今日もいつも通り楽しく遊んでいる仔ポケモン達を見つめる
「・・・・・・」

(フォッコ)「・・・見つけた、ニャビー」
光指す葉と葉の間から顔を出す
(ニャビー)「・・・なんだよ」
こんな時まで、来るのかよ
コイツは
(フォッコ)「・・・聞いたよ、お母さん・・・残念だったって」
(ニャビー)「・・・だからなんだよ、そんなの
　　　　　　お前には関係ないだろ」
(フォッコ)「・・・私は、・・ただ」
(ニャビー)「もういいよ！」
突然の大声に遊んでいた子どもたちも唖然とする
「やめろよ・・・、何度も何度も、俺のことに首突っ込んできてよ、
・・・もういいんだよ、」
(フォッコ)「・・・・・・」
(ニャビー)「・・・もう、俺には・・・何も・・・」

ぎゅっ
(ニャビー)「！」
フォッコに抱きかかえられる
「・・・・・・・」
(フォッコ)「・・・大丈夫、ニャビーは一匹なんかじゃない」
(ニャビー)「・・・・・・」

(フォッコ)「私が一緒にいるから」

(ニャビー)「・・・・・・なんだよ・・・それっ・・・」
・・・・
胸が熱い、視界が揺れる・・・・
涙が・・・出てくる
分からなかった気持ち、
心が晴れていくようなこの感覚・・・

「((フォッコ))『嫌だ！ニャビーがいなくて、私すごく辛かった！！　　　｜
｜ニャビーにはもういなくなってほしくないの！！』　　　　　　　　　　｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
｜『ニャビーが笑顔になる方法、私が見つけて絶対に笑顔にしてあげる！』｜
｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
｜『どう！これが楽しいイタズラの味だい！』(⌒▽⌒)　　　　　　　　　」

そうか、
そうだったのか

俺の大切なものは・・・ここにもあったのか―