進化

とある製造工場に配属されてから約3日が経った。
おにぎり1個で一日を乗り切る日が続いている。

「どうしてお刺身にタンポポが載せられないだっ!」

「〇〇が倒れたっ!担架持ってこいっ!」

工場内で飛び交う叫びがこの現場の過酷さを物語っていた。

一心不乱にタンポポを見つめる作業に精神を病んでいたとの時、パリンと窓ガラスが割れる音がした。

ドスンッと音がする方向を見るとベルトコンベアに女の子と大きいぬいぐるみが載っていた。

突然のことで頭の整理が追い付かない。

俺がその女の子と目が合ったとき

「工場長はどこ?!」

と聞かれたが、残念ながら工場長は工場で余ったタンポポをルアー代わりに
お客さんと釣りに行っていて不在だ。

そのことを上手く伝えられないことに対して
少し気落ちした俺は彼女の隣にいる大きいぬいぐるみに視線を向ける。
このぬいぐるみの名前は"キュービー"というらしい。
時々「俺が見えるのかー?(存在感)」と問うてくるが喋るぬいぐるみなんだろう。

その後、現場責任者がメガ〇ンカして女の子と死闘を繰り広げた末、
キュービーが搬送機械に詰って工場は業務停止。
俺はパン(社怪人)になったのであった。

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2022-12-10 21:38

 だぶまん


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