【PFSOZ】さよならテウメッサ
王都が泣いている。街中の悲鳴や断末魔、恐怖の音で満ちている。
その中で微かに聞き覚えのある泣き声。
いつだったか、エレイオとグルンドが困り切った顔で保護していたあの子供だ。
「また親御とはぐれたのかえ?ケガは?しておらんな?」
ぴいぴい泣きじゃくる幼子の頭をひと撫ですると、涙でいっぱいになった大きな目がわしを見上げた。
こんな瓦礫だらけでモンスターも多い中、ケガ一つなくよく無事であったものだ。
「そんなに泣いておると目玉がこぼれ落ちてしまう」
おのこなのだから強くあらねばのう。
煤で汚れた子供の頬を、ハンカチで拭ってやる。
「おねえさん、ぼく、…ぼく…」
「ああほれ泣くな泣くな。…この通りを右に曲がった所に広場があるの、知っておるか?」
「…?うん、知ってるよ」
「そこでな、今、わしの友達が屋台を出しておるんじゃ。
小鳥さんを頭に乗せたお兄さんでのう… とっても美味しい料理を作って待っておる。
いっぱい泣いたらお腹空いたろ、わしも後から行くから先に行っててくれるかの?」
不安にさせないように穏やかに語り掛ける。
弟がいたらこんな感じなのだろうか、などと心の隅で思いを馳せる。
今この瞬間にも濁流のように負の音が耳を苛んでいるというのに、心は酷く静かだ。
「…ぜったい、ぜったい来てね!じゃないとおねえさんの分まで食べちゃうから!」
小さな背中を押すと、勢いよく駆け出していく。
もう子供の心からは、不安はあれど恐怖の音は聞こえなかった。
「…さてと…」
背後から、上空から、モンスターの群れが押し寄せる。
*
「こんなに多いと骨が折れるわ…」
右肩を飛行型のモンスターに食いちぎられ、影から出てきた一つ目の犬らには脚や腕を執拗に狙われ、
挙句の果てにはブーツのヒールも折れ、瞼の上もぱっくりやられて最悪の気分だった。
途中から裸足で逃げ回っていたが、そこかしこで火事だ瓦礫だで足裏は傷だらけである。
今週の占いでは欲しいものが手に入るハッピーウィークのはずなのに。おかしい。
「もしかしてこれは…ピンチ、というやつか…」
ピンチどころか死ぬかもしれんなあ…。
傷を負ったところから菌が入り込んだのか、はたまたこの犬っころたちの毒か。
それとも別のモンスターかはわからないがやけに体が熱い。
くずおれてしまったら、もう立ち上がれなかった。
今見聞きしているものが夢か現かもわからない。
「もっと話したいことがあったんだがの……」
****
長すぎる3行でまとめろ。
子供を泣き止ませて
自分が囮になったら
デバフモリモリフルボッコ
デバフって浪漫だなって思ってやりました。
ゲストのお子様はこちら【illust/103107029】のお子様だといいなって…思って…思っ…だめだよって言われたら都合のいい子供を錬成します!!
△お借りしました!素敵なモンスターありがとうございます!(敬称略
四姉妹の禍根【illust/103637452】よりなきつく幼怪
ブラックドッグ【illust/103658183】
キャプション中のみですがお名前や存在を匂わせてしまいました。
エレイオさん【illust/101980362】
グルンドさん【illust/102120838】
バーウィンさん【illust/103699283】今は完全体なお肉の姿(お肉の姿???)なのでこちらのリンクで失礼します!
注射でも「あ~~無理死ぬ~!」とか言いそう【illust/102132636】
その中で微かに聞き覚えのある泣き声。
いつだったか、エレイオとグルンドが困り切った顔で保護していたあの子供だ。
「また親御とはぐれたのかえ?ケガは?しておらんな?」
ぴいぴい泣きじゃくる幼子の頭をひと撫ですると、涙でいっぱいになった大きな目がわしを見上げた。
こんな瓦礫だらけでモンスターも多い中、ケガ一つなくよく無事であったものだ。
「そんなに泣いておると目玉がこぼれ落ちてしまう」
おのこなのだから強くあらねばのう。
煤で汚れた子供の頬を、ハンカチで拭ってやる。
「おねえさん、ぼく、…ぼく…」
「ああほれ泣くな泣くな。…この通りを右に曲がった所に広場があるの、知っておるか?」
「…?うん、知ってるよ」
「そこでな、今、わしの友達が屋台を出しておるんじゃ。
小鳥さんを頭に乗せたお兄さんでのう… とっても美味しい料理を作って待っておる。
いっぱい泣いたらお腹空いたろ、わしも後から行くから先に行っててくれるかの?」
不安にさせないように穏やかに語り掛ける。
弟がいたらこんな感じなのだろうか、などと心の隅で思いを馳せる。
今この瞬間にも濁流のように負の音が耳を苛んでいるというのに、心は酷く静かだ。
「…ぜったい、ぜったい来てね!じゃないとおねえさんの分まで食べちゃうから!」
小さな背中を押すと、勢いよく駆け出していく。
もう子供の心からは、不安はあれど恐怖の音は聞こえなかった。
「…さてと…」
背後から、上空から、モンスターの群れが押し寄せる。
*
「こんなに多いと骨が折れるわ…」
右肩を飛行型のモンスターに食いちぎられ、影から出てきた一つ目の犬らには脚や腕を執拗に狙われ、
挙句の果てにはブーツのヒールも折れ、瞼の上もぱっくりやられて最悪の気分だった。
途中から裸足で逃げ回っていたが、そこかしこで火事だ瓦礫だで足裏は傷だらけである。
今週の占いでは欲しいものが手に入るハッピーウィークのはずなのに。おかしい。
「もしかしてこれは…ピンチ、というやつか…」
ピンチどころか死ぬかもしれんなあ…。
傷を負ったところから菌が入り込んだのか、はたまたこの犬っころたちの毒か。
それとも別のモンスターかはわからないがやけに体が熱い。
くずおれてしまったら、もう立ち上がれなかった。
今見聞きしているものが夢か現かもわからない。
「もっと話したいことがあったんだがの……」
****
長すぎる3行でまとめろ。
子供を泣き止ませて
自分が囮になったら
デバフモリモリフルボッコ
デバフって浪漫だなって思ってやりました。
ゲストのお子様はこちら【illust/103107029】のお子様だといいなって…思って…思っ…だめだよって言われたら都合のいい子供を錬成します!!
△お借りしました!素敵なモンスターありがとうございます!(敬称略
四姉妹の禍根【illust/103637452】よりなきつく幼怪
ブラックドッグ【illust/103658183】
キャプション中のみですがお名前や存在を匂わせてしまいました。
エレイオさん【illust/101980362】
グルンドさん【illust/102120838】
バーウィンさん【illust/103699283】今は完全体なお肉の姿(お肉の姿???)なのでこちらのリンクで失礼します!
注射でも「あ~~無理死ぬ~!」とか言いそう【illust/102132636】
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ヴァラシン組
barashinngumi
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黒王軍の進撃
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2022-12-18 21:52
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