１２１　失せもの よそ者

嵐の後は トレジャーハントがお約束。メッソンたちは どんな宝物に出会えるかワクワク。

そこにモクローのモズクが血相を変えて飛んできた！
「おーい ボロくんたちが使っていたタイヤのベッドが見つかったよー！」
メッソンたちの顔がほころんだ。以前 暮らしていた住処にあった思い入れのあるタイヤ。
ソファにベッドに とても重宝したものの、嵐で吹き飛ばされてしまったものだった。
今回の嵐で再び近くに流れ着いてくれたのだろう。
今すぐ 取り戻しに行こう！メッソンたちはモズクに詳しい場所を聞こうとするが、モズクの表情は
冴えない…。

聞けば、そのタイヤは 別のポケモンが木にくくりつけて ぶら下げているらしい。
すでに拾われているのなら 仕方ない。そう思ったものの、やはり少し気になってしまう。
おそるおそる タイヤがある場所へと向かう。

たしかに木に吊るされて タイヤはあった。

その下で見たことのないポケモンが腰を落とした姿勢でタイヤを睨んでいる…。
そして次の瞬間、豪快な拳足がタイヤに打ち付けられる！重いタイヤは軽々と弾み舞った。
「わ～ん、ぼくたちのベッドがいじめられているよ！」
兄弟たちはショックで泣いた。

「あーー～⁉あんにゃろ、ボロ君たちのベッドを！ンナロー！」
ついてきてくれたバチンキーのハポンが今にも飛び掛かりそうに息をまく。
「あにゃろーぼくたちの べっど を んなろー！」
末っ子も 怒トサカ天を衝く 勢いでハポンに続いた。