テイオーは愛されていますね
「きゃっ!」
「わっ!……ごめん大丈夫?!」
トレセン学園の廊下の角で横から現れたウマ娘と衝突してしまう。
その瞬間、その娘が抱えていた紙束がバサバサと廊下に散乱する。
「こちらこそ前方不注意でしたわ。申し訳ありません……。あら、テイオーのトレーナーさん」
その娘はメジロマックイーンだった。
自分の担当であるトウカイテイオーがライバルとしている人物で、リーニュ・ドロワットで一緒に踊るほどの関係だ。
「ごめんケガはない?」
散らばった紙を集めながら痛みがないか聞く。
「えぇ、問題ありませんわ。お心遣い感謝いたします」
二人で手分けして紙を集めるとあっという間に回収が終わった。
「はいこれ」
「助かりますわ」
そう言ってまた胸の前で抱える。
「もう一度確認だけど、痛みとかない?」
時間を空けると痛みが表面化してくることもあるので念のため確認してみる。
「えぇ、この通り。問題ありませんわ。それよりトレーナーさんのお身体の方は?」
ウマ娘の方がフィジカルが強いので彼女はこちらを心配してくれる。
「俺の方も大丈夫だよ」
「それは良かったです」
彼女は微笑みながら頷く。
「トレーニングは順調?」
「えぇ、最終調整に入っています。このままいけば問題ない……いえ、より良い結果が出せると確信していますわ」
彼女のトレーナーは自分との同期だが、やはり名家の娘を担当するだけあって要領が良いのは分かる。
彼にトレーニングメニューについて相談しにいくこともあるくらいだ。
「いいね。応援してるよ」
「ふふ、ありがとうございます。ところで、テイオーの調子はいかがです?」
マックイーンはテイオーのことについて尋ねてくる。
「テイオーも目標タイム更新して順調だよ。脚のケガもあまりしなくなったし」
テイオーはケガのしやすい脚のため、入念なストレッチなどを厳としてトレーニングを行っている。
自分も何か出来ないかとトレーニング後の脚のマッサージなどをしてあげるようになってから故障することは少なくなったように思う。
「それはとても優秀なトレーナーさんが付いているからでしょう」
「そんな、大げさだよ」
「いいえ、大げさなんかではありません。……これからもテイオーのことをよろしくお願いいたします。級友として、ライバルとして」
彼女は微笑みながらも真剣な眼差しを向ける。
「ありがとう。これからもよろしく」
「えぇ」
そんなやりとりをしている時、先ほどの紙を集める時の動作を思い出す。
「……?どうかなさいまして?」
急に考え込んだ自分にマックイーンは心配そうに声をかけてくる。
「あぁ、さっきの動きがさ、トレーニングに活かせそうかもって思って。彼女の柔軟な足腰をより強化できそうかも」
そう伝えると彼女は一瞬ポカンとした顔になるがすぐに笑顔になる。
「本当にテイオーは愛されていますね」
「彼女を『帝王』にしてあげなくちゃだからね」
彼女は頷く。
「えぇ、そうでなくては。だからと言って勝ちを譲る気はこれっぽっちもありませんけれど」
その言葉を聞き、二人して笑いあう。
「それではこれで」
「うん。気を付けて」
そう言ってマックイーンとは別れた。
トレーナー室へと向かうため、廊下を曲がろうとした時
「あートレーナーこんなところにいた!」
曲がり角から飛び出すように担当のトウカイテイオーが出てきた。
「うおっ!ビックリした。急に飛び出すと危ないぞ」
先ほどマックイーンと衝突してしまったので自戒の念も込めて彼女に注意をする。
「はいはーい分かってますよー。ま、ボクの反射神経なら余裕で避けられちゃうけどね」
彼女はこちらの言葉を軽く受け流しつつ、後ろ手にこちらに近づいてくる。
「そんなことよりさー早くトレーニングしようよ。ボク待ちくたびれちゃった」
「ごめんごめん。ちょっと片づけしてたから」
「ふーん」
「楽しそうに話してたよね」
彼女がこちらを見る。
「ん?ああ見てたのか。マックイーンとキミのことでちょっと話してたんだよね」
見てたなら話しかけてくれたらよかったのにと思いながら、先ほどのやり取りを聞かせる。
マックイーンからテイオーのことをよろしく頼むと言われたなど伝えると
「なーんだマックイーンとそんなこと話してたのかー。ま、ボクは皇帝を超える帝王を目指してるんだから当然だよね!」
ニシシと笑いながら胸を張る彼女を見て思わず笑みがこぼれる。
「ほーらー早くトレーニングしにいこうよ。ボクの走りいっぱい見せてあげるからさー」
「分かった分かった」
「トレーニングが終わったらマッサージしてよね。あ、はちみーも追加で!」
「はちみーは色々終わってからな」
ワガママを言う担当の帝王様に引っ張られながらトレーニング場へと向かう。
ジャージに着替えターフを駆け抜けるトウカイテイオーの走りはいつもよりキレのあるものだった。
「わっ!……ごめん大丈夫?!」
トレセン学園の廊下の角で横から現れたウマ娘と衝突してしまう。
その瞬間、その娘が抱えていた紙束がバサバサと廊下に散乱する。
「こちらこそ前方不注意でしたわ。申し訳ありません……。あら、テイオーのトレーナーさん」
その娘はメジロマックイーンだった。
自分の担当であるトウカイテイオーがライバルとしている人物で、リーニュ・ドロワットで一緒に踊るほどの関係だ。
「ごめんケガはない?」
散らばった紙を集めながら痛みがないか聞く。
「えぇ、問題ありませんわ。お心遣い感謝いたします」
二人で手分けして紙を集めるとあっという間に回収が終わった。
「はいこれ」
「助かりますわ」
そう言ってまた胸の前で抱える。
「もう一度確認だけど、痛みとかない?」
時間を空けると痛みが表面化してくることもあるので念のため確認してみる。
「えぇ、この通り。問題ありませんわ。それよりトレーナーさんのお身体の方は?」
ウマ娘の方がフィジカルが強いので彼女はこちらを心配してくれる。
「俺の方も大丈夫だよ」
「それは良かったです」
彼女は微笑みながら頷く。
「トレーニングは順調?」
「えぇ、最終調整に入っています。このままいけば問題ない……いえ、より良い結果が出せると確信していますわ」
彼女のトレーナーは自分との同期だが、やはり名家の娘を担当するだけあって要領が良いのは分かる。
彼にトレーニングメニューについて相談しにいくこともあるくらいだ。
「いいね。応援してるよ」
「ふふ、ありがとうございます。ところで、テイオーの調子はいかがです?」
マックイーンはテイオーのことについて尋ねてくる。
「テイオーも目標タイム更新して順調だよ。脚のケガもあまりしなくなったし」
テイオーはケガのしやすい脚のため、入念なストレッチなどを厳としてトレーニングを行っている。
自分も何か出来ないかとトレーニング後の脚のマッサージなどをしてあげるようになってから故障することは少なくなったように思う。
「それはとても優秀なトレーナーさんが付いているからでしょう」
「そんな、大げさだよ」
「いいえ、大げさなんかではありません。……これからもテイオーのことをよろしくお願いいたします。級友として、ライバルとして」
彼女は微笑みながらも真剣な眼差しを向ける。
「ありがとう。これからもよろしく」
「えぇ」
そんなやりとりをしている時、先ほどの紙を集める時の動作を思い出す。
「……?どうかなさいまして?」
急に考え込んだ自分にマックイーンは心配そうに声をかけてくる。
「あぁ、さっきの動きがさ、トレーニングに活かせそうかもって思って。彼女の柔軟な足腰をより強化できそうかも」
そう伝えると彼女は一瞬ポカンとした顔になるがすぐに笑顔になる。
「本当にテイオーは愛されていますね」
「彼女を『帝王』にしてあげなくちゃだからね」
彼女は頷く。
「えぇ、そうでなくては。だからと言って勝ちを譲る気はこれっぽっちもありませんけれど」
その言葉を聞き、二人して笑いあう。
「それではこれで」
「うん。気を付けて」
そう言ってマックイーンとは別れた。
トレーナー室へと向かうため、廊下を曲がろうとした時
「あートレーナーこんなところにいた!」
曲がり角から飛び出すように担当のトウカイテイオーが出てきた。
「うおっ!ビックリした。急に飛び出すと危ないぞ」
先ほどマックイーンと衝突してしまったので自戒の念も込めて彼女に注意をする。
「はいはーい分かってますよー。ま、ボクの反射神経なら余裕で避けられちゃうけどね」
彼女はこちらの言葉を軽く受け流しつつ、後ろ手にこちらに近づいてくる。
「そんなことよりさー早くトレーニングしようよ。ボク待ちくたびれちゃった」
「ごめんごめん。ちょっと片づけしてたから」
「ふーん」
「楽しそうに話してたよね」
彼女がこちらを見る。
「ん?ああ見てたのか。マックイーンとキミのことでちょっと話してたんだよね」
見てたなら話しかけてくれたらよかったのにと思いながら、先ほどのやり取りを聞かせる。
マックイーンからテイオーのことをよろしく頼むと言われたなど伝えると
「なーんだマックイーンとそんなこと話してたのかー。ま、ボクは皇帝を超える帝王を目指してるんだから当然だよね!」
ニシシと笑いながら胸を張る彼女を見て思わず笑みがこぼれる。
「ほーらー早くトレーニングしにいこうよ。ボクの走りいっぱい見せてあげるからさー」
「分かった分かった」
「トレーニングが終わったらマッサージしてよね。あ、はちみーも追加で!」
「はちみーは色々終わってからな」
ワガママを言う担当の帝王様に引っ張られながらトレーニング場へと向かう。
ジャージに着替えターフを駆け抜けるトウカイテイオーの走りはいつもよりキレのあるものだった。
ウマ娘
horse girl
ウマ娘プリティーダービー
Uma Musume Pretty Derby
メジロマックイーン(ウマ娘)
Mejiro McQueen (UMPD)
トウカイテイオー(ウマ娘)
Tokai Teio (Uma Musume)
愛が重馬場
Aigaomobaba
しっとりテイオー
ヤンデレ
yandere
闇のテイオー
yannderuteio-
しっとり者
835
1144
51752
2023-05-29 19:00
Comments (17)
テイオーの⚪︎⚪︎⚪︎気持ち良すぎだろ! ⚪︎⚪︎⚪︎気持ち良すぎだろ!
うん!これこれこの味!実家に帰ってきたかのような安心感があるな~!(感覚麻痺
View Repliesタイトルの「テイオーは愛されていますね」がどうしてもボンドルドが言ってるように脳内改竄される…何故だ…
View Repliesウマ娘の聴力をもってすれば建物内で目視距離の時点でよほどの小声でもなければ聞こえていたはず また原作テイオーは足音で誰が近づいて来たか判るくらいの超感覚持ち どの道自分以外の奴と交流するのが気に食わないんだろ!知ってるよ!ネイチャと買い物行ってくる!
クソボケトレーナー「おう! テイオー! さっきな、マックイーンと話してたんだが新しいトレーニング方法を思いついてな!(まったく悪気なし)」
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