私のことどう思ってますか?
「委員長~昨日のレースかっこよかったね」
「ありがとうございます!これからも頑張りますね!」
トレーナー室に向かう途中、ハツラツとした声が響く。
「あ、トレーナーさんおはようございます!」
「おはようトップロード。昨日はお疲れ様」
自分の担当であるナリタトップロードがこちらに気づき挨拶をしてくれる。
昨日は大事な重賞レースで見事一着を取ることが出来た。
最近は良い結果が残せずにいたが、彼女の諦めない姿勢が今回の勝ちに繋がったと思っている。
「レース後だけど午後はミーティングがあるから、よろしくな」
「はい、またあとで!」
友人と話していたところを割り込んだ形だったので、自分は早めに話を切りその場を後にする。
「ねえねえ委員長~」
「はい、なんですか?」
自分が廊下を曲がる時、友人が彼女に耳打ちしているのが見えた。
彼女が驚いたようにこちらを見て、すぐに目線を逸らす。パッと見だが頬も少し赤らめていた。
どんな話をしていたか気になるが、既に廊下を曲がり切った自分は彼女たちの姿が柱で隠れたため、そのまま歩みを進める。
「失礼します」
トントントンと3回ノック音が響き、トレーナー室のドアが開く。
午後のミーティング予定時間5分前に彼女は現れた。
「お疲れ様。改めて昨日は本当におめでとう」
「……ありがとうございます」
彼女は静かに微笑むが、その姿に違和感を覚える。
「トップロード?」
いつもなら「ありがとうございます!」と感情を爆発させるように元気に言うのが、彼女の特徴だが今日はなんだか大人しい。
もっと言うのであれば、午前中よりも大人しく感じた。
「何か、あったのか?」
部屋に入ってから少し俯きがちで視線の合わない彼女が心配になる。
もしかしたら昨日のレースで負傷していのかもしれないと思い彼女に近づくと
「いえ、ケガとかそういう訳ではないんです。ただ……」
そう言って彼女は手を振るが、伸ばした指先はすぐに力が抜け、関節が緩やかに曲がる。
「トップロード?」
「あの、トレーナーさん」
彼女は顔を上げようやく目が合う。
「トレーナーさんは私のこと、どう思ってますか?」
「どう、思ってるか?」
急にそんな質問をされて困惑してしまうが、考えてみる。
彼女のことはデビュー前から見ていて、諦めず前向きで苦しい時でも人一倍努力していたのが今でも思い出せる。
勝った時は笑顔で応援してくれたファンのみんなに感謝を伝え、負けた時は大粒の涙を流しながら悔しさを隠さないところなどが印象的だ。
どんな時でも『ナリタトップロード』の走りを見せてくれて、みんなに勇気をくれる姿が脳裏に焼き付いている。
最高のウマ娘だ。
そう思いながら
「大好きだよ」
と伝えながら頭を撫でる。
「あっ……」
彼女は一瞬、目を見開くがすぐに伏し目になる。
「……はい私もトレーナーさんのこと」
「大好きです」
制服の裾を握るように手汗を拭くナリタトップロードのその笑顔は、少しだけさみしそうに見えた。
「ありがとうございます!これからも頑張りますね!」
トレーナー室に向かう途中、ハツラツとした声が響く。
「あ、トレーナーさんおはようございます!」
「おはようトップロード。昨日はお疲れ様」
自分の担当であるナリタトップロードがこちらに気づき挨拶をしてくれる。
昨日は大事な重賞レースで見事一着を取ることが出来た。
最近は良い結果が残せずにいたが、彼女の諦めない姿勢が今回の勝ちに繋がったと思っている。
「レース後だけど午後はミーティングがあるから、よろしくな」
「はい、またあとで!」
友人と話していたところを割り込んだ形だったので、自分は早めに話を切りその場を後にする。
「ねえねえ委員長~」
「はい、なんですか?」
自分が廊下を曲がる時、友人が彼女に耳打ちしているのが見えた。
彼女が驚いたようにこちらを見て、すぐに目線を逸らす。パッと見だが頬も少し赤らめていた。
どんな話をしていたか気になるが、既に廊下を曲がり切った自分は彼女たちの姿が柱で隠れたため、そのまま歩みを進める。
「失礼します」
トントントンと3回ノック音が響き、トレーナー室のドアが開く。
午後のミーティング予定時間5分前に彼女は現れた。
「お疲れ様。改めて昨日は本当におめでとう」
「……ありがとうございます」
彼女は静かに微笑むが、その姿に違和感を覚える。
「トップロード?」
いつもなら「ありがとうございます!」と感情を爆発させるように元気に言うのが、彼女の特徴だが今日はなんだか大人しい。
もっと言うのであれば、午前中よりも大人しく感じた。
「何か、あったのか?」
部屋に入ってから少し俯きがちで視線の合わない彼女が心配になる。
もしかしたら昨日のレースで負傷していのかもしれないと思い彼女に近づくと
「いえ、ケガとかそういう訳ではないんです。ただ……」
そう言って彼女は手を振るが、伸ばした指先はすぐに力が抜け、関節が緩やかに曲がる。
「トップロード?」
「あの、トレーナーさん」
彼女は顔を上げようやく目が合う。
「トレーナーさんは私のこと、どう思ってますか?」
「どう、思ってるか?」
急にそんな質問をされて困惑してしまうが、考えてみる。
彼女のことはデビュー前から見ていて、諦めず前向きで苦しい時でも人一倍努力していたのが今でも思い出せる。
勝った時は笑顔で応援してくれたファンのみんなに感謝を伝え、負けた時は大粒の涙を流しながら悔しさを隠さないところなどが印象的だ。
どんな時でも『ナリタトップロード』の走りを見せてくれて、みんなに勇気をくれる姿が脳裏に焼き付いている。
最高のウマ娘だ。
そう思いながら
「大好きだよ」
と伝えながら頭を撫でる。
「あっ……」
彼女は一瞬、目を見開くがすぐに伏し目になる。
「……はい私もトレーナーさんのこと」
「大好きです」
制服の裾を握るように手汗を拭くナリタトップロードのその笑顔は、少しだけさみしそうに見えた。
ウマ娘
horse girl
ウマ娘プリティーダービー
Uma Musume Pretty Derby
ナリタトップロード(ウマ娘)
Narita Top Road (Uma Musume)
愛が重馬場
Aigaomobaba
恋愛ウマ娘
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2023-07-12 19:00
Comments (19)
立て!立って前を向け!諦めるな!お前は覇王世代のナリタだろ!
トレーナーが愛しているのは理子ちゃんだもんね、仕方ないね
自分の『大好き』とトレーナーの『大好き』で意味が違う事に気付いちゃった表情ですね……
仕方ないんじゃ…教え子に手を出す訳にはいかんのじゃ…
これは愛が良馬場の鬼ですわ・・・ まあ数年後とかで雰囲気とか色々変わるからまだチャンスはあるよね?
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