三善タカネ

タカネ、良いキャラで好き。

以下は「同人誌直に抱えて外を歩くシチュエーションはおかしいのではないか」と思ったのででっちあげた言い訳です。
(※イベントストーリー「学漫同人物語 ~2人が求める最終回~」のネタバレ・独自解釈を含みます。)

晴天の霹靂だった。
三善タカネは数多の『ルナ』最終巻(を描いた二次創作同人誌)を読んできた。ほとんど全ての『ルナ』最終巻を読んでいるという自負すらある。しかし思いがけず立ち寄った古本屋には彼女の知らない『ルナ』最終巻があったのだ。
冗談交じりに本との出会いは一期一会と口にする者もいるが、こと同人誌に関しては特にその傾向が強い。
ここで逃せば、あるいは永遠に読めないかもしれない——その思いが三善タカネを動かした。
しかし、彼女には一つの誤算があった。袋がない。店主によるとちょうど切らしているとのことだった。
かと言って、いつも持ち歩いているハンドバッグでは小さくて同人誌を入れるには適さない。
幸いにも空は晴れ渡っている。クーデターはつい昨日終結したばかりだ。当分は工務部も大人しくしているだろう。落雪にさえ注意して抱えて歩けば無事に持ち帰れるかもしれない。
三善タカネは意を決して、店の外へ出た。
——こんな姿、誰にも見られたくはありませんね。
人気のない道を選んで歩く。慎重に、周囲の様子を窺いつつ。
果たして、彼女はあと一歩のところでミッションを成し遂げられる、というところまで来た。
油断。慢心。
長く張り続けた緊張の糸がわずかに緩む。
だから気付けなかった。たまたま近くにいた『大人』の存在に。

”あれ、タカネ?”

連邦捜査部シャーレの顧問——『先生』がそこにはいた。

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2023-08-25 11:43

 鳩寂


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