クド、ワンピース風味

絵を描き始めるときは、自分は何だって描けるんだと思って描き始める。尾田栄一郎のようにもやれるんだと思ってやりはじめる。構図も線画も色塗りも、自分は尾田栄一郎だと思ってやる。
しかし後になって見てみれば、構図も線画も色塗りも、何一つ尾田栄一郎ではないのである。よく見たら海と空と文字の要素で、似せてあるだけだ。
何となくそれっぽいものであって、まったく尾田先生とは違うものが出来上がってしまった。
頭では、そう出力しようとしていても、尾田栄一郎としては出力されない。恐るべき、悲しい真実ではあるが、名高いその人と比べて、持っている力量が違っていたのである。
やっぱり自分の絵は、人間・物体の形がとれていないんであろう。設計図であるラフの段階（都合よく脳内補完された設計図）では、「傑作だ、いけるぞ」と思う。
ところが線画で迷って、線が太くなる。色塗りになって、立体の矛盾に気づかされる。
もう奇をてらうだけという絵は、これまで何回もやっただろう。色塗りも変わりばえなく乗算で重ねるだけ。
いつまでも、これじゃだめだ。
立体に見えるよう素体も描かなきゃ。
でもイラストの立体は、写真じゃなくて創作した絵だ。ウソや矛盾はある。だから、うまい人のようにそれっぽく見えるくらいの精度が、対処のうまさが、器用さがあるかどうかが問題であろうと考える。
他の塗り方も覚えよう。
この人間は、誰かの絵をまねることができるのか、人に習うことができるのか、本当の形がとれるのか、意図にまっすぐ我慢強くできるのか。
試されるときがきてしまった。
ついに、V tuberを描くときが来たんだと思う。