D-8 試作 双発戦斗機

前方はほとんど見えない。ガル翼を採用しても、巨大すぎるエンジンのせいで極端な迎え角になっているのだ。すさまじい振動で機体が跳ね上がらないよう、整備員が、3人がかりで尾翼にしがみついている。なんとか滑走路に進入し、管制からの発進許可を待つ。信号が青に変わる。少尉はスロットルを3,000回転まで上げた。耳を劈く爆音とともに、ロケットのような加速で、彼はシートに叩き付けられる。プロペラが地面を擦らないよう、暴れまわる機体を、なんとか押さえ込む。やがて機体は、矢の様なスピードで、蒼穹に吸い込まれていった。
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2010-06-08 11:58

 an-chang


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