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新しい資本主義の主要政策

まずは、賃上げの実現である。でもそれに付けた形容詞こそが、新しいものと云えるかどうか。いかなる形容詞が付けられているかは、「構造的」である。つまり賃上げの内容は構造的に行うのである。構造的とはなにか、そこが、新しくもないことへの導入なのである。奴隷が自由になるといっても、そこで、構造的な自由を実現するというなら、古代ローマの奴隷解放と同じで、解放とは、前と同じ束縛を維持する自由ということなのである。奴隷は自由にはなっても、何の新たな存在ではなく、法に記された自由なる存在になるだけで、法にはむしろ、給餌なき、奴隷こそ自由であると記されている。むしろ、生命の危機が大きくなっただけの、奴隷解放であった。新しい資本主義の云う、構造的賃上げは、誰かには多少の賃上げを、そして他の者には、安い賃金の実現以外のなにものでもない。早い話が、賃上げを行った企業に支援するというのだから。企業の賃上げ詐欺の実現と、企業に対する支援であり、元々安い賃金に置かれている労働者にとっては、相対的な賃下げ以外の何物でもない。物価上昇の自由を、新資本主義の基本的自由にした上での、相対的賃金低下を賃上げと云うだけのことである。分厚い中間層の形成という付属記号をつけて、それをより一掃明確にしている。次いで、国内投資の活性化を掲げる。誰が投資するのか、安い賃金の労働者にそれを強いるのか、そうではなくて、政府が税金を企業に付与するだけのものである。そして、デジタル社会への移行をと云う。マイナンバーカードの荒行の如何なる拡大かは、まさに賃金収奪の経費節約以外に何も見出すことができない。そして少子化対策、児童手当ての拡充、出産費の負担、高等教育費負担、年収の壁対応、住宅支援である。これで、少子化が解消し、若き安い労働者の確保ができるものではない。老人は死んでくれと云う裏の政策が見え隠れするばかり。そして本音部分が登場する。安全安寧保障、法の支配、国際法の、憲法改正の、対中国の、北朝鮮の原爆を煽る政策である。アメリカ資本との連携であり、沖縄周辺の軍備である。拉致問題、難民問題は置き去りである。安全・安心な暮らしというが、気候変動、災害、原発、感染症も半ば置き去りである。それが新しいのは、資本主義が、新しいものを追及しえないことをいよいよ明確化する局面こそ、次々と新しく現れるからである。何で、デジタルカードで、資本の流れを明確化できないのだろう。企業秘密、裏金、詐欺の遮断ができないのだろう。新しい社会こそ必要不可欠である。