強制ウルフヴィラン化

君の力が必要だとか言われて何が何だかわからないままウルフスーツに身を纏われ、何か力が流れてくる。
ぼんやり何かのテレビアニメで見たシチュエーションに勝手にヒーローに変身するんだと少しドキドキしたのも束の間、スーツが体に付着して体が熱く、体が悲鳴をあげるほど痛みが込み上げてくる。
体がウルフスーツに相応しい肉体へと変化していく。マスクの下に見える口元が大きくなりウルフマズルへと変わっていく。
中の肉体が変化して密着していくと痛みは徐々に麻痺してそれは気持ちよさに変化していく。
痛みで思考が麻痺した精神は急激に流れてくる快楽に徐々に依存していく。
スーツから溢れる力が快楽とリンクする。ぐるぐる回る不安定な視界に映るウルフスーツの肉体が快楽に埋もれた思考に擦り付けられていく。
青い体、突然目の前に現れたウルフスーツ…
薄く思い出された目の前に突然現れたウルフスーツ、それだけが鮮明になっていく。
自分はウルフスーツ…ぼんやりした思考がそう認識していく。
その瞬間、唯一肉体が顕になっていたオオカミのマズルに変化した口元がスーツに覆われる。肉体が軋み人型の獣に相応しいモノへと最終変化していく。
変化に酔った極上の快楽が全てを書き換えていく。
制御できなかった気持ちの良さは徐々に肉体から溢れる邪悪な力に書き換えられて思考がそれに寄せられるように構築されていく。
うめき声が可愛かったものからケモノの唸るような低音へと変わっていく。
もうそこには人間のかけらは感じられない平和だった大地を踏み締め混乱の世の中の誕生を喜んでいるヴィランウルフがいるだけだった