大戦期のオランダ海軍
引き続き、使われなかった自分用資料を供養のため公開。今回はオランダ海軍です。
16世紀後半にネーデルラント連邦としてスペインの支配を脱したオランダは、その後海外植民地の獲得に注力しオランダ領インド(インドネシア)やケープ植民地を始めとした海上帝国を築き上げます。
また欧州では染料と毛織物を中心とした貿易に注力して莫大な利益を上げ、これらを輸送する海運力はそのまま海軍力の高さとしてオランダを一大海軍国家に押し上げました。同時期にスペインやポルトガルの海上支配に挑戦した英国とも時に手を組み、時に争い、一時は東南アジアでの交易圏をほぼ独占するに至りますが、ほどなく数度に渡る英蘭戦争に敗れてその覇権は短期的なものに終わります。
ナポレオン戦争の時代になると本国を傀儡化、そして併合されたオランダの国旗は僅かに日本の出島のオランダ商館に翻るのみとなる事態も発生、フランス軍支配下に置かれたオランダ本国艦隊は英国海軍との壊滅的な打撃を受けてしまいます。
ナポレオンが没落しオランダが再び独立を回復すると、オランダの海外領は蘭印と南米スリナム、そして日本の長崎出島のオランダ商館ぐらいしか残りませんでした。しかしオランダはそこから100年にわたる平和を手に入れ、蘭印に重きを置いた形で海軍再建を進めていくことになります。
特に1920年代以降は日本の南方侵略の脅威が具体的なものとして認識され始めたことから、オランダ海軍のアジア傾斜は一層深まる様子を見せ、オランダ外交とその海軍は対日戦を前提としたシフトを徐々に強めていきました(戦艦や重巡洋艦の建造さえ検討されましたが、国力がそれを許しませんでした)
オランダの懸念は決して的外れなものとは言えないものでしたが、皮肉なことに彼らの戦争は当初警戒していなかったドイツ第三帝国による地上侵攻という形で幕を開けることになります。
※表中のMACシップは、英国が大戦中に建造した主として貨物船改装の航空機搭載護衛艦を指します。概ね簡易的な全通飛行甲板を持ち、きわめて限定的な航空機運用能力を持ちます。
16世紀後半にネーデルラント連邦としてスペインの支配を脱したオランダは、その後海外植民地の獲得に注力しオランダ領インド(インドネシア)やケープ植民地を始めとした海上帝国を築き上げます。
また欧州では染料と毛織物を中心とした貿易に注力して莫大な利益を上げ、これらを輸送する海運力はそのまま海軍力の高さとしてオランダを一大海軍国家に押し上げました。同時期にスペインやポルトガルの海上支配に挑戦した英国とも時に手を組み、時に争い、一時は東南アジアでの交易圏をほぼ独占するに至りますが、ほどなく数度に渡る英蘭戦争に敗れてその覇権は短期的なものに終わります。
ナポレオン戦争の時代になると本国を傀儡化、そして併合されたオランダの国旗は僅かに日本の出島のオランダ商館に翻るのみとなる事態も発生、フランス軍支配下に置かれたオランダ本国艦隊は英国海軍との壊滅的な打撃を受けてしまいます。
ナポレオンが没落しオランダが再び独立を回復すると、オランダの海外領は蘭印と南米スリナム、そして日本の長崎出島のオランダ商館ぐらいしか残りませんでした。しかしオランダはそこから100年にわたる平和を手に入れ、蘭印に重きを置いた形で海軍再建を進めていくことになります。
特に1920年代以降は日本の南方侵略の脅威が具体的なものとして認識され始めたことから、オランダ海軍のアジア傾斜は一層深まる様子を見せ、オランダ外交とその海軍は対日戦を前提としたシフトを徐々に強めていきました(戦艦や重巡洋艦の建造さえ検討されましたが、国力がそれを許しませんでした)
オランダの懸念は決して的外れなものとは言えないものでしたが、皮肉なことに彼らの戦争は当初警戒していなかったドイツ第三帝国による地上侵攻という形で幕を開けることになります。
※表中のMACシップは、英国が大戦中に建造した主として貨物船改装の航空機搭載護衛艦を指します。概ね簡易的な全通飛行甲板を持ち、きわめて限定的な航空機運用能力を持ちます。
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2023-11-21 08:26
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