［AI］仮面の罠

王は偉大なお方だ。
自らの死後、遺された莫大な財宝を狙って盗掘者どもが群がってくることを予見していた。
王はお考えになった。罠を巡らせて盗掘者どもをただ排除するだけは不十分だ。
むしろ、盗掘者どもを利用し、財宝の番人へと変えてしまえばいい。
盗掘者が来るほどに、番人の数が増え、財宝の護りはますます万全となる。
ああ、我が王はなんと聡明なお方なのだろう。
王よ、偉大なる我が王よ、わたしは貴方様にお仕えできることを至上の歓びといたします。

また、新たな盗掘者がやってきた。女だ。いや――少女というべきか。
そのような年齢で我が王の財宝を盗もうとするとはなんと愚かな。
だが――なにか様子がおかしい。盗掘者の少女は何かを言っている。わたしに向けて、なにかを必死に訴えて――？
なにを言っている？　名前――？　誰の――わたしの名前――？
わたし――？　わたしは財宝の番人だ、名前など――いや、わたしは――誰だ？　わたしは王に仕える――けれど、その前は――
盗掘者の少女は――違う、彼女は冒険者だ。わたしは、知って――彼女の、名は――
『思　考　を　停　止　せ　よ』
キィインッ！　脳髄に鉄の針を撃ち込まれたような鋭い痛み。わたしは頭を抱え思わずうずくまる。
彼女がわたしに駆け寄る。心配そうな顔をして、なにかを言って――
『聞　く　こ　と　を　禁　じ　る』
――なにも聞こえなくなった。一切の音がわたしの世界より掻き消える。
『認　識　す　る　こ　と　を　禁　じ　る』
途端、彼女の――盗掘者の顔がぼやけて認識できなくなった。
頭の痛みがスゥッと引くのを感じる。ああ、我が王よ、貴方様のお慈悲に感謝します。

――はい、もちろんです、我が王よ。この盗掘者も財宝の番人へと変えてごらんに差し上げます。　
貴方様の叡智の結晶、この隷属の仮面を以って――すべては、仰せのままに――
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ヒロインや姉や妹、親友など身近な存在の女の子が悪者の手で邪悪な力の込められた仮面とかマスクとか被らされて洗脳されて敵にまわってしまうという展開、とてもいいですよね。こういうの大好きです。正気に戻って！　と呼びかけられてそれで頭を押さえて苦悶するのですけど、やっぱりそのくらいでは正気には戻らなくてあまつさえ自分を助けようとする仲間まで仮面とかマスクで洗脳してこっち側に引きずり込んでしまう展開とかもう僕のグレートソードはギンギンに唸りを※不適切な表現のため削除されました※