【 守られるべき秘密 】

散兵は義慶を見逃し、義慶は国崩を秘匿した。
暗黙の裡に互いが互いを庇って守られた秘密を三代の御代を経て万葉が紐解く。

マシュが万葉ひーじーちゃんを殺さなかったのは何故なのか、ちょっとした疑問でした。
丹羽の血を継ぐならなおさら、殺したいほどの復讐に駆られていただろうに。
『お前も丹羽に棄てられたのか』という一種の同情かもしれないと、思っていました。

4.2開幕のこのタイミングで五歌仙ネタは避けたい・・・と、できれば万葉誕の前にポストするつもりで進めてたんだけど、公式のBD絵を見てラスト4ページが描けたから、これで良かったのかも知れない。
カズハお主…先祖代々の盆景に何を置くつもりだい？

このネタを書くにあたり容彩祭の日本語と英語バージョンの動画を確認しましたが、公式さまが大変大変巧妙で。
ひーじーちゃんの書簡、回想シーン冒頭、英語ではマシュをunusual strangerと述べていますが、日本語版ではそのものずばり傾奇者と呼んでいる。
傾奇者が「異風な身なりをした者」という一般名詞と、マシュの固有名詞のダブルミーニングになっている。

初見でこの回想を読めばひーじーちゃんは国崩の正体を知らなかったことになるし、傾奇者がマシュの異名だと既に知っている者が読めばひーじーちゃんはマシュの正体を知っていたとも読める。
この演出に身の毛がよだった。
どちらの意味で読むか。
そしてこのレトリックを愉しめるのは我々日本人だけ。

*劇中はCP要素ありませんが描いてる人は万放脳なのでここから万放語り*
「丹羽の血を継ぐ」
万葉くんは自分も含まれることに気付かずスルー。
マシュは言ってから「しまった」と思っているけど気付かないふりでスルー。
マシュに嫉妬があったかどうか答えは出ないのですが、（我が子を慈しむ）丹羽に対するより、(自分は得られなかった)祝福を受ける嬰児に対してこそ、思うところはあったと思う。

丹羽と万葉はひーひー孫と言う時間差もちょうど良いのだろうなと
これがひ孫だと生前会ってたこともギリあり得るので3.5 角関係の葛藤が起こり得る。面識がない程度の世代間距離があるから曾曾祖父ではなく「丹羽どの」と呼べるし、昔の人だけど間違いなく血筋でもある。だから、この二人に三代の時間差が必要だったのだろうと。

その分マシュの苦しみは長かったわけだが百年も恨み続けるほど丹羽を愛していたという事実に万葉なら気付くはず。万葉の「感謝」は何というかそういう意味を込めての言葉だと思って頂きたく。
誤解を招くので巧く言えないのですが、万葉はそんなにお人好しでも聖人君子でもないとわたしは思ってる。その辺もいつか描く予定。

*For reference
🍁 like a maple leaf
It's a traditional Japanese metaphor when referring to baby hands !