氷宝

「氷は溶けてしまう宝石。だが、それこそ氷の恐ろしさであり美しさだ。」

彼女はそう言って自分に札を貼り付けた。

その日から僕は彼女を会うことはなかった。

彼女は妹を愛していた。きっと力を得た彼女は妹を探す旅にでたのだろう。

人を利用してまで手に入れたあの力は本当に必要だったのだろうか？

謎だ。彼女の妹も存在しているのかわからないのになぜ探す？

あいつはもう人じゃないのに。

だが、そんな疑問も今ではもうどうでもいい。

縛られたこの腕の鎖がそう言っている。

いつか出られる日が来た時には復習してやる。

恨みを込めて手に力を入れると鎖もそれに答えるように震えだす。

「大丈夫だ。お前ならやつを倒せる。」

そう語りかけてるように聞こえた。

”もう、、ダメかもしれない”

彼女が力を使う理由は妹と再会するため。

そのためならアイツは手段を問わない