翠緑の姫騎士ミューラ~仲間の依頼編3~
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「私に…ですか?」
「えぇ。できればミューラさんにお願いできたらと」
「ふむ……。そう言うことなら、私は席をはずそうか」
「いえいえ、旦那様も無関係ではありませんので一緒に聞いて頂ければ」
ミューラへのお願いと言うことで席を外した方が良いかと思い腰を上げかけたが、ウィンディの言葉でもう一度腰を下ろす。
女性特有の話ならば同席しない方が良いと思ったのだが、全く別の案件のようだ。
「それで、お願いとは何でしょうか?」
「お二人は来週、教会の方で大きな祭事がある事をご存じでしょうか?」
「確か、神教国から貴女の教会に大司祭が来るとか…」
「神の祝福の言葉を伝える…とか何とかだったか?」
つまりは、神教国と言う教会の大本となる国から、その教会のお偉いさんがやって来て、ウィンディの教会でありがたい説法を説く…と言うイベントだろう。
私やミューラはこの教会の信者ではない為、こういった教会絡みの祭事には関わった事が無い。
むしろ極力関わらないようにしてきたと言った方が正しい。
この教会の分派となる、とある教団。
ミューラは幼少期にその教団で聖女として軟禁状態にされていた経験がある。
当時は私とウィンディが二人で教会から依頼を受け、悪事を働いていた教団を潰す目的でミューラを攫った。
もう何年も経っておりミューラ自身も気にしていないようだが、それでもトラウマになりかねない経験をあまり思い出させたくなかった。
「当日私は現代の聖女として大司祭様と同行する機会が多いのですが、その際に気心の知れた信頼できる人を護衛としてお願いしたいのです」
「ウィンディ、それは……」
「私は大丈夫ですよ、ご主人様」
「ミューラ……」
ウィンディもここに来たのは良いものの、ミューラに頼むべきかは最後まで悩んでいたのだろう。
だからこそ最初は『ただ会いに来た』と言ったに違いない。
「私がお願いしておいて何ですが、本当に大丈夫ですか? ミューラさんは例の教団の事もありますし…」
「ウィンディこそ、何を言っているんですか。もう何年前の事だと思っているのですか? それに、私がウィンディのお願いを断ると本当に思っているのですか?」
「ミューラさん…」
両手を腰に当てて『怒ってますよ』と言わんばかりに少し頬を膨らませた状態で、ミューラはウィンディを軽く睨む。
その態勢のまますぐに笑みを浮かべて言葉をつづけた。
「あと、先日のご主人様の治療の件、きちんとお礼が出来ていませんでしたからね。お礼も兼ねて引き受けさせて頂きますよ」
「あらあら、その件のお礼でしたら今度旦那様と二人でデートでもさせて頂きますので大丈夫ですよ~?」
「ダメに決まっているじゃないですか! それに何度も言っていますけど、ご主人様はウィンディの『旦那様』じゃありませんからね!!」
「それはほら、二人でデートした時にでも色々と『お話』させてもらいますので」
「ご主人様! デートするんですか!?」
「え、ここでこっちに振るのか…?」
突然、話題が一気に方向転換したせいで転覆しそうなんだが…。
全く二人は仲が良いのか悪いのか、いや良いのは分かっているけれど。
とにかくウィンディからの依頼は受ける方向に決まった。
明日から祭事のための準備をする事となる。
旅行から帰ってすぐにバタバタする事となったが、これもいつもの事だ。
ウィンディからは私にも同日の依頼をする事となり、教会内の下見として明日はミューラと二人で教会に向かうことになった。
さて、旅行中にもひと騒動あったため休みボケはせずに済みそうだな。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
皆さんこんばんは。
同じPTメンバーだったウィンディからの依頼として、護衛任務を受けることになったミューラ!
過去編に関する情報も少し出すことが出来たのでちょこっとだけ満足してます。
過去・現在でミューラとウィンディは同じ教会(神教)で聖女をしているんですよね。
元聖女&現聖女を同じPTメンバーに持つ、ご主人である槍騎士さんは一体何者なんでしょうね~。
そっちの設定は実はあまり考えていなかったりもしますが(笑)
と言うことで次回からは、教会に関するイラストになる…かも!(笑)
なお、次回は久しぶりにミューラのイラストになりますので、お楽しみに!!
下記にも他のイラストを投稿しておりますので、こちらも是非とも見てみて下さいね!
◆https://www.patreon.com/posts/97097060
「私に…ですか?」
「えぇ。できればミューラさんにお願いできたらと」
「ふむ……。そう言うことなら、私は席をはずそうか」
「いえいえ、旦那様も無関係ではありませんので一緒に聞いて頂ければ」
ミューラへのお願いと言うことで席を外した方が良いかと思い腰を上げかけたが、ウィンディの言葉でもう一度腰を下ろす。
女性特有の話ならば同席しない方が良いと思ったのだが、全く別の案件のようだ。
「それで、お願いとは何でしょうか?」
「お二人は来週、教会の方で大きな祭事がある事をご存じでしょうか?」
「確か、神教国から貴女の教会に大司祭が来るとか…」
「神の祝福の言葉を伝える…とか何とかだったか?」
つまりは、神教国と言う教会の大本となる国から、その教会のお偉いさんがやって来て、ウィンディの教会でありがたい説法を説く…と言うイベントだろう。
私やミューラはこの教会の信者ではない為、こういった教会絡みの祭事には関わった事が無い。
むしろ極力関わらないようにしてきたと言った方が正しい。
この教会の分派となる、とある教団。
ミューラは幼少期にその教団で聖女として軟禁状態にされていた経験がある。
当時は私とウィンディが二人で教会から依頼を受け、悪事を働いていた教団を潰す目的でミューラを攫った。
もう何年も経っておりミューラ自身も気にしていないようだが、それでもトラウマになりかねない経験をあまり思い出させたくなかった。
「当日私は現代の聖女として大司祭様と同行する機会が多いのですが、その際に気心の知れた信頼できる人を護衛としてお願いしたいのです」
「ウィンディ、それは……」
「私は大丈夫ですよ、ご主人様」
「ミューラ……」
ウィンディもここに来たのは良いものの、ミューラに頼むべきかは最後まで悩んでいたのだろう。
だからこそ最初は『ただ会いに来た』と言ったに違いない。
「私がお願いしておいて何ですが、本当に大丈夫ですか? ミューラさんは例の教団の事もありますし…」
「ウィンディこそ、何を言っているんですか。もう何年前の事だと思っているのですか? それに、私がウィンディのお願いを断ると本当に思っているのですか?」
「ミューラさん…」
両手を腰に当てて『怒ってますよ』と言わんばかりに少し頬を膨らませた状態で、ミューラはウィンディを軽く睨む。
その態勢のまますぐに笑みを浮かべて言葉をつづけた。
「あと、先日のご主人様の治療の件、きちんとお礼が出来ていませんでしたからね。お礼も兼ねて引き受けさせて頂きますよ」
「あらあら、その件のお礼でしたら今度旦那様と二人でデートでもさせて頂きますので大丈夫ですよ~?」
「ダメに決まっているじゃないですか! それに何度も言っていますけど、ご主人様はウィンディの『旦那様』じゃありませんからね!!」
「それはほら、二人でデートした時にでも色々と『お話』させてもらいますので」
「ご主人様! デートするんですか!?」
「え、ここでこっちに振るのか…?」
突然、話題が一気に方向転換したせいで転覆しそうなんだが…。
全く二人は仲が良いのか悪いのか、いや良いのは分かっているけれど。
とにかくウィンディからの依頼は受ける方向に決まった。
明日から祭事のための準備をする事となる。
旅行から帰ってすぐにバタバタする事となったが、これもいつもの事だ。
ウィンディからは私にも同日の依頼をする事となり、教会内の下見として明日はミューラと二人で教会に向かうことになった。
さて、旅行中にもひと騒動あったため休みボケはせずに済みそうだな。
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皆さんこんばんは。
同じPTメンバーだったウィンディからの依頼として、護衛任務を受けることになったミューラ!
過去編に関する情報も少し出すことが出来たのでちょこっとだけ満足してます。
過去・現在でミューラとウィンディは同じ教会(神教)で聖女をしているんですよね。
元聖女&現聖女を同じPTメンバーに持つ、ご主人である槍騎士さんは一体何者なんでしょうね~。
そっちの設定は実はあまり考えていなかったりもしますが(笑)
と言うことで次回からは、教会に関するイラストになる…かも!(笑)
なお、次回は久しぶりにミューラのイラストになりますので、お楽しみに!!
下記にも他のイラストを投稿しておりますので、こちらも是非とも見てみて下さいね!
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2024-01-24 20:11
Comments (2)
教会…最近、現実の世界の政治家が自国含めて漫画映画で最後に倒されて皆喜ぶイカレた宗教にしか見えないから、こんな女神みたいな方を見て癒されたいのかなぁ…。
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