雨神水木
水木が助ける時は雨が降ってる呟き見て出来た水木が雨の神様ネタ↓
水木は妖怪達に紛れて漂っていた。
変な話だが雨が降っている時にしか形を取れない水木には今とは違う過去、今居る時間からすれば遠い未来の記憶がある。
戦争のことや哭倉村のこと。
人の過ちによって荒れた水神の生き物を溶かす鉄砲水に飲まれて溶けた記憶が水木にはある。
ふと目が覚めれば水木は神様みたいな物と化していた。
妖怪達の言葉が分かるので祠で話を訊く。
雨に困ってるというので、試しに降らす事が出来ないかと雨を望んだ。すると雨が振る。
こういう事を繰り返していく内に、妖怪達から雨神と呼ばれる様になった。
やがて人間からも雨神として信仰される。
水木はいつ、裏鬼道が龍賀に合流したかが分からない。
妖怪達に頼んで、とにかく情報を集めた。
やがて、龍賀時貞が産まれる。
時貞が裏鬼道を拾った頃、水木は雨の日に龍賀家を覗く。
突然、水木は術式に捉えられた。
「人間では無いようです。時貞様。今、行っている薬作りの役に立つのでは?」
「ああ、なら運べ。」
術式の影響か、降らない屋内でも水木は形を保ったままだ。
案内されると血を抜かれて、その辺の死にそうな人間に刺す。
やがて、みるみる人が元気になった。
「おお!これは凄い!お主、名は?」
「人からは雨神と呼ばれてる。」
「ふむ、ならば死ぬ事も老いる事も無いか。龍賀一族として雨神を祀って薬の材料としよう。血桜に頼る必要もない。」
「折角なんだ。雨に困っていたら降らせてやるよ。」
水木は雨神として龍賀一族に捉えられる。
術式に縛られて、基本的に部屋の中。
定期的な食事と採血の日々に暇だったので新聞くらい強請ってみれば、新聞だけでなく書籍も貰う。
動けない以外は割と高待遇だ。
雨に困ってる地域まで連れていかれ、雨を降らせば感謝されて龍賀一族は繁栄した。
村の神として信仰もされ、定期的に外に出れる様になる。
その頃に術は解かれた。
雨神として安定していたので術が無くても水木は人の形を取れる。
夜に襲われた事もあったが無いと分かって以降は襲われもしない。
「俺、近親相姦する奴は嫌いだなぁ。間違って街ごと沈めるぐらいに雨を降らしちまいそう。」
新聞見ながらボソッと呟けば、時貞は考えを改めたらしい。
乙米は裏鬼道の長田に猛烈アタックされて結婚し、沙代と時弥を産んだ。
時磨は克典とネズミ小僧と共に龍賀製薬で血液製剤だけでなく、普通の薬を開発して無事に認可がおりて販売する。
長田は裏鬼道の部下達は畑仕事など自由に暮らす。
孝三は絵描きとして一躍有名。
丙江は好きな人と寄り添って人生を謳歌している。
庚子も村の子ども達の学校の先生をした。
水木は沙代と時弥と室内で遊んで二人の初恋泥棒したのを水木だけが知らない。
「本日は、神様に嫁が居た方が良いと思って連れてきました。」
連れてこられた女性は岩子だった。
途端に滝のような大雨が降る。
「ふっざんな!俺は嫁は取らん!この女性妊娠してる!って事は旦那がいるのに!」
「良かれと思って。」
「とーきーさーだー!村沈めんぞ!」
「それだけは!」
「ふぅ……これに懲りたら二度とするな。済みません、幽霊族の方。長田が裏鬼道で貴方を無理矢理連れてきた事は分かります。何か、お詫びにさせて下さいませんか?」
「実は充分に栄養が取れずに困っていまして。良ければ食事を。」
「今すぐ、用意しろ!村が沈む前に!」
村人達は豪華な食事を沢山用意した。
お腹が空いていたようで沢山の料理が綺麗に消えていく。
「ご馳走さまでした!美味しかったわ!」
「他に何かありますか?」
「貴方と二人で話したい事があります。」
「分かりました。」
ようやく、雨が止んで時貞は落ち着く。
ここまでの大雨は時貞が下法を調べた時以来だった。
「分かった。許可しよう。」
こうして水木の捕らえられている部屋に岩子と共に入った。
見張りは誰も居ない。
「それで、話とは何でしょうか?」
「貴方、水木さんよね?夫の親友であり、哭倉村で私にちゃんちゃんこを着せて下さった人。」
「……どうして?」
「覚えているのよ。この時間軸とは違う時間軸での事。」
「そうだったんですか。ゲゲ郎は?」
「覚えていますとも。」
「そうですか。」
「ふふ、楽しみね。」
岩子は楽しそうに微笑む。
翌日、岩子と共に水木は沙代と時弥と遊ぶ。
やがて、ゲゲ郎が慌てた様子で来た。
「大丈夫か!?岩子よ!」
「あら、大丈夫よ。」
「Mの材料になっとらんのか!じゃが、岩子で無いなら、誰が!?」
「それは、俺だ。俺は少し人寄りでな。直接輸血しても人は元気になる。神様だから貧血にもならない。ついでに雨に困ってるなら降らす事が出来る。って事で村で祀られているんだよ。」
ゲゲ郎は聞いて困惑して唸る。
岩子はそんな様子のゲゲ郎を見守った。
やがて一つの解を出し、晴れやかな顔をする。
「よし!神様なんぞ止めて嫁にこい!」
「はぁ!?」
「誰か知らないけど、駄目だよ!雨神様は僕と結婚するの!」
「時弥、貴方はまだ幼いでしょ。私が雨神様の嫁になります。」
「沙代ねぇ、ずるい!僕の方が好きだもん!」
「私も嫁にしたいって思っていたのだけれど……。」
「岩子さん!貴方は、夫と子ども居るでしょう!?」
「旦那は居ても嫁は居ないわ。」
「駄目じゃ!幽霊族にやれるか!沙代、時弥!雨神様は龍賀一族に必要不可欠!時弥が旦那!沙代が妻となるべき!」
「時貞!人間は一夫一妻だ……うん?一応、一夫一妻だな。」
「ならば、雨神を掛けて勝負じゃ!龍賀一族よ!」
「望む所じゃ!ただの人間と侮るな!幽霊族!」
「勝負どうやるんだよ?」
「ダンス対決は如何です?」
「なんでダンス対決!?なんで!?」
「いいでしょう!私達幽霊族に伝わる秘伝の踊り見なさい!」
「審判はどうすんだよ!」
「それは互いの魂が決めるべき。そこで見ていて下さい。私、頑張りますので。」
こうして、今
龍賀時貞、龍賀沙代、龍賀時弥vsゲゲ郎、岩子
によるダンス対決が始まった。
水木は、それを遠い目で見守る。
長田は同情するかの様に、優しく水木の肩を叩いた。
ダンス対決の決着が付くのは、まだ遠い。
みたいな話を下さい。
ダンス話は、某掲示板からネタを頂きました。
水木は妖怪達に紛れて漂っていた。
変な話だが雨が降っている時にしか形を取れない水木には今とは違う過去、今居る時間からすれば遠い未来の記憶がある。
戦争のことや哭倉村のこと。
人の過ちによって荒れた水神の生き物を溶かす鉄砲水に飲まれて溶けた記憶が水木にはある。
ふと目が覚めれば水木は神様みたいな物と化していた。
妖怪達の言葉が分かるので祠で話を訊く。
雨に困ってるというので、試しに降らす事が出来ないかと雨を望んだ。すると雨が振る。
こういう事を繰り返していく内に、妖怪達から雨神と呼ばれる様になった。
やがて人間からも雨神として信仰される。
水木はいつ、裏鬼道が龍賀に合流したかが分からない。
妖怪達に頼んで、とにかく情報を集めた。
やがて、龍賀時貞が産まれる。
時貞が裏鬼道を拾った頃、水木は雨の日に龍賀家を覗く。
突然、水木は術式に捉えられた。
「人間では無いようです。時貞様。今、行っている薬作りの役に立つのでは?」
「ああ、なら運べ。」
術式の影響か、降らない屋内でも水木は形を保ったままだ。
案内されると血を抜かれて、その辺の死にそうな人間に刺す。
やがて、みるみる人が元気になった。
「おお!これは凄い!お主、名は?」
「人からは雨神と呼ばれてる。」
「ふむ、ならば死ぬ事も老いる事も無いか。龍賀一族として雨神を祀って薬の材料としよう。血桜に頼る必要もない。」
「折角なんだ。雨に困っていたら降らせてやるよ。」
水木は雨神として龍賀一族に捉えられる。
術式に縛られて、基本的に部屋の中。
定期的な食事と採血の日々に暇だったので新聞くらい強請ってみれば、新聞だけでなく書籍も貰う。
動けない以外は割と高待遇だ。
雨に困ってる地域まで連れていかれ、雨を降らせば感謝されて龍賀一族は繁栄した。
村の神として信仰もされ、定期的に外に出れる様になる。
その頃に術は解かれた。
雨神として安定していたので術が無くても水木は人の形を取れる。
夜に襲われた事もあったが無いと分かって以降は襲われもしない。
「俺、近親相姦する奴は嫌いだなぁ。間違って街ごと沈めるぐらいに雨を降らしちまいそう。」
新聞見ながらボソッと呟けば、時貞は考えを改めたらしい。
乙米は裏鬼道の長田に猛烈アタックされて結婚し、沙代と時弥を産んだ。
時磨は克典とネズミ小僧と共に龍賀製薬で血液製剤だけでなく、普通の薬を開発して無事に認可がおりて販売する。
長田は裏鬼道の部下達は畑仕事など自由に暮らす。
孝三は絵描きとして一躍有名。
丙江は好きな人と寄り添って人生を謳歌している。
庚子も村の子ども達の学校の先生をした。
水木は沙代と時弥と室内で遊んで二人の初恋泥棒したのを水木だけが知らない。
「本日は、神様に嫁が居た方が良いと思って連れてきました。」
連れてこられた女性は岩子だった。
途端に滝のような大雨が降る。
「ふっざんな!俺は嫁は取らん!この女性妊娠してる!って事は旦那がいるのに!」
「良かれと思って。」
「とーきーさーだー!村沈めんぞ!」
「それだけは!」
「ふぅ……これに懲りたら二度とするな。済みません、幽霊族の方。長田が裏鬼道で貴方を無理矢理連れてきた事は分かります。何か、お詫びにさせて下さいませんか?」
「実は充分に栄養が取れずに困っていまして。良ければ食事を。」
「今すぐ、用意しろ!村が沈む前に!」
村人達は豪華な食事を沢山用意した。
お腹が空いていたようで沢山の料理が綺麗に消えていく。
「ご馳走さまでした!美味しかったわ!」
「他に何かありますか?」
「貴方と二人で話したい事があります。」
「分かりました。」
ようやく、雨が止んで時貞は落ち着く。
ここまでの大雨は時貞が下法を調べた時以来だった。
「分かった。許可しよう。」
こうして水木の捕らえられている部屋に岩子と共に入った。
見張りは誰も居ない。
「それで、話とは何でしょうか?」
「貴方、水木さんよね?夫の親友であり、哭倉村で私にちゃんちゃんこを着せて下さった人。」
「……どうして?」
「覚えているのよ。この時間軸とは違う時間軸での事。」
「そうだったんですか。ゲゲ郎は?」
「覚えていますとも。」
「そうですか。」
「ふふ、楽しみね。」
岩子は楽しそうに微笑む。
翌日、岩子と共に水木は沙代と時弥と遊ぶ。
やがて、ゲゲ郎が慌てた様子で来た。
「大丈夫か!?岩子よ!」
「あら、大丈夫よ。」
「Mの材料になっとらんのか!じゃが、岩子で無いなら、誰が!?」
「それは、俺だ。俺は少し人寄りでな。直接輸血しても人は元気になる。神様だから貧血にもならない。ついでに雨に困ってるなら降らす事が出来る。って事で村で祀られているんだよ。」
ゲゲ郎は聞いて困惑して唸る。
岩子はそんな様子のゲゲ郎を見守った。
やがて一つの解を出し、晴れやかな顔をする。
「よし!神様なんぞ止めて嫁にこい!」
「はぁ!?」
「誰か知らないけど、駄目だよ!雨神様は僕と結婚するの!」
「時弥、貴方はまだ幼いでしょ。私が雨神様の嫁になります。」
「沙代ねぇ、ずるい!僕の方が好きだもん!」
「私も嫁にしたいって思っていたのだけれど……。」
「岩子さん!貴方は、夫と子ども居るでしょう!?」
「旦那は居ても嫁は居ないわ。」
「駄目じゃ!幽霊族にやれるか!沙代、時弥!雨神様は龍賀一族に必要不可欠!時弥が旦那!沙代が妻となるべき!」
「時貞!人間は一夫一妻だ……うん?一応、一夫一妻だな。」
「ならば、雨神を掛けて勝負じゃ!龍賀一族よ!」
「望む所じゃ!ただの人間と侮るな!幽霊族!」
「勝負どうやるんだよ?」
「ダンス対決は如何です?」
「なんでダンス対決!?なんで!?」
「いいでしょう!私達幽霊族に伝わる秘伝の踊り見なさい!」
「審判はどうすんだよ!」
「それは互いの魂が決めるべき。そこで見ていて下さい。私、頑張りますので。」
こうして、今
龍賀時貞、龍賀沙代、龍賀時弥vsゲゲ郎、岩子
によるダンス対決が始まった。
水木は、それを遠い目で見守る。
長田は同情するかの様に、優しく水木の肩を叩いた。
ダンス対決の決着が付くのは、まだ遠い。
みたいな話を下さい。
ダンス話は、某掲示板からネタを頂きました。
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2024-01-31 21:49
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