Re:A 43N 選択③ (ナイスネイチャルート)

「トレーナーさん」
「いいのかい？本当にそれでいいのかい？」

シュヴァルグランは目を瞑り、俺に静かに問いかけてきた

すまん…シュヴァル
ナイスネイチャはワガママなやつだ、でも俺は…ネイチャのトレーナーなんだ

「そうですか」

シュヴァルグランはそう一言だけ言った

「トレーナー…さん…？」

ああ、どうした

「アタシを…選ぶ…の」

ああ

「あた、アタシ…を…！」

ああ、ネイチャ、また一緒にやろう

「そうか…そうか…はは、あはは」

その時シュヴァルグランの笑い声が聞こえた
シュヴァル…？

「ははっ…ははは・あはははは！」
「ここが僕の居場所だと思ったのに、ここでもなかったのか！」
「僕は、僕はいつまでこんな事をすればいいんだ？」
「あはは、こんな笑える事はない、勝って、勝って、僕は3冠馬にもなれたのに！自分の居場所一つ持てないなんて！ あはは、あははははは！」

シュヴァル…！

「ははははは！酷いや…！本当に、何もかも！」
「本当に…本当に…」
「……」
「トレーナー」
「ナイスネイチャ」

…なんだシュヴァル

「さようなら、二人とも」
「もう会うことはない」

…シュヴァル！？

シュヴァルグランは、静かに控え室を去って行った。
その顔には何の感情もなく、俺はシュヴァルの考えを読むことができなかった。