温もりの居場所
「・・・えへへ、大輔やったよ…。」
「…もういい、喋んな。しっかり掴まってろよ。」
久々のデート日和。中々取れなかった2人の時間の埋め合わせとこのところ仏頂面が多くなる出来事やイベントの無かった彼女を目一杯喜ばすデートコースを設定し、当日を迎えた日に猛威を奮った闇の勢力の残党。その脅威が悲鳴と絶望を四つ葉に響かせるのを聞き、少女は否応なしに「戦う勇者」への変身を余儀なくされる。
そんな少女が弱さとありのままを曝け出せる唯一無二の異性であり、彼女にとって「特別な存在」として認められたからこそ大輔はラブを戦場に送り届けなければならない。
戦士として、プリキュアとして人々を街を守らねばならい彼女の宿命に迷いなくし、一人の少女として恋や愛に揺れ動く心に「今自分が何を置いてもしなければならない事」を促す役目を彼女に伝える。
「ラブ、行くんだ!お前はプリキュアだろ?キュアピーチはみんなのヒーローなんだよ!悪いやつら、ババーン!!とやっつけなきゃダメなんだ! 皆お前を待ってる。助けを求めてる人が居るんだ。お前しか出来ねーんだよ。」と力強くエールを送る。
その言葉にラブの目から迷いが消え決意の表情と共に「大輔…うん! 行ってくる! 終わったらデートの続きしようね!」
と答えリンクリルンを片手に戦場に向かう彼女の後ろ姿を見送るも、その身を案じ少し遅れた形でラブを追いかけ戦場を見渡せる場で戦士の戦いを見守ることとなったが。
敵の猛攻と運悪く他のメンバーが不在や外出中というハンデの中、奇策を用いて辛勝に導くピーチ。水柱の中光となって昇華される魔物に歓喜と歓声を上げる人々。しかし、そんな中大輔は人混みと喧騒を掻き分け立っているのがやっとのピーチに駆け寄り肩を差し出した。
疲労を隠せず無理した作り笑顔を見せて大輔に安心感を与えたいという健気さと身体のあちらこちらに残る傷跡のギャップが大輔に痛々しく、そしてどうしようもない想いと自身の無力さが込み上げさせる。
(…なんで、なんでなんだよ! ラブがこんなになってまで、プリキュアだからってなんで!)
そんな悔しさや怒りを必死に内面に封じ込め、今は目の前のラブを冷たい水から救い上げ、暖かな温もりと安らぎを与えたいという一心で陸地を目指す。
「大輔の身体あったかいね…。」
「そうか…。どっか痛えとこあるか?」
「ううん、だいじょうぶ。」
「そっか。もう少しだからな。」
「うん」
言葉少なく安否を確認し、急ぎ足で陸路に歩を進める。
「大輔…。」
「うん?」
「あのね、私が帰る場所は大輔だからね。」
「えっ?」
「・・・私がキュアピーチでもみんなヒーローでも、大輔だけだから。美希タンやブッキーやせつな、お父さんやお母さんじゃない。私だけの
私が私で居られるのは大輔が居るところだけだからね…。」
「・・・俺もだよ。」
「…もういい、喋んな。しっかり掴まってろよ。」
久々のデート日和。中々取れなかった2人の時間の埋め合わせとこのところ仏頂面が多くなる出来事やイベントの無かった彼女を目一杯喜ばすデートコースを設定し、当日を迎えた日に猛威を奮った闇の勢力の残党。その脅威が悲鳴と絶望を四つ葉に響かせるのを聞き、少女は否応なしに「戦う勇者」への変身を余儀なくされる。
そんな少女が弱さとありのままを曝け出せる唯一無二の異性であり、彼女にとって「特別な存在」として認められたからこそ大輔はラブを戦場に送り届けなければならない。
戦士として、プリキュアとして人々を街を守らねばならい彼女の宿命に迷いなくし、一人の少女として恋や愛に揺れ動く心に「今自分が何を置いてもしなければならない事」を促す役目を彼女に伝える。
「ラブ、行くんだ!お前はプリキュアだろ?キュアピーチはみんなのヒーローなんだよ!悪いやつら、ババーン!!とやっつけなきゃダメなんだ! 皆お前を待ってる。助けを求めてる人が居るんだ。お前しか出来ねーんだよ。」と力強くエールを送る。
その言葉にラブの目から迷いが消え決意の表情と共に「大輔…うん! 行ってくる! 終わったらデートの続きしようね!」
と答えリンクリルンを片手に戦場に向かう彼女の後ろ姿を見送るも、その身を案じ少し遅れた形でラブを追いかけ戦場を見渡せる場で戦士の戦いを見守ることとなったが。
敵の猛攻と運悪く他のメンバーが不在や外出中というハンデの中、奇策を用いて辛勝に導くピーチ。水柱の中光となって昇華される魔物に歓喜と歓声を上げる人々。しかし、そんな中大輔は人混みと喧騒を掻き分け立っているのがやっとのピーチに駆け寄り肩を差し出した。
疲労を隠せず無理した作り笑顔を見せて大輔に安心感を与えたいという健気さと身体のあちらこちらに残る傷跡のギャップが大輔に痛々しく、そしてどうしようもない想いと自身の無力さが込み上げさせる。
(…なんで、なんでなんだよ! ラブがこんなになってまで、プリキュアだからってなんで!)
そんな悔しさや怒りを必死に内面に封じ込め、今は目の前のラブを冷たい水から救い上げ、暖かな温もりと安らぎを与えたいという一心で陸地を目指す。
「大輔の身体あったかいね…。」
「そうか…。どっか痛えとこあるか?」
「ううん、だいじょうぶ。」
「そっか。もう少しだからな。」
「うん」
言葉少なく安否を確認し、急ぎ足で陸路に歩を進める。
「大輔…。」
「うん?」
「あのね、私が帰る場所は大輔だからね。」
「えっ?」
「・・・私がキュアピーチでもみんなヒーローでも、大輔だけだから。美希タンやブッキーやせつな、お父さんやお母さんじゃない。私だけの
私が私で居られるのは大輔が居るところだけだからね…。」
「・・・俺もだよ。」
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2024-03-10 21:53
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