後日、学校にて
前(話的に)→ illust/117463441
前(時系列)→ illust/117430836
パパの帰国から数日。
私は、いつものように学校に行きました。
帰りの支度をしていると、クラスメイトから「呼ばれてるよ」との声が。
廊下を見ると、⋯見かけない黒髪のメガネをかけた子です。⋯ただ、何処かしらで見たような気がするのと、取り巻きが奇異の目をその子に向けているような⋯
ひとまずかばんの支度が終わったので、そのまま帰ろうと思い、廊下に出ます。
智多「お待たせです。⋯えと、どんな御用ですか?」
?「⋯ちょっと、場所を変えましょう」
智多(⋯ん?この声⋯)
私は身構える。⋯目線を少し逸らすと、いつも話してくれるクラスメイトの男の子たちが(なんかあったら俺達に任せな)とサムズアップしてくれたので、こくん、と頷くと、その子の後に続いた。
空き教室にやって来ると、その子はメガネを取る。⋯やっぱり。
智多「黒川さん、だよね」
あい「うん。正式に、退学になっちゃった」
よく見ると、黒髪に見える髪の毛はどうやらウィッグだ。奥には、地毛のピンクが見え隠れする。
智多「どうしたんですか?こんな所に呼び出して」
長居は無用だ。⋯黒川さんがこの格好で仮に登校してればすぐ校内の噂になるだろう。ということは、放課後を見計らって来たということになる。
あい「うん、出国前に、智多ちゃんに、謝っておきたくて」
智多「出国?」
あい「まず、今回の件で、智多ちゃんのパパさんを3週間近く取っちゃったこと。⋯パパさんから少し聞いた、智多ちゃんも、本当のご両親亡くされてるって。そんなことも知らずさ、あたし、自分の欲望だけに突っ走って、捕まって、酷いことされて。⋯その時には、あぁ、なんて不幸なんだろうって思ったの。隠し事は嫌いだから言うけどさ、私、退院した直後にパパさん誘惑したの。⋯えっちしたかったから」
智多「!?」
あい「でもね、パパさん、私にお仕置きだって、⋯ちんちん一回も出さずに、指先だけで私をイカせまくった。⋯もちろん、そんなことさせちゃったことも謝らないとならないし、⋯その時に言われたんだ、『だったら、きちんと謝るべき人に謝りなさい』って。⋯パパさん、本当は全裸の私とセックスしたかったんでしょうね、ちんちん、ものすごく大きくなってたけど、智多との約束だから、裏切る真似は出来ない、って。ホントに指だけで、私を愛してくれた」
智多(パパ⋯!だから私、あんな求めても答えてくれたんだ⋯!)
あい「なんて自分勝手だろうって反省した。そもそも、お姉ちゃんみたく足を洗っていれば、誘拐されることも無かったしね。⋯それに、マリアさんからも『ザコすぎまんこ』だって言われちゃった。⋯智多ちゃん、よくあのパパさんからの責め、耐えられるね」
智多「まぁ⋯うん。私だって、はじめ全然だったし。でも、⋯パパ、血が繋がってない私との繋がりを持ってくれて、ここまで育ててくれた、しかも、結婚だってしたいはずなのにしないで⋯。だから、私も、おねーちゃんも、パパのこと、お父さんだって思うのと同時に、『一番愛したい男の人』って思ってるんだ。ちゃんと愛してくれるなら、それに応えなきゃ、オンナじゃないでしょ」
あい「うん、そうなんだと思う。⋯ただ、私、その『愛される』ってことが、よく分からないの。⋯だから、マリアさんに『武者修行に来ないか』って誘われてるんだ。娼館で、愛されるためってなんなのか、身をもって教えてくれるって」
智多「マリア⋯相変わらず考えが斜め方向だわ⋯」
あい「いいんだ、多分私、セックス依存性になってるだろうって。⋯娼館とフランス軍の正規病院でちゃんと治療してくる」
智多「が、学校は?」
あい「⋯ま、帰ってきたら考えるわ。ただ、出国前に、智多ちゃんときちんと話しておきたくて。⋯ごめんね、帰るところだったのに」
智多「ううん、大丈夫」
あいはにっこり笑う。と同時に、瞳からつっー⋯と涙が流れた。
あい「⋯パパさんから聞いたこと、この前ミスコンで戦ったこと、そのくらいしか智多ちゃんのこと、知らないけどさ」
智多「?」
あい「あなたと、友だちになりたい」
智多「⋯えっ!?」
あい「こんなに自分のこと、話せた人、私、今までいなくて⋯。嬉しいんだ、智多ちゃんは、私のこと、どう思ってるかは知らないけどさ」
智多「⋯正直、パパのこと、誑かそうとしたのには怒ってます。⋯まぁ、パパは私との約束、守ってくれたから、結果的にはなんにも無かったけどさ。⋯そうだなぁ、うーん⋯、⋯『武者修行』が終わって、帰ってきたらお茶しない?そこで決めるよ」
あい「⋯さすが、あのパパさんの子だよ、分かった、ちゃんと更生してくるから」
智多「約束ね」
そうして、あいは学校を去っていった⋯
⋯
⋯⋯
⋯⋯⋯
後日談。
どうやら、黒川姉妹は二人でフランスに渡ったと、おねーちゃんから聞いた。あいちゃんは聞いた通りだったけど、お姉さんは技術者として一時的に渡ったとのこと。あいちゃんもそうしないと、日本に単独で残る事になるためそうしたんだそうだ。
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パパの帰国から数日。
私は、いつものように学校に行きました。
帰りの支度をしていると、クラスメイトから「呼ばれてるよ」との声が。
廊下を見ると、⋯見かけない黒髪のメガネをかけた子です。⋯ただ、何処かしらで見たような気がするのと、取り巻きが奇異の目をその子に向けているような⋯
ひとまずかばんの支度が終わったので、そのまま帰ろうと思い、廊下に出ます。
智多「お待たせです。⋯えと、どんな御用ですか?」
?「⋯ちょっと、場所を変えましょう」
智多(⋯ん?この声⋯)
私は身構える。⋯目線を少し逸らすと、いつも話してくれるクラスメイトの男の子たちが(なんかあったら俺達に任せな)とサムズアップしてくれたので、こくん、と頷くと、その子の後に続いた。
空き教室にやって来ると、その子はメガネを取る。⋯やっぱり。
智多「黒川さん、だよね」
あい「うん。正式に、退学になっちゃった」
よく見ると、黒髪に見える髪の毛はどうやらウィッグだ。奥には、地毛のピンクが見え隠れする。
智多「どうしたんですか?こんな所に呼び出して」
長居は無用だ。⋯黒川さんがこの格好で仮に登校してればすぐ校内の噂になるだろう。ということは、放課後を見計らって来たということになる。
あい「うん、出国前に、智多ちゃんに、謝っておきたくて」
智多「出国?」
あい「まず、今回の件で、智多ちゃんのパパさんを3週間近く取っちゃったこと。⋯パパさんから少し聞いた、智多ちゃんも、本当のご両親亡くされてるって。そんなことも知らずさ、あたし、自分の欲望だけに突っ走って、捕まって、酷いことされて。⋯その時には、あぁ、なんて不幸なんだろうって思ったの。隠し事は嫌いだから言うけどさ、私、退院した直後にパパさん誘惑したの。⋯えっちしたかったから」
智多「!?」
あい「でもね、パパさん、私にお仕置きだって、⋯ちんちん一回も出さずに、指先だけで私をイカせまくった。⋯もちろん、そんなことさせちゃったことも謝らないとならないし、⋯その時に言われたんだ、『だったら、きちんと謝るべき人に謝りなさい』って。⋯パパさん、本当は全裸の私とセックスしたかったんでしょうね、ちんちん、ものすごく大きくなってたけど、智多との約束だから、裏切る真似は出来ない、って。ホントに指だけで、私を愛してくれた」
智多(パパ⋯!だから私、あんな求めても答えてくれたんだ⋯!)
あい「なんて自分勝手だろうって反省した。そもそも、お姉ちゃんみたく足を洗っていれば、誘拐されることも無かったしね。⋯それに、マリアさんからも『ザコすぎまんこ』だって言われちゃった。⋯智多ちゃん、よくあのパパさんからの責め、耐えられるね」
智多「まぁ⋯うん。私だって、はじめ全然だったし。でも、⋯パパ、血が繋がってない私との繋がりを持ってくれて、ここまで育ててくれた、しかも、結婚だってしたいはずなのにしないで⋯。だから、私も、おねーちゃんも、パパのこと、お父さんだって思うのと同時に、『一番愛したい男の人』って思ってるんだ。ちゃんと愛してくれるなら、それに応えなきゃ、オンナじゃないでしょ」
あい「うん、そうなんだと思う。⋯ただ、私、その『愛される』ってことが、よく分からないの。⋯だから、マリアさんに『武者修行に来ないか』って誘われてるんだ。娼館で、愛されるためってなんなのか、身をもって教えてくれるって」
智多「マリア⋯相変わらず考えが斜め方向だわ⋯」
あい「いいんだ、多分私、セックス依存性になってるだろうって。⋯娼館とフランス軍の正規病院でちゃんと治療してくる」
智多「が、学校は?」
あい「⋯ま、帰ってきたら考えるわ。ただ、出国前に、智多ちゃんときちんと話しておきたくて。⋯ごめんね、帰るところだったのに」
智多「ううん、大丈夫」
あいはにっこり笑う。と同時に、瞳からつっー⋯と涙が流れた。
あい「⋯パパさんから聞いたこと、この前ミスコンで戦ったこと、そのくらいしか智多ちゃんのこと、知らないけどさ」
智多「?」
あい「あなたと、友だちになりたい」
智多「⋯えっ!?」
あい「こんなに自分のこと、話せた人、私、今までいなくて⋯。嬉しいんだ、智多ちゃんは、私のこと、どう思ってるかは知らないけどさ」
智多「⋯正直、パパのこと、誑かそうとしたのには怒ってます。⋯まぁ、パパは私との約束、守ってくれたから、結果的にはなんにも無かったけどさ。⋯そうだなぁ、うーん⋯、⋯『武者修行』が終わって、帰ってきたらお茶しない?そこで決めるよ」
あい「⋯さすが、あのパパさんの子だよ、分かった、ちゃんと更生してくるから」
智多「約束ね」
そうして、あいは学校を去っていった⋯
⋯
⋯⋯
⋯⋯⋯
後日談。
どうやら、黒川姉妹は二人でフランスに渡ったと、おねーちゃんから聞いた。あいちゃんは聞いた通りだったけど、お姉さんは技術者として一時的に渡ったとのこと。あいちゃんもそうしないと、日本に単独で残る事になるためそうしたんだそうだ。
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2024-04-03 21:57
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