サルヴェの聖母・ホサナ
リリィの実母であり、サルヴェを代表する聖竜教ミューズ派の聖人の一人。
『サルヴェの聖母』、『偉大なる聖国の第二の母』とも。
享年36歳。
かつてサルヴェの首都ヴィクトリヴェルに存在した旧リデネルギア大修道院にてミューズ派の二代目修道院長を務めていた天真爛漫で明朗闊達な一児の母。
彼女はとても行動的で献身的な修道女であり、常に街の者や、病人、障害等を患った社会的弱者に対して見返りを求めない無償の施しを行っていた事から、同じ修道女達の間でも、彼女を妬み、嫌う者は誰一人としていなかった。
それ故彼女は誰からも愛され慕われる存在であり、巷では彼女の産みの母であるアレサを『聖国の白百合』と呼ぶ一方で、ホサナを『サルヴェの聖母』と呼び賞賛する者も現れるようになった事から、当の本人であるホサナ自身は嬉しくもどこかこそばゆくも感じていたらしい。
天真爛漫で明るく元気、そして一児の母でありながら皆から愛され尊敬されるそんな彼女ではあるが、実の所、気になる点が一つ存在する。
それはあまりものアクティブさ故に、やることすること全てが空回りしてしまい、よくどじを踏んでしまう所である。
彼女が慈善活動の一環で飲食店の厨房の手伝いをしている際に、濡れた床に足を取られ転倒し、運んでいた食器を全て割ってしまい、更にはその破片で頬を切ってしまう事もあれば、また別の日には慣れぬ育児で赤子のリリィをあやす為にあれやこれやと奮闘するも、その懸命さが返ってあだとなり、余計彼女(リリィ)を泣かせてしまうなど、実に彼女らしい難点である。
然しまた、そんな抜けた所も彼女の魅力の一つである為、彼女と親交のある者達は、いつもの事だと笑って彼女を見守ってきた。
また、彼女の子であるリリィ及び後輩のアグネスも、そんなお茶目でされど頼りがいのある彼女の事を非常に信頼し、娘のリリィに関しては、片時も母であるホサナから離れない程彼女に懐いていた。
それ故突然訪れたホサナとの別れは、リリィやアグネスを含む近親者及びサルヴェの国民全てに対して非常に強い衝撃を与え、母に似て、あれ程までに元気で活発的な子であったリリィでさえ、心を閉ざし、常に会堂の一室に引き籠るようになってしまった。
アグネスもまた、リリィと同様に、突如災害という悪魔に理不尽な形で自分の尊敬する恩人の命を奪われた事、そしてあの時彼女を助けられなかったという強い後悔が永遠に自身の心を蝕み続け、一時は命を絶とうとも考えたが、サルヴェの悲劇が起きたあの時、津波が街に迫り来る中、地震により倒壊した修道院の瓦礫に下半身を挟まれ、身動きの取れないホサナが彼女に対して発した最期の一言が、その衝動を寸前の所で食い止めた。
ホサナ「アグネス……私の子を…お願いね……
私の可愛いリリィちゃんを……」
…………
アグネス「ケホッケホッ!
はぁ……はぁ……
死ねないっ……。死ねる訳ないじゃないですかホサナ様……
あなたがいなくなったら、誰がこの子(リリィ)を育てるんですか……?
誰がこの子の面倒を見るんですか……?
お願いですから、私と……この子を置いて先に逝かないで下さいよ……!
こんな可愛い置き土産、私にはあまりにも荷が重すぎます……」
アグネス「……お願いだから……。
お願いだから、私を独りにしないでよ……!
私もうどうすればいいか分かんないよ……!
助けてっ……助けてよお姉ちゃんっ……!!
暗くて怖くて、もう何も見えないよ……!!
うぅっ……ぐず……お姉ちゃん……!
お”ね”ぇ”ち”ゃ”あ”ぁぁぁぁぁぁん”!!!
わ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ”!!!」
『サルヴェの聖母』、『偉大なる聖国の第二の母』とも。
享年36歳。
かつてサルヴェの首都ヴィクトリヴェルに存在した旧リデネルギア大修道院にてミューズ派の二代目修道院長を務めていた天真爛漫で明朗闊達な一児の母。
彼女はとても行動的で献身的な修道女であり、常に街の者や、病人、障害等を患った社会的弱者に対して見返りを求めない無償の施しを行っていた事から、同じ修道女達の間でも、彼女を妬み、嫌う者は誰一人としていなかった。
それ故彼女は誰からも愛され慕われる存在であり、巷では彼女の産みの母であるアレサを『聖国の白百合』と呼ぶ一方で、ホサナを『サルヴェの聖母』と呼び賞賛する者も現れるようになった事から、当の本人であるホサナ自身は嬉しくもどこかこそばゆくも感じていたらしい。
天真爛漫で明るく元気、そして一児の母でありながら皆から愛され尊敬されるそんな彼女ではあるが、実の所、気になる点が一つ存在する。
それはあまりものアクティブさ故に、やることすること全てが空回りしてしまい、よくどじを踏んでしまう所である。
彼女が慈善活動の一環で飲食店の厨房の手伝いをしている際に、濡れた床に足を取られ転倒し、運んでいた食器を全て割ってしまい、更にはその破片で頬を切ってしまう事もあれば、また別の日には慣れぬ育児で赤子のリリィをあやす為にあれやこれやと奮闘するも、その懸命さが返ってあだとなり、余計彼女(リリィ)を泣かせてしまうなど、実に彼女らしい難点である。
然しまた、そんな抜けた所も彼女の魅力の一つである為、彼女と親交のある者達は、いつもの事だと笑って彼女を見守ってきた。
また、彼女の子であるリリィ及び後輩のアグネスも、そんなお茶目でされど頼りがいのある彼女の事を非常に信頼し、娘のリリィに関しては、片時も母であるホサナから離れない程彼女に懐いていた。
それ故突然訪れたホサナとの別れは、リリィやアグネスを含む近親者及びサルヴェの国民全てに対して非常に強い衝撃を与え、母に似て、あれ程までに元気で活発的な子であったリリィでさえ、心を閉ざし、常に会堂の一室に引き籠るようになってしまった。
アグネスもまた、リリィと同様に、突如災害という悪魔に理不尽な形で自分の尊敬する恩人の命を奪われた事、そしてあの時彼女を助けられなかったという強い後悔が永遠に自身の心を蝕み続け、一時は命を絶とうとも考えたが、サルヴェの悲劇が起きたあの時、津波が街に迫り来る中、地震により倒壊した修道院の瓦礫に下半身を挟まれ、身動きの取れないホサナが彼女に対して発した最期の一言が、その衝動を寸前の所で食い止めた。
ホサナ「アグネス……私の子を…お願いね……
私の可愛いリリィちゃんを……」
…………
アグネス「ケホッケホッ!
はぁ……はぁ……
死ねないっ……。死ねる訳ないじゃないですかホサナ様……
あなたがいなくなったら、誰がこの子(リリィ)を育てるんですか……?
誰がこの子の面倒を見るんですか……?
お願いですから、私と……この子を置いて先に逝かないで下さいよ……!
こんな可愛い置き土産、私にはあまりにも荷が重すぎます……」
アグネス「……お願いだから……。
お願いだから、私を独りにしないでよ……!
私もうどうすればいいか分かんないよ……!
助けてっ……助けてよお姉ちゃんっ……!!
暗くて怖くて、もう何も見えないよ……!!
うぅっ……ぐず……お姉ちゃん……!
お”ね”ぇ”ち”ゃ”あ”ぁぁぁぁぁぁん”!!!
わ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ”!!!」
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2024-04-23 15:08
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