【一次創作】“四凶”鯀

　川の流れを変え、洪水を引き起こす悪神「洪水神」。

　元々は皇帝に仕える治水役人だったが、ある時認知を飲み込んだ洪水の迫力との破壊力に魅せられてしまい、度々故意に「被害が大きくなるよう」堤防や河川に細工をして村々を水害で苦しめたため、皇帝により処刑される。
　そして、死後、魔性の存在へと堕ちた。

　魚のような顔と肥満体型とい醜い外見の持ち主だが、元々は見目麗しいモデル体型の美丈夫だった。
　だが妖怪となった際、初めて邪気を帯びたことで自棄食いに走り、手当たり次第に人間や川の獣を喰らいまくったためその罰として現在の醜い姿になってしまった。

　その正体は12階建てのビルほどもある、巨大な半魚人。
　護岸工事された場所を怪力と後述の水難を呼ぶ力で破壊して暴れ回っていたが、幻冬によって倒され、封印されていた。

　しかし、河川工事により封印が剥がれ、その邪気を探知した魔門によって解放される。

　戦闘に際しては、相手の体内の水分さえ難と化す「水難」の力を操り、触れるだけで陸上の相手をおぼれさせることもできる。

　趣向は復活後も変わらず、破損時の被害が大きくなるような水関連の工事を企画し、配下の水妖（すいよう）たちを操って破壊工作に勤しんでいる。

　その働きっぷりは他の四凶にも評判で、共工は特に同じ洪水神として彼を可愛がっており、鯀も崇拝対象に褒められると子供のように喜ぶ程仲が良い。他の二神のことも同様に尊敬しており、四凶の中では一番腰が低い。

　一方で自身のからくりや軍略に絶大な自信があるため少々石頭。
　からくりの失敗など、予想外の事態には必要以上に驚き、慌てふためいてしまう弱点を持つ。

　そのため、過去、幻冬と戦った際には「水難操葬（すいなんそうそう）」の術を防がれた挙句、洪水の中を鬼人一族である彼に平然と向かってこられたためパニックになり、本来の戦闘力を発揮できぬまま散々に敗れた。

　その上、「脆い神だ」と捨て台詞を吐かれて封印されたため、鬼人一族に対する憎しみは非常に深いものになっている。