【アナログ】地下街のメロディー

堕天暦3083年ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

難波豹吉を倒し、ようやく暗黒魔道士一族の末裔として地球人から認められた梅田團治郎は、開拓者から「ヴァスコ」の称号を授かり、ダイヤモンド地区のみならず西梅田一帯の地主として大きく成長した。

しかし、そんなある日、月面人の間で“東側”と呼ばれている東梅田では、全員がウサ耳をつけた謎の組織「ロップイヤー団」、そして秘密結社「ドグラ・マグラ」という新たなる敵対勢力が出現し、月租界を侵略しようと目論み始めていた。
なんと彼らは5年前から、團治郎の心臓である「ディアマン・ド・ノワール」を執拗に付け狙っていたのだ‥‥‥。

「胸の黒いダイヤモンドを奪われれば、私は即座に死んでしまう‥‥‥当然のことだわ。東側に現れた二つの勢力が、どうして私を殺そうとするのかがわからない。要するに私は、17年前に故郷を焼き払われた過去をはるかに上回る死の危機にさらされているのだ」

團治郎はウメダ地下センターを中心とした“東側”の街で待ち受ける新たな仲間と出会い、彼らの持つ力と別人格「ディアブル・ド・パーソナリテ」を得て、己の生死をかけた戦いに再び身を投じる。

P.S.
第二章のタイトルは1963年に公開されたフランスの映画『地下室のメロディ』（原題：Mélodie en Sous-sol）に由来します。