逗子紀行-明治の終わりに（ラフ画）

俄には信じて頂けないかと思われますが、
この作品は、私の前世の記憶を頼りに描いたものです。

20代前半、私はある大病を患い、生死の境をさまよいました。奇跡的に生還を果たした時、同時に前世の記憶が蘇りました。其れは激動の明治時代、日本の未来を案じながら政治家として精一杯生きた人生でした。

伊藤博文率いる内閣で働き、憲法制定や大臣との文通に明け暮れる日々。日夜、身をすり減らしながらも、3人の子宝に恵まれ、幸せな家庭を築きました。

この作品は、神奈川の逗子へ、二人の幼い娘たちと旅行に行った時の思い出です。結核で亡くなる前に、自分が築き上げた新しい明治の世、そして…愛する愛娘たちの笑顔を目に焼き付けようと最期の力を振り絞りました。

しかし、私は娘たちを残したまま、
この世を去りました。

其の後の娘たちの行く末をあの世から見守る私は、彼女たちのことを今も案じています。また、前世のパートナーであった妻との別れも、大きな心の痛みとして残りました。

この作品が示したいのは、過去にこだわらずに生きる事の難しさ、そして悔恨の想いを断ち切り、新たな未来を切り拓くことの大切さです。

前世の記憶を頼りに、私はこの作品に、明治の世の光と影、そして家族への深い愛情を込めて描きました。

この作品を通して、過去と未来、そして人生の大切な価値観について、深く考えて頂く契機となって頂けたら幸いです。

井上軟太郎

★追記★

この作品は、フィクションとしてお楽しみ頂けたら幸いです。
私は前世の記憶があることを口外してはいけないとある方から言われましたので、
この作品はフィクションとして扱います。
魂も輪廻も存在しません。総て私が頭の中ででっち上げた幻影です。