逆転の兆し
「まったく、どうしようもないねェ・・・!」
私の家のリビングで、江楠さんが苛立ちをつのらせています。理由は簡単、宿城サイトに不利な証拠が揃わないのです。
「幽魅君の話によれば、ホテル街で宿城と接点のある連中が活動しているそうだがねェ、肝心の物的証拠が無いときた。私自身が動ければ多少は映像でも集められそうなんだがねェ・・・!」
江楠さんが動けないのは、聞き込みを始めてすぐに誰も江楠さん相手に口を開かなくなったからだそうです。どうやら、宿城は以前にも探偵に探られた事があるのか、関係各所に事前に口止めを入れていたようでした。おかげで直接聞き込みをした江楠さんはすぐに要注意人物としてマークされたようです。
「地元じゃ私が法律なんだが、やはりここは勝手が違ってやりづらいねェ。こんな事ならもっと大勢弱味を握っておくんだったよ」
私の方も、幽魅の話以外に目立った収穫はありません。桃宮ちゃんは友達に聞いてくれたそうですが、中学生の間では宿城には好意的な話が多く、これといった悪評がありませんでした。
と、私のスマホが鳴りました。瑞葵ちゃんです。
「凪さん、今お電話大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。瑞葵ちゃん、何か分かった?」
電話の向こうで瑞葵ちゃんが声を落としました。かなり真剣なトーンです。
「それが、宿城サイトって人なんですけど。就活生の女性を言葉巧みに言いくるめて、ホテルに連れ込んでる人たちと関係があるかも知れません」
「瑞葵ちゃん、その話詳しく聞かせてくれる?」
そう言うと、私はスマホをスピーカーモードにしました。
「はい。なかなか就職が決まらない高校生や大学生の女性を見つけると、『ヤドリギカンパニー』の人間だと言って近づくそうです。そして、ホテルでちょっと相手をしてくれればお金と就職先をあげるって誘惑して、女性が誘いに乗るとホテルで写真や動画を撮られて逆らえなくされるとか。就職先は実際にお世話してくれるみたいなんですけど、お金は最初の一回しかもらえないのに、何度も呼び出されて体を求められたりするって噂です」
実に悪質です。それは確かに世間にばれたら非常に体裁が悪いでしょう。もし宿城本人が女性に暴行を加えた事があれば、もはや破滅です。しかし、肝心の証拠はない訳で・・・。
「せめて証拠があればな・・・」
「凪さん、それなんですけど。私、囮役やりましょうか?」
「えっ?」
「私が就職に困っている女性を演じて、その人たちを釣るんです。運が良ければ、宿城サイト本人も現れるかも」
「絶対ダメ」
私は強く否定しました。あまりに危険すぎます。
「でも凪さん、証拠があればって言いましたよね。こんなの普通に頑張っても証拠なんて掴ませてもらえないと思います。私、胸はちょっと残念ですけど、見た目なら自信ありますよ。もし相手が引っかかったら、すぐに人を呼んでもらえばいいので。助けが来るまでくらいなら、何とか我慢できます」
確かに瑞葵ちゃんの場合、外見レベルが高いので確実に下心のある人間の目には留まるでしょう。でも、安全が確保できない以上やらせる訳にいきません。とはいえ、瑞葵ちゃんも割と言い出したら聞かない子なので、何とか言い方を考えてやめさせないと・・・。
「・・・瑞葵ちゃん」
「はい」
「私は嫌だ。私以外の男には、瑞葵ちゃんに触れて欲しくない」
「・・・・・・・・・」
反応が返ってきません。どうかしたのでしょうか。
「瑞葵ちゃん?」
「・・・もしもーし、早渚さーん?」
「あ、あれ?もしかして向日葵ちゃん?」
電話の向こうから向日葵ちゃんの声が聞こえてきました。
「瑞葵、鼻血出してダウンしましたー。急に剛速球でうちの妹口説くのやめてもらっていいですかー」
「え、口説くって、え?」
「バカな事言ってた瑞葵も悪いですけど、カウンターの威力考えて発言してくださーい。それじゃ失礼します」
電話を切られてしまいました。何だったんでしょう。
「・・・君ら、もう交際したらどうだい?」
江楠さんも呆れ気味にこっちを見てきます。私が何したって言うんだ。
「しかし、その男たちが本当にヤドリギカンパニーの人間か、騙りなのかはハッキリさせておかないといけないねェ。顔だけでも分かればいいんだが・・・ああ、もう!早渚君、君カメラマンだろう!?誰かいないのかい、著名人にアンテナ高くて常に下種なゴシップに目を光らせてるいやらしいパパラッチの知り合いとかさぁ!」
「無茶苦茶言いますね・・・そんな知り合い、いる訳が・・・」
いや、いる・・・いるぞ!そういういやらしいパパが!
「ちょっと連絡してみます!」
急いで父親の連絡先をタップします。あちこち飛び歩いている人間なので、近くにいればいいのですが・・・。
「もしもし、凪かい?どうした」
「父さん、宿城サイトを失脚させたい。一枚噛むつもりはないか?」
「・・・ふっふっふ、悪くない話だね。分かった、今日中にそっちに行くよ」
電話が切れました。これはやったかもしれません。
「早渚君、君の父親ってどういう人間なんだい」
「著名人のいやらしいゴシップを撮りためて、対抗馬を貶めて本命の株を上げた後に一大スクープで本命を社会的に殺すのが趣味のサイコパスです」
「・・・ククッ、おあつらえ向きじゃあないか」
江楠さんと父さんが手を組めばその凶悪さは数段跳ね上がります。さあ、たまには息子にいいところを見せてくれよ、父さん・・・!
※『AIピクターズ』サイト内で生成した作品です。AIピクターズ作品ページ→https://www.aipictors.com/works/476524/
私の家のリビングで、江楠さんが苛立ちをつのらせています。理由は簡単、宿城サイトに不利な証拠が揃わないのです。
「幽魅君の話によれば、ホテル街で宿城と接点のある連中が活動しているそうだがねェ、肝心の物的証拠が無いときた。私自身が動ければ多少は映像でも集められそうなんだがねェ・・・!」
江楠さんが動けないのは、聞き込みを始めてすぐに誰も江楠さん相手に口を開かなくなったからだそうです。どうやら、宿城は以前にも探偵に探られた事があるのか、関係各所に事前に口止めを入れていたようでした。おかげで直接聞き込みをした江楠さんはすぐに要注意人物としてマークされたようです。
「地元じゃ私が法律なんだが、やはりここは勝手が違ってやりづらいねェ。こんな事ならもっと大勢弱味を握っておくんだったよ」
私の方も、幽魅の話以外に目立った収穫はありません。桃宮ちゃんは友達に聞いてくれたそうですが、中学生の間では宿城には好意的な話が多く、これといった悪評がありませんでした。
と、私のスマホが鳴りました。瑞葵ちゃんです。
「凪さん、今お電話大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。瑞葵ちゃん、何か分かった?」
電話の向こうで瑞葵ちゃんが声を落としました。かなり真剣なトーンです。
「それが、宿城サイトって人なんですけど。就活生の女性を言葉巧みに言いくるめて、ホテルに連れ込んでる人たちと関係があるかも知れません」
「瑞葵ちゃん、その話詳しく聞かせてくれる?」
そう言うと、私はスマホをスピーカーモードにしました。
「はい。なかなか就職が決まらない高校生や大学生の女性を見つけると、『ヤドリギカンパニー』の人間だと言って近づくそうです。そして、ホテルでちょっと相手をしてくれればお金と就職先をあげるって誘惑して、女性が誘いに乗るとホテルで写真や動画を撮られて逆らえなくされるとか。就職先は実際にお世話してくれるみたいなんですけど、お金は最初の一回しかもらえないのに、何度も呼び出されて体を求められたりするって噂です」
実に悪質です。それは確かに世間にばれたら非常に体裁が悪いでしょう。もし宿城本人が女性に暴行を加えた事があれば、もはや破滅です。しかし、肝心の証拠はない訳で・・・。
「せめて証拠があればな・・・」
「凪さん、それなんですけど。私、囮役やりましょうか?」
「えっ?」
「私が就職に困っている女性を演じて、その人たちを釣るんです。運が良ければ、宿城サイト本人も現れるかも」
「絶対ダメ」
私は強く否定しました。あまりに危険すぎます。
「でも凪さん、証拠があればって言いましたよね。こんなの普通に頑張っても証拠なんて掴ませてもらえないと思います。私、胸はちょっと残念ですけど、見た目なら自信ありますよ。もし相手が引っかかったら、すぐに人を呼んでもらえばいいので。助けが来るまでくらいなら、何とか我慢できます」
確かに瑞葵ちゃんの場合、外見レベルが高いので確実に下心のある人間の目には留まるでしょう。でも、安全が確保できない以上やらせる訳にいきません。とはいえ、瑞葵ちゃんも割と言い出したら聞かない子なので、何とか言い方を考えてやめさせないと・・・。
「・・・瑞葵ちゃん」
「はい」
「私は嫌だ。私以外の男には、瑞葵ちゃんに触れて欲しくない」
「・・・・・・・・・」
反応が返ってきません。どうかしたのでしょうか。
「瑞葵ちゃん?」
「・・・もしもーし、早渚さーん?」
「あ、あれ?もしかして向日葵ちゃん?」
電話の向こうから向日葵ちゃんの声が聞こえてきました。
「瑞葵、鼻血出してダウンしましたー。急に剛速球でうちの妹口説くのやめてもらっていいですかー」
「え、口説くって、え?」
「バカな事言ってた瑞葵も悪いですけど、カウンターの威力考えて発言してくださーい。それじゃ失礼します」
電話を切られてしまいました。何だったんでしょう。
「・・・君ら、もう交際したらどうだい?」
江楠さんも呆れ気味にこっちを見てきます。私が何したって言うんだ。
「しかし、その男たちが本当にヤドリギカンパニーの人間か、騙りなのかはハッキリさせておかないといけないねェ。顔だけでも分かればいいんだが・・・ああ、もう!早渚君、君カメラマンだろう!?誰かいないのかい、著名人にアンテナ高くて常に下種なゴシップに目を光らせてるいやらしいパパラッチの知り合いとかさぁ!」
「無茶苦茶言いますね・・・そんな知り合い、いる訳が・・・」
いや、いる・・・いるぞ!そういういやらしいパパが!
「ちょっと連絡してみます!」
急いで父親の連絡先をタップします。あちこち飛び歩いている人間なので、近くにいればいいのですが・・・。
「もしもし、凪かい?どうした」
「父さん、宿城サイトを失脚させたい。一枚噛むつもりはないか?」
「・・・ふっふっふ、悪くない話だね。分かった、今日中にそっちに行くよ」
電話が切れました。これはやったかもしれません。
「早渚君、君の父親ってどういう人間なんだい」
「著名人のいやらしいゴシップを撮りためて、対抗馬を貶めて本命の株を上げた後に一大スクープで本命を社会的に殺すのが趣味のサイコパスです」
「・・・ククッ、おあつらえ向きじゃあないか」
江楠さんと父さんが手を組めばその凶悪さは数段跳ね上がります。さあ、たまには息子にいいところを見せてくれよ、父さん・・・!
※『AIピクターズ』サイト内で生成した作品です。AIピクターズ作品ページ→https://www.aipictors.com/works/476524/
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2024-10-12 00:15
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