未来を変えろ
無限に広がる大宇宙・・・
重核子爆弾のコントロールルームに侵入したサーシャは、起爆装置の破壊に成功するも、聖総統の執拗な追撃の前に次第に追い詰められていった。
時に、西暦220X年
今やイスカンダルの血を継ぐ最後の人間となってしまった、サーシャ=古代=澪=真田。
その誇り高き血統はここで絶えてしまうのか。
「フフフ・・・サーシャよ。安心しろ、殺しはせん。お前は我が妻となって私の子を産むのだ。イスカンダルの血とデザリアムの血がひとつになれば、人類はより高度な存在へと進化を遂げるだろう。」
サーシャは青ざめた。何がなんでも捕まるわけにはいかない。
わたしが産む子供の父親はもう決めている。
たとえそれが許されぬ恋であっても、わたしの夫となるのはステキな若いあの人以外いない。
そのためには、なんとしても生き残って見せる。
幸い、重核子爆弾の起爆システムがあるこのフロアは、聖総統以外は立ち入れない。
個体識別セキュリティ設定により、サイボーグは機能停止してしまうのだ。
このセクションで活動できるのは生身の人間のみ。
そう、スカルダートは帝国でただ一人の、生身の肉体を持つオリジナルのデザリアム人だったのだ。
聖総統が自ら、たったひとりでサーシャを追いかけまわしていたのは、そのためである。
だが、遅かれ早かれ、出入口は封鎖されるだろう。
急がなければ、ヤマトとの合流に間に合わない。
しかし、サーシャとラブシュープリームしたいスカルダートは鼻息も荒く、レーザー弾を雨あられのように撃ち込んでくる。
顔を出すことはおろか、身動きも出来ない。
サーシャは、その身をギリギリで隠せるほどのコンソールの陰に釘付けにされてしまった。
その時だった。
「・・・・サーシャ、フォースを使いなさい。」
どこからともなく、声が響いた。
実際に耳にしたことはない。だが、誰の声なのかはこの体に流れる血が理解していた。
「お母さま!」
お母さまが護ってくれている!
サーシャは眼を閉じて、意識を集中した。
暗黒星雲の濃密な闇の中、迫りくる岩塊を察知した超感覚で、無数の電子機器が立ち並ぶコントロールルームの手前から奥までスキャンする。
ひとつめ・・・
ふたつめ・・・・・
みっつめのシステムボックスの陰に━━━いた!
隙かさずコンソールの陰から銃口だけを覗かせ、邪悪な気配に向けて三点バーストを放つ。
肉眼に頼らない盲撃ちの一発が、見事に聖総統の眉間を貫通した。
聖総統の後頭部が破裂し、血と脳漿が飛び散る。
首を失った胴体が、鋼鉄の床に倒れ伏した。
この瞬間、デザリアムの指揮系統は総崩れとなり、戦況は一気に地球側へと傾いた。
同時に、サーシャは両親の仇を討ちとったのである。
「ありがとう、お母さま。」
亡き両親から授かった能力で、ヤマトが、愛しいススムがすぐそこまで迎えに来ているのを感じる。
その時だった。
サーシャの頭の中に、少し大人びた自分と進が睦まじく寄り添い、二人によく似た赤ちゃんをあやしているビジョンが浮かび上がった。
「・・・━━━赤ちゃんの頃のサーシャにそっくりだな。」
「そう?眼の辺りとかはススム譲りだと思うけど。」
「そうか?どちらかと言えば守兄さんじゃないかな。」
「そこはやっぱり兄弟だから。そうだ。名前はお父さまから戴いてマモルにしない?」
「いやいや。ただでさえスターシァさんの妹さんときみが同じ名前で混乱するのに、さらにややこしくなるだろう。駄目だ駄目だ。」
「そうかしら。」
「そうだよ。だいたいヤマト2の最終回タイトルが "ヤマトよ永遠に" なのに、 "新たなる旅立ち" の続編映画のタイトルも同じにするもんだから、もう何が何やら。プロデュ・・・制作サイドはその時その時の思いつきだけで後のことなんか何も考えてやしないんだから。」
「━━━で、マモルじゃどうしてもダメなのかしら?」
「そもそもこの子、女の子だし。」
・・・・それは幻覚とはあきらかに違う、まるで実際に起こった出来事のような、余りにもリアルな体験だった。
今のは、まさか━━━超感覚が見せたわたしたちの未来なの?
いつの日か、ススムと結ばれる日が来ると、本当に信じていいの?
「サーシャ・・・フォースを信じるのです。」
警報が鳴り響くコントロールルームの中、サーシャは母の声をはっきりと聞いた。
次第に大きくなってくる波動エンジンの轟音と共に。
第2章『赤日の出撃』公開まで、あと、31日。
“ ━━━NTRの共にあらんことを ”
重核子爆弾のコントロールルームに侵入したサーシャは、起爆装置の破壊に成功するも、聖総統の執拗な追撃の前に次第に追い詰められていった。
時に、西暦220X年
今やイスカンダルの血を継ぐ最後の人間となってしまった、サーシャ=古代=澪=真田。
その誇り高き血統はここで絶えてしまうのか。
「フフフ・・・サーシャよ。安心しろ、殺しはせん。お前は我が妻となって私の子を産むのだ。イスカンダルの血とデザリアムの血がひとつになれば、人類はより高度な存在へと進化を遂げるだろう。」
サーシャは青ざめた。何がなんでも捕まるわけにはいかない。
わたしが産む子供の父親はもう決めている。
たとえそれが許されぬ恋であっても、わたしの夫となるのはステキな若いあの人以外いない。
そのためには、なんとしても生き残って見せる。
幸い、重核子爆弾の起爆システムがあるこのフロアは、聖総統以外は立ち入れない。
個体識別セキュリティ設定により、サイボーグは機能停止してしまうのだ。
このセクションで活動できるのは生身の人間のみ。
そう、スカルダートは帝国でただ一人の、生身の肉体を持つオリジナルのデザリアム人だったのだ。
聖総統が自ら、たったひとりでサーシャを追いかけまわしていたのは、そのためである。
だが、遅かれ早かれ、出入口は封鎖されるだろう。
急がなければ、ヤマトとの合流に間に合わない。
しかし、サーシャとラブシュープリームしたいスカルダートは鼻息も荒く、レーザー弾を雨あられのように撃ち込んでくる。
顔を出すことはおろか、身動きも出来ない。
サーシャは、その身をギリギリで隠せるほどのコンソールの陰に釘付けにされてしまった。
その時だった。
「・・・・サーシャ、フォースを使いなさい。」
どこからともなく、声が響いた。
実際に耳にしたことはない。だが、誰の声なのかはこの体に流れる血が理解していた。
「お母さま!」
お母さまが護ってくれている!
サーシャは眼を閉じて、意識を集中した。
暗黒星雲の濃密な闇の中、迫りくる岩塊を察知した超感覚で、無数の電子機器が立ち並ぶコントロールルームの手前から奥までスキャンする。
ひとつめ・・・
ふたつめ・・・・・
みっつめのシステムボックスの陰に━━━いた!
隙かさずコンソールの陰から銃口だけを覗かせ、邪悪な気配に向けて三点バーストを放つ。
肉眼に頼らない盲撃ちの一発が、見事に聖総統の眉間を貫通した。
聖総統の後頭部が破裂し、血と脳漿が飛び散る。
首を失った胴体が、鋼鉄の床に倒れ伏した。
この瞬間、デザリアムの指揮系統は総崩れとなり、戦況は一気に地球側へと傾いた。
同時に、サーシャは両親の仇を討ちとったのである。
「ありがとう、お母さま。」
亡き両親から授かった能力で、ヤマトが、愛しいススムがすぐそこまで迎えに来ているのを感じる。
その時だった。
サーシャの頭の中に、少し大人びた自分と進が睦まじく寄り添い、二人によく似た赤ちゃんをあやしているビジョンが浮かび上がった。
「・・・━━━赤ちゃんの頃のサーシャにそっくりだな。」
「そう?眼の辺りとかはススム譲りだと思うけど。」
「そうか?どちらかと言えば守兄さんじゃないかな。」
「そこはやっぱり兄弟だから。そうだ。名前はお父さまから戴いてマモルにしない?」
「いやいや。ただでさえスターシァさんの妹さんときみが同じ名前で混乱するのに、さらにややこしくなるだろう。駄目だ駄目だ。」
「そうかしら。」
「そうだよ。だいたいヤマト2の最終回タイトルが "ヤマトよ永遠に" なのに、 "新たなる旅立ち" の続編映画のタイトルも同じにするもんだから、もう何が何やら。プロデュ・・・制作サイドはその時その時の思いつきだけで後のことなんか何も考えてやしないんだから。」
「━━━で、マモルじゃどうしてもダメなのかしら?」
「そもそもこの子、女の子だし。」
・・・・それは幻覚とはあきらかに違う、まるで実際に起こった出来事のような、余りにもリアルな体験だった。
今のは、まさか━━━超感覚が見せたわたしたちの未来なの?
いつの日か、ススムと結ばれる日が来ると、本当に信じていいの?
「サーシャ・・・フォースを信じるのです。」
警報が鳴り響くコントロールルームの中、サーシャは母の声をはっきりと聞いた。
次第に大きくなってくる波動エンジンの轟音と共に。
第2章『赤日の出撃』公開まで、あと、31日。
“ ━━━NTRの共にあらんことを ”
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2024-10-21 23:01
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