月で死体は風化しない
月独立戦争から90年近くが経過した現在でも、月面で腐食することなく放置されていた遺体が発見されることが稀にある——そして、戦死者という体で処理されている未確認の遺体が同程度あるという都市伝説もまた、存在する。
数年前、テレビの取材に対してある月治安維持局員は、「まあ終戦直後はそういう死体遺棄事件も多かったらしいですが、流石にこんだけ経つと放射線で劣化した死体とつい最近遺棄された死体とじゃ全然違いますからねえ。第一みなさん、死体が風化しないならその周辺の“誰か”の痕跡も残り続けるということをお忘れですよ…」と語った。
この局員へのインタビューからもわかる通り、もちろん都市伝説はあくまで都市伝説である。年に一度程度そういった宇宙服を着た遺体が見つかるたびに、行方不明事件や大昔の大量殺人事件、果ては全く関係ないSF小説まで持ち出して騒がれるが、数日後には戦死者リストから身元が特定され、野次馬たちは興味を失う。
しかし、実際に身元が特定されなかった遺体が存在するのも事実である。損壊の度合いが大きかったり、当時の記録が紛失していたり…奇妙なものでは、「記録上では生き延びている兵士の」宇宙服と死体が見つかった例もある。そこにオカルト的な理由を見出すのは簡単だが、それよりも、戦争というのがどれだけ混沌としていたかを確認した方が多くを学べることだろう——。
数年前、テレビの取材に対してある月治安維持局員は、「まあ終戦直後はそういう死体遺棄事件も多かったらしいですが、流石にこんだけ経つと放射線で劣化した死体とつい最近遺棄された死体とじゃ全然違いますからねえ。第一みなさん、死体が風化しないならその周辺の“誰か”の痕跡も残り続けるということをお忘れですよ…」と語った。
この局員へのインタビューからもわかる通り、もちろん都市伝説はあくまで都市伝説である。年に一度程度そういった宇宙服を着た遺体が見つかるたびに、行方不明事件や大昔の大量殺人事件、果ては全く関係ないSF小説まで持ち出して騒がれるが、数日後には戦死者リストから身元が特定され、野次馬たちは興味を失う。
しかし、実際に身元が特定されなかった遺体が存在するのも事実である。損壊の度合いが大きかったり、当時の記録が紛失していたり…奇妙なものでは、「記録上では生き延びている兵士の」宇宙服と死体が見つかった例もある。そこにオカルト的な理由を見出すのは簡単だが、それよりも、戦争というのがどれだけ混沌としていたかを確認した方が多くを学べることだろう——。
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2024-10-31 20:39
Comments (9)
月面で戦争する時代になっても、オカルトという名の物語を作ってしまうのが人間という生き物
単純な事務連絡の齟齬で生まれてしまった都市伝説も多そうだな…
メタダイン社に連絡を
WW2でも実際あったらしいですね、記録上では生きてる事になってた兵士。部隊が戦死報告を上げたのに上層部が記載漏れしたっていう…。戦死通達来ないし生きてると思った遺族が、とっくに終戦したのにまだ帰ってこないと問い合わせて発覚したようですが。
見つかったのが真っ赤な宇宙服着てたりすると役満ですねえ
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