今日のヨル様11/24

ヨル「きてあげたけど、なにかよう？」
菫「えーっと……もしかして怒ってるのかい？」
ヨル「べつに」
菫「いきなり呼びつけるような形になってしまった非礼は詫びよう。しかし、君にも関係のある話だからこそ呼ばざるを得なかったんだ」
ヨル「ほう……？」
菫「君が発見したあの謎のモアイ像についての顛末だよ」
ヨル「とくにきょうみはないけど。もうこわしたんでしょう？」
菫「ああ、もう破壊したよ。まだ連絡はしていなかった筈だけど、知っていたんだね。流石と言うべきかなんというか」
ヨル「せじはいらない。そんなくだらないことをいうためによびよせたの？」
菫「いやいや、それ意外にも勿論理由がある。問題はモアイ像の方ではなくゴールドオーブの方だ。君が発見したあのゴールドオーブだが、あれには僅かにだがこの世界のいずれのものとも違う力が確認された。そしてそれこそがえいえんのせかいへの鍵となっている力だと結論付けている」
ヨル「つまり、『それがあればえいえんのせかいへいける』と」
菫「そこまでの物ではないがね。確定してるのは『それが無いとえいえんのせかいへはいけない』ということだ。必要条件ではあるが、十分条件足り得ない」
ヨル「それで？」
菫「ああ、だからこの世界で恐らく最も安全な場所であろう君に返す次第になったということさ。仮にえいえんのせかいへ行けてしまったとしても君はその力を悪用はしないだろうことは既に今の君自身が証明している」
ヨル「……？」
菫「君は贔屓目に見ずとも強大な力を持っていることは確かな話だ。だからこそ私も、今この時さえも君の怒りを買わないようにと言葉を選びながら話しているつもりだよ。万が一、いや億、兆、それこそ那由多の果てであろうとも、君が我々と敵対したり、世界そのものの破滅を望むようなことがないようにと願わずにはいられないからね」
ヨル「べつに……そんなことはのぞんでいないけれど」
菫「君自身は勿論そのつもりだろうさ。しかし君のように『望みさえすれば世界が終わる』という存在は本人にその気が無くとも危険物足り得てしまうのだよ。言ってしまえば剥き出しの状態で核弾頭ミサイル発射のボタンが目の前に置いてあるのと同じだからね。勿論、本当に君が望みさえすれば世界が終わるかどうかは実際のところはわからない。ただ、『我々はそう考えている』という点では同じだが」
ヨル「んー……」
菫「不満そうだね」
ヨル「すごく」