「も~ホントに困りますっ!」
「え~、いいじゃん!退院したらさ、ねっ、デートしよっ!」
「も~ホントに困りますっ!」
「だってさ~、看護師さんかわいいんだも~ん」
「な、か、かわ…!?」
看護師さんの顔が真っ赤になった。どうやら男からの誉め言葉に免疫がないらしい。
「…と、とにかく!リョースケさんは安静にしていてくださいねっ!」
ー シャー ー
半ば強引にカーテンを閉め、この病院一かわいい看護師さんはそそくさと去っていってしまった。
…数日前突然仕事先で倒れて気が付いたらベッドで寝ていた。
この歳(ヒミツ♡)になるまで健康優良児だったそんなオレが明後日手術をするという。
最初、病名を聞いたときはさすがのオレも頭が真っ白になった。
『…どうやら年貢の納め時…かな』
初冬の夕暮れが迫る病院の屋上でぼんやりと空を眺めながらこっそりとたばこを吸っていた。
トシのせいか、それともここのところの寒暖差が原因なのか、寒さがやたら身に染みる。(ま、冬空でタバコ吸ってりゃ当たり前か)
若いころから無茶をしっぱなし・メイワクをかけっぱなしのオレの人生。
早々とカタギの道を外れてしまったオレに対する、どうやらこれが神様の罰…というものらしい。
色んなことが頭をよぎった。
惜しむらくは…。
「あいつ…今頃どうしてるかな…」
訳あってさよならを言いそびれてしまった姪…。
それだけが唯一の心残りだった。
…だが。
「手術後、目を覚まさなければ…悔やんでも仕方ないか…ハハ」
この世で最後の一本になるかもしれないタバコの煙を燻らせながらふとそんなことを考えてると、長い間忘れていた涙がいつの間にか止めどなく溢れていた。
凛として刺すような初冬の夕暮れ時の空気の中、タバコの煙は静かに空へと消えていった。
「も~ホントに困りますっ!」
「だってさ~、看護師さんかわいいんだも~ん」
「な、か、かわ…!?」
看護師さんの顔が真っ赤になった。どうやら男からの誉め言葉に免疫がないらしい。
「…と、とにかく!リョースケさんは安静にしていてくださいねっ!」
ー シャー ー
半ば強引にカーテンを閉め、この病院一かわいい看護師さんはそそくさと去っていってしまった。
…数日前突然仕事先で倒れて気が付いたらベッドで寝ていた。
この歳(ヒミツ♡)になるまで健康優良児だったそんなオレが明後日手術をするという。
最初、病名を聞いたときはさすがのオレも頭が真っ白になった。
『…どうやら年貢の納め時…かな』
初冬の夕暮れが迫る病院の屋上でぼんやりと空を眺めながらこっそりとたばこを吸っていた。
トシのせいか、それともここのところの寒暖差が原因なのか、寒さがやたら身に染みる。(ま、冬空でタバコ吸ってりゃ当たり前か)
若いころから無茶をしっぱなし・メイワクをかけっぱなしのオレの人生。
早々とカタギの道を外れてしまったオレに対する、どうやらこれが神様の罰…というものらしい。
色んなことが頭をよぎった。
惜しむらくは…。
「あいつ…今頃どうしてるかな…」
訳あってさよならを言いそびれてしまった姪…。
それだけが唯一の心残りだった。
…だが。
「手術後、目を覚まさなければ…悔やんでも仕方ないか…ハハ」
この世で最後の一本になるかもしれないタバコの煙を燻らせながらふとそんなことを考えてると、長い間忘れていた涙がいつの間にか止めどなく溢れていた。
凛として刺すような初冬の夕暮れ時の空気の中、タバコの煙は静かに空へと消えていった。
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2024-12-01 19:19
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