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胡蝶の夢

令尹は多忙である。
山積みになった課題をこなす毎日。
自由にどこかへ旅することも、会いたい誰かに会いに行くこともままならない。

この役職に誇りを持っている。でも少しだけ...そう思うときはある。

最近「夢」にまつわる噂を聞くようになった。
噂は特定の地域に集中しているようだ。
実害があるわけではないのでまだ正式な調査は入っていない。

珍しく今は少しだけ時間がある。
箪笥の奥にしまっていたコートを引っ張り出した。
少しだけ現地に足を運んでみよう。
きっと今の自分は誰かに感化されている。

気づくと「夢の世界」にいた。
これが「夢」なのはわかる。
誰の「夢」なのかはわからない。

見知った人影を見た。
あれは私の知っているあの人なのか?
それとも「夢」が見せる似姿なのか?

確信がもてないのでこう切り出すことにした。
「フフフ、お困りのようですね?お手伝いしましょうか?」

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お忍び外出用の衣装をイメージしました。
「暗闇が白昼の扉を叩く頃」では登場シーンがなかった(はず)ので同時刻で別調査をしていた、という設定をイメージしてみました。
今汐かわいいよね。

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2024-12-07 10:20

 isaki


Comments (1)

发牢骚 2024-12-08 18:05

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