三人寄れば
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杏「あれ、智多じゃん」
ここ(いつもの喫茶店)に来れば何か対処が出来ると思った智多。そこには先客として、杏がコーヒーを楽しんでいた。
智多「杏おねーちゃん。⋯あれ?ウエイトレスは?」
杏「今日休み。ていうか、この頃卒論に詰まっちゃってて、それどころじゃないのよ」
智多「あらま」
杏「智多こそどうしたのよ、なんか元気無いじゃん」
智多「んー⋯昨日はっちゃけ過ぎて不安になっちゃった」
杏「何したのよ」
智多「うーんと、ナニ」
杏「⋯アンタはもう⋯。何をどうやったら不安になるわけ?俊さんなんかしたの?」
智多「杏おねーちゃんならいっか話しても⋯。実は昨日姉妹丼してて」
杏「(相変わらず俊さんの事になるとぶっ飛んでんなー智多)んで?」
智多「いつも私だけの時って、パパだいぶ抑えてたんだなーって」
杏「⋯日和とヤる時ってそんなすごいの?」
智多「⋯すごかった。その勢いのまま、パパ⋯」
杏「あーもういい、なんとなく予想付いた。あたしの時も多分そうだろうなー、って思ったし」
智多「だからおねーちゃん、アフターピルとか無い?」
杏「そういうことなら分けたげる。⋯もう少し対策打ちなさいな(薬渡す)」
智多「にゅぅ⋯(しょんぼり)」
カランカラーン(入り口ベル)
智多「(水で薬飲んだ)⋯あれ?唯さん?」
杏「あらま珍しい」
唯「智多ちゃんと杏さんじゃないですか、御一緒しても?」
杏「いいんじゃない?てか智多がこっちに来たのが最初だかんね」
智多「へへー。⋯でも唯さん、あいちゃん達は?」
唯「⋯まだ寝てるわ、どういうクリスマスパーティーしたんだか」
杏「唯さんは昨日は、彼氏さんと?」
唯「(赤面)⋯ええ、まぁ」
智多「(観察)⋯にしては、なんかあったような顔なんですけど⋯」
唯「智多ちゃん、やっぱり俊さんの娘さんだけあって観察眼すごいね。⋯ちょっとさ、研一さん⋯、あ、私の彼のことね、話してたら不安になっちゃって」
杏「何をどうしたんですか」
唯「昨日⋯、クリスマスで⋯(赤面)、んー、何をどう話したものだろ⋯」
智多「(このお姉さんも私と同じ悩みかい)えーと、なんとなく予想付くんで、そこら辺は飛ばしていいですよ?」
杏(こくこくこく)←頷く
唯「⋯お気遣いありがとう。まぁ、有り体に言うと、がっつき過ぎだって怒られちゃった」
杏「はい?」
智多「研一さんに?」
唯「ええ」
杏「何をどうしたらその言葉が出るんですか⋯」
唯「⋯ぶっちゃけさ、結婚式も入籍もしてないのに、そこら辺全部すっ飛ばして子供作ろうってどうなの?って⋯」
杏「わーお(す、すごいなこのお姉さん)」
智多「意外ときっちりしてそうですもんねえ」
唯「意外とどころかものすごいと思う」
杏「唯さんは、どうしたいんです?それを彼氏さんには?」
唯「お恥ずかしながら、その辺り考えたこと無かったんです。幸せ過ぎて⋯。ただ、幸せだけじゃダメだぞって言われてしまって」
智多「理にはかなってますね」
唯「さすがにね⋯。だから考え事しようと思って、ここに来たんです」
杏「それこそ彼氏さんと話をした方がいいんじゃ?」
唯「その前に自分の気持ちって、どうなの?ってのを考えたくて」
智多「ウチのおねーちゃんは、式は来年挙げるって、その前に子供作りたいってパパと話してましたね」
杏「お腹出るじゃん」
智多「なんかもうウエディングドレスとか式の段取りとか、私も知らない所で進めてるっぽい。だから子作り最優先だって」
杏(だからすごかったんじゃね?)
唯「まぁ私もドレス着たいからなぁ⋯」
智多「てことは、そこから考えてみたらどうですか?」
杏「入籍もあるしねえ」
唯「研一さんのご両親へのご挨拶かな⋯、そこから考えてみます」
智多「あいちゃんと翼ちゃんも、ご結婚されるなら喜ぶと思いますよ」
唯「ええ。ここに来て良かった」
智多「というか杏おねーちゃんもここにいるって、何したの」
唯「そもそもウエイトレスさん以外でここにいるの初めて見ました」
杏「あはは⋯。まぁ、あたしの場合は単純に卒論で詰まってるだけだし」
智多「あーそう言ってたよね」
唯「どんなテーマなんですか?」
杏「小売業のピークシフトの分散方法。やっぱりこのバイトしてるとさ、そう思うわけよ」
智多「杏おねーちゃんにしてはマトモだ」
杏「マトモに書かなきゃ卒業出来ないでしょ⋯」
唯「どこが詰まってるんです?」
杏「データはいくつかのお店に協力いただいて集めたんですけど、どうすれば見やすく出来るのかなぁって」
智多「すぐ思いつくのはグラフや表だと思うけど」
杏「それがさ智多、あたしそこら辺すっごく苦手なんよ⋯。ここ1週間くらいパソコンとずーっとにらめっこしてるけど、何をどうすればいいのか⋯」
唯「ふむ⋯パソコンありますか?」
杏「一応⋯。はい、これです」
智多(あー、プロフェッショナルがいるじゃん)
唯「データはどれですか?」
杏「えっと⋯(鞄をがさごそ)、これです(紙の束)」
智多「おねーちゃん、せめてExcelに打ち込もうよ⋯」
杏「だってー知らないんだもん!(半泣き)」
唯「⋯今までどうやってたんですか?」
杏「えと、まず手書きでグラフ作って、ペイントで同じような図を描いてました」
智多(ウソでしょ!?)
唯「(こりゃ教えるより見せた方が早いな)じゃあ、まず一つ作ってみますね。まず一つ、店舗を選んで、⋯あ、この喫茶店にしましょうか、縦軸に日付、横軸に時間帯の表を作ります(カタカタカタ)」
杏「ふむふむ(このお姉さん、キー打つのはっや!)」
唯「出来た表に来店されたお客さんの数字を打ち込みます、読みあげてもらえますか?」
杏「えーと⋯こんな表作ってあるんです(紙)」
唯「(ここまであるなら楽勝かな)あぁじゃあ打っちゃいますね(ガタガタガタ!)。⋯表出来たから、後はここのグラフボタンから、自分がどういうグラフにしたいか決めてください」
杏「(速ぇえ!)⋯あ!この円のがいい!」
唯「そしたらここをクリックして、貼り付けたい場所に貼り付けて⋯、はい完成」
智多「さすが唯さん。3分だよ」
杏「(感動)すご!これならあたしも出来そう!ありがとうございます!」
唯「喜んでもらえて良かったです」
杏「ふぅ⋯」
智多「にゅぅ⋯」
唯「はぁ⋯」
杏「⋯なんか、三人よると文殊の知恵、って、こういうことなんだろうね」
智多「意外な組み合わせだけどね」
唯「ふふっ、そうですね」
智多「でも良かった、安心したー。得意分野は人間それぞれだぞーって、よくパパ言ってたや、そういえば」
唯「仕事の時も言ってましたね。私も安心しました。何か、道筋が見えたから、あとは相談してみますよ、研一さんと」
杏「私はなんとか卒論締切日間に合いそう!」
三人の顔はにこやかだった。
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杏「あれ、智多じゃん」
ここ(いつもの喫茶店)に来れば何か対処が出来ると思った智多。そこには先客として、杏がコーヒーを楽しんでいた。
智多「杏おねーちゃん。⋯あれ?ウエイトレスは?」
杏「今日休み。ていうか、この頃卒論に詰まっちゃってて、それどころじゃないのよ」
智多「あらま」
杏「智多こそどうしたのよ、なんか元気無いじゃん」
智多「んー⋯昨日はっちゃけ過ぎて不安になっちゃった」
杏「何したのよ」
智多「うーんと、ナニ」
杏「⋯アンタはもう⋯。何をどうやったら不安になるわけ?俊さんなんかしたの?」
智多「杏おねーちゃんならいっか話しても⋯。実は昨日姉妹丼してて」
杏「(相変わらず俊さんの事になるとぶっ飛んでんなー智多)んで?」
智多「いつも私だけの時って、パパだいぶ抑えてたんだなーって」
杏「⋯日和とヤる時ってそんなすごいの?」
智多「⋯すごかった。その勢いのまま、パパ⋯」
杏「あーもういい、なんとなく予想付いた。あたしの時も多分そうだろうなー、って思ったし」
智多「だからおねーちゃん、アフターピルとか無い?」
杏「そういうことなら分けたげる。⋯もう少し対策打ちなさいな(薬渡す)」
智多「にゅぅ⋯(しょんぼり)」
カランカラーン(入り口ベル)
智多「(水で薬飲んだ)⋯あれ?唯さん?」
杏「あらま珍しい」
唯「智多ちゃんと杏さんじゃないですか、御一緒しても?」
杏「いいんじゃない?てか智多がこっちに来たのが最初だかんね」
智多「へへー。⋯でも唯さん、あいちゃん達は?」
唯「⋯まだ寝てるわ、どういうクリスマスパーティーしたんだか」
杏「唯さんは昨日は、彼氏さんと?」
唯「(赤面)⋯ええ、まぁ」
智多「(観察)⋯にしては、なんかあったような顔なんですけど⋯」
唯「智多ちゃん、やっぱり俊さんの娘さんだけあって観察眼すごいね。⋯ちょっとさ、研一さん⋯、あ、私の彼のことね、話してたら不安になっちゃって」
杏「何をどうしたんですか」
唯「昨日⋯、クリスマスで⋯(赤面)、んー、何をどう話したものだろ⋯」
智多「(このお姉さんも私と同じ悩みかい)えーと、なんとなく予想付くんで、そこら辺は飛ばしていいですよ?」
杏(こくこくこく)←頷く
唯「⋯お気遣いありがとう。まぁ、有り体に言うと、がっつき過ぎだって怒られちゃった」
杏「はい?」
智多「研一さんに?」
唯「ええ」
杏「何をどうしたらその言葉が出るんですか⋯」
唯「⋯ぶっちゃけさ、結婚式も入籍もしてないのに、そこら辺全部すっ飛ばして子供作ろうってどうなの?って⋯」
杏「わーお(す、すごいなこのお姉さん)」
智多「意外ときっちりしてそうですもんねえ」
唯「意外とどころかものすごいと思う」
杏「唯さんは、どうしたいんです?それを彼氏さんには?」
唯「お恥ずかしながら、その辺り考えたこと無かったんです。幸せ過ぎて⋯。ただ、幸せだけじゃダメだぞって言われてしまって」
智多「理にはかなってますね」
唯「さすがにね⋯。だから考え事しようと思って、ここに来たんです」
杏「それこそ彼氏さんと話をした方がいいんじゃ?」
唯「その前に自分の気持ちって、どうなの?ってのを考えたくて」
智多「ウチのおねーちゃんは、式は来年挙げるって、その前に子供作りたいってパパと話してましたね」
杏「お腹出るじゃん」
智多「なんかもうウエディングドレスとか式の段取りとか、私も知らない所で進めてるっぽい。だから子作り最優先だって」
杏(だからすごかったんじゃね?)
唯「まぁ私もドレス着たいからなぁ⋯」
智多「てことは、そこから考えてみたらどうですか?」
杏「入籍もあるしねえ」
唯「研一さんのご両親へのご挨拶かな⋯、そこから考えてみます」
智多「あいちゃんと翼ちゃんも、ご結婚されるなら喜ぶと思いますよ」
唯「ええ。ここに来て良かった」
智多「というか杏おねーちゃんもここにいるって、何したの」
唯「そもそもウエイトレスさん以外でここにいるの初めて見ました」
杏「あはは⋯。まぁ、あたしの場合は単純に卒論で詰まってるだけだし」
智多「あーそう言ってたよね」
唯「どんなテーマなんですか?」
杏「小売業のピークシフトの分散方法。やっぱりこのバイトしてるとさ、そう思うわけよ」
智多「杏おねーちゃんにしてはマトモだ」
杏「マトモに書かなきゃ卒業出来ないでしょ⋯」
唯「どこが詰まってるんです?」
杏「データはいくつかのお店に協力いただいて集めたんですけど、どうすれば見やすく出来るのかなぁって」
智多「すぐ思いつくのはグラフや表だと思うけど」
杏「それがさ智多、あたしそこら辺すっごく苦手なんよ⋯。ここ1週間くらいパソコンとずーっとにらめっこしてるけど、何をどうすればいいのか⋯」
唯「ふむ⋯パソコンありますか?」
杏「一応⋯。はい、これです」
智多(あー、プロフェッショナルがいるじゃん)
唯「データはどれですか?」
杏「えっと⋯(鞄をがさごそ)、これです(紙の束)」
智多「おねーちゃん、せめてExcelに打ち込もうよ⋯」
杏「だってー知らないんだもん!(半泣き)」
唯「⋯今までどうやってたんですか?」
杏「えと、まず手書きでグラフ作って、ペイントで同じような図を描いてました」
智多(ウソでしょ!?)
唯「(こりゃ教えるより見せた方が早いな)じゃあ、まず一つ作ってみますね。まず一つ、店舗を選んで、⋯あ、この喫茶店にしましょうか、縦軸に日付、横軸に時間帯の表を作ります(カタカタカタ)」
杏「ふむふむ(このお姉さん、キー打つのはっや!)」
唯「出来た表に来店されたお客さんの数字を打ち込みます、読みあげてもらえますか?」
杏「えーと⋯こんな表作ってあるんです(紙)」
唯「(ここまであるなら楽勝かな)あぁじゃあ打っちゃいますね(ガタガタガタ!)。⋯表出来たから、後はここのグラフボタンから、自分がどういうグラフにしたいか決めてください」
杏「(速ぇえ!)⋯あ!この円のがいい!」
唯「そしたらここをクリックして、貼り付けたい場所に貼り付けて⋯、はい完成」
智多「さすが唯さん。3分だよ」
杏「(感動)すご!これならあたしも出来そう!ありがとうございます!」
唯「喜んでもらえて良かったです」
杏「ふぅ⋯」
智多「にゅぅ⋯」
唯「はぁ⋯」
杏「⋯なんか、三人よると文殊の知恵、って、こういうことなんだろうね」
智多「意外な組み合わせだけどね」
唯「ふふっ、そうですね」
智多「でも良かった、安心したー。得意分野は人間それぞれだぞーって、よくパパ言ってたや、そういえば」
唯「仕事の時も言ってましたね。私も安心しました。何か、道筋が見えたから、あとは相談してみますよ、研一さんと」
杏「私はなんとか卒論締切日間に合いそう!」
三人の顔はにこやかだった。
次→ illust/125589106
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2024-12-26 12:00
Comments (1)
作業用BGM集 https://youtube.com/playlist?list=PLhmkD-yqZDPZS3Rnxf5FQ6OxzqNHo186H&si=2mmwiKUJEmNyfIdm