フシギのクニ、ニッポン
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マリア「結婚式の日は、1日日本の街中歩いてきてごらん」
ピエールさんとマリーに連れられてやって来た日本。
想像とは違って、ずっと都会的でした。
⋯まぁ、私の想像がサムライゲイシャニンジャで止まってた、ってのもありますが。
マリーから、好きに使って良いと、日本円で30000円が入ったデジタルマネーを受け取り、とりあえず街中にやって来たのですが。
ヒジャブ無しで歩くと、いろんな声が聞こえてきました。
⋯いらっしゃいませー
⋯ありがとうございましたー
⋯え?マジ?それヤバくね?
⋯あの赤髪の子、綺麗ー!
私は、はじめてマルセイユの街中を歩いた時のような高揚感を覚えていました。
そう、「言葉が分かる」んです!
マリーから、言葉をみっちり学習するようにと言われて日々勉強したのと、フランスでアヤカとさんざん話してたことが良かったんでしょうか。
いざと言う時のポケトークも準備しましたが、全く不要です。
私は、自分の言葉も試したくなりました。
まずは、川沿いのオープンカフェで。
立てかけてあるメニューも、なんて書いてあるのか理解が出来ました。
店員「いらっしゃいませー」
マーヤ「えと、ブレンドコーヒーのレギュラーサイズください」
店員「(この子日本語ペラッペラじゃん)砂糖とミルクはいかがですか」
マーヤ「あー、ブラックでいいです」
店員「かしこまりましたー、隣のカウンターからお渡しします」
完璧。
スラスラと出てくる日本語。
何を言ってるのか分かるって、楽しい!
コーヒーを受け取ると、近くの公園で飲む事にしました。
その受け取ったコーヒーも、テイクアウト用の紙ナプキンが添えられていました。
渡してくれた店員さんも、笑顔で、両手で渡してくれます。
マーヤ(マリーが日本式のホテルにしたいって、こういうことなんだろうか)
一つ一つの所作に、細やかな配慮がされているんです。
受け取ったコーヒーも、一口飲むと、朗らかな苦味が口に優しく広がります。
フランスでも、アルジェでも、ここまでやるならそれなりのお金がかかりますが、日本はそうじゃありません。
マーヤ(⋯決めた、私、日本に住んで、どういうようにしたら喜ばれる接客になるのか、いろいろ見てみたい!)
私の気持ちも固まった瞬間でした。
⋯その時、向かいのベンチに腰掛ける女の子を見かけました。
私と同じような年齢の、赤い髪の女の子です。
はぁ、とため息をついているのが、気になりました。
日本語、試してみようかな。
自然と私は立ち上がっていました。
マーヤ「こんにちは、大きなため息ついてましたけど。どうされましたか?」
いきなり外国人、しかも褐色の自分と似たような年齢の人から話しかけられたのが、余程びっくりしたのでしょうか。女の子はバッ!と顔を上げると、驚いた表情でした。
女の子「へ?!わ、私?!」
マーヤ「うん、なんか、辛そうな顔してたから」
女の子「あー⋯そうなんだ。というか、日本語、上手ですね」
褒められました。かなり、嬉しい。
マーヤ「実は今、日本語勉強してて。自分の実力がどのくらいなのか試したくて、話しかけちゃいました。⋯迷惑だったですか?」
女の子「あー、んー。迷惑じゃないけど、これ話して良いのかなぁ、どうしよ」
マーヤ「まぁ、旅行してる外国人ですから。それに、話さないと辛そうかなって」
まぁ、私も今めちゃくちゃテンション高いしね。ありがとう、アヤカ。日本語の練習、めちゃくちゃ効いてるよお!
女の子「そうね⋯。憧れてた男の子にさ、ものすごく変態なことされて」
マーヤ「あー、男って精神ガキだもんね」
女の子「最初そうかなーって思ってたんだけどさ、どうも違うっぽくて」
マーヤ「違う、って?」
女の子「⋯なんかの宗教みたくさ、『教祖様が』とか、『シスターが』って、都度言ってるの」
⋯んん?どこかで聞いたことあるぞ?
マーヤ「⋯ひょっとして、母乳とか取られたり?」
カマをかけてみる。まさか⋯
女の子「そう!そうなの!なんか、クスリみたいなの打たれて、そしたらあたしの胸から、こんなに平らなのに!びゅびゅう!って!」
⋯マリー、組織のしっぽと、日本での被害者、見つけちゃったよ、どーしよ。
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マリア「結婚式の日は、1日日本の街中歩いてきてごらん」
ピエールさんとマリーに連れられてやって来た日本。
想像とは違って、ずっと都会的でした。
⋯まぁ、私の想像がサムライゲイシャニンジャで止まってた、ってのもありますが。
マリーから、好きに使って良いと、日本円で30000円が入ったデジタルマネーを受け取り、とりあえず街中にやって来たのですが。
ヒジャブ無しで歩くと、いろんな声が聞こえてきました。
⋯いらっしゃいませー
⋯ありがとうございましたー
⋯え?マジ?それヤバくね?
⋯あの赤髪の子、綺麗ー!
私は、はじめてマルセイユの街中を歩いた時のような高揚感を覚えていました。
そう、「言葉が分かる」んです!
マリーから、言葉をみっちり学習するようにと言われて日々勉強したのと、フランスでアヤカとさんざん話してたことが良かったんでしょうか。
いざと言う時のポケトークも準備しましたが、全く不要です。
私は、自分の言葉も試したくなりました。
まずは、川沿いのオープンカフェで。
立てかけてあるメニューも、なんて書いてあるのか理解が出来ました。
店員「いらっしゃいませー」
マーヤ「えと、ブレンドコーヒーのレギュラーサイズください」
店員「(この子日本語ペラッペラじゃん)砂糖とミルクはいかがですか」
マーヤ「あー、ブラックでいいです」
店員「かしこまりましたー、隣のカウンターからお渡しします」
完璧。
スラスラと出てくる日本語。
何を言ってるのか分かるって、楽しい!
コーヒーを受け取ると、近くの公園で飲む事にしました。
その受け取ったコーヒーも、テイクアウト用の紙ナプキンが添えられていました。
渡してくれた店員さんも、笑顔で、両手で渡してくれます。
マーヤ(マリーが日本式のホテルにしたいって、こういうことなんだろうか)
一つ一つの所作に、細やかな配慮がされているんです。
受け取ったコーヒーも、一口飲むと、朗らかな苦味が口に優しく広がります。
フランスでも、アルジェでも、ここまでやるならそれなりのお金がかかりますが、日本はそうじゃありません。
マーヤ(⋯決めた、私、日本に住んで、どういうようにしたら喜ばれる接客になるのか、いろいろ見てみたい!)
私の気持ちも固まった瞬間でした。
⋯その時、向かいのベンチに腰掛ける女の子を見かけました。
私と同じような年齢の、赤い髪の女の子です。
はぁ、とため息をついているのが、気になりました。
日本語、試してみようかな。
自然と私は立ち上がっていました。
マーヤ「こんにちは、大きなため息ついてましたけど。どうされましたか?」
いきなり外国人、しかも褐色の自分と似たような年齢の人から話しかけられたのが、余程びっくりしたのでしょうか。女の子はバッ!と顔を上げると、驚いた表情でした。
女の子「へ?!わ、私?!」
マーヤ「うん、なんか、辛そうな顔してたから」
女の子「あー⋯そうなんだ。というか、日本語、上手ですね」
褒められました。かなり、嬉しい。
マーヤ「実は今、日本語勉強してて。自分の実力がどのくらいなのか試したくて、話しかけちゃいました。⋯迷惑だったですか?」
女の子「あー、んー。迷惑じゃないけど、これ話して良いのかなぁ、どうしよ」
マーヤ「まぁ、旅行してる外国人ですから。それに、話さないと辛そうかなって」
まぁ、私も今めちゃくちゃテンション高いしね。ありがとう、アヤカ。日本語の練習、めちゃくちゃ効いてるよお!
女の子「そうね⋯。憧れてた男の子にさ、ものすごく変態なことされて」
マーヤ「あー、男って精神ガキだもんね」
女の子「最初そうかなーって思ってたんだけどさ、どうも違うっぽくて」
マーヤ「違う、って?」
女の子「⋯なんかの宗教みたくさ、『教祖様が』とか、『シスターが』って、都度言ってるの」
⋯んん?どこかで聞いたことあるぞ?
マーヤ「⋯ひょっとして、母乳とか取られたり?」
カマをかけてみる。まさか⋯
女の子「そう!そうなの!なんか、クスリみたいなの打たれて、そしたらあたしの胸から、こんなに平らなのに!びゅびゅう!って!」
⋯マリー、組織のしっぽと、日本での被害者、見つけちゃったよ、どーしよ。
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2025-02-18 12:00
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