対面に心躍る素封家　アビゲイル

何回もメッセージを送ってくれた方がいまして、熱意に負けて「検診を受ける初産婦」を絵師さんに頼みました。
うちの世界の医療はそれほど発達していないので…胎児の様子を窺える魔道具でも発明されたのでしょうか？
待合室のシーンでしたが、絵師さんは脚を描くのが苦手なので、「これから受ける」ということで勘弁してください。
お金持ちの特権かなと思ってタイトルを付けましたが、それだと逆にこんなに混んでいるのは変かもしれません…。

「次の方、アビゲイルさんですね。診察室へお入りください。」
自分の名前を呼ばれたので、お腹を気遣うようにそっと持ち上げてアビゲイルは硬い椅子から立ち上がります。
彼女は、試運転中の魔道具『母の中にいる赤子の姿を映せる不思議な鏡』の被験者を志願する一人です。
魔王戦争の時代には一部の魔法使いだけ窺い知ることができる神秘なだけに、競争率も激しいとの噂です。
（ふふっ、この子はどんなふうに映るのかしら……ママだよ、って声をかけたら、届くかな？）
大金をはたいでやっとここまで来られた彼女は、初めて授かった子との対面に心躍らずにはいられませんでした。

※一応オリジナルのはずなので「うちの子」と言いたいのですが、自分で描いていたわけではないので迷ってます。
もし「うちの子」という呼び方を使ってはいけないでしたら、お手数ですが教えてください。ありがとうございます。