つらら物語(7)/Turara's story(7)

つらら。

大蛇丸の里抜けから半月が過ぎた頃、その延長で俺が大蛇丸と同居していた娘のつららを観察する命が下された。

その命には、大蛇丸の動きに関する監視も含まれていたのだが、、、

『高いとこまで登れたー!!』
『つらら様、危険です!!降りて下さい!!』

『つらら様!!お勉強の時間です!!どこですか??』
『いやだーまだ遊ぶー!!』

『つらら様、お勉強です!!』
『見つかっちゃったー』

『つらら様、どこに行った??』
『(〜♪〜♪〜♪)』

彼女と大蛇丸遣いのアオダとのイタチごっこの日々だった、ある日のこと。いつもいるアオダがおらず。心細く木の1番高い所に立って遠くを眺めている。

『お前、ただ木登りしてるだけじゃないだろ?』
その表情に木を登る原因が遠くを見る先にあるような気がしてふと話しかけてみた。

『里のお外を見てる』

『大蛇丸を。父親を待ってるのか。』

『パパ様が近くを通ったら見えるかもしれないから。それに誰かが気づいてくれるかもしれないから。』

こいつの父親、大蛇丸をあの時、奴が里抜けせずに何らかの方法で罪を償わせることができたら、こいつも今ほど孤独ではなかったはずだ。オレは結局、誰のことも救えないのか。

『お兄ちゃん、大丈夫??顔色がパパ様みたいだよ…』

『パパ様みたい…フッハハハ』

チャクラを使えば容易い木だが、扱いを知らない5歳が登るには登頂不可能な木だな。
基礎体力とチャクラの制御性はあるのか。

『オレは、はたけカカシ。』
不安気な幼顔を軽くつねる。

『私はつらら!!』

『つらら、学校は行かないのか?』

『私でも入れる??』

『入試はある。健康は問題なさそうだな。あとは、、訓練や勉学に耐えらればだな。』

『べ、勉強,,,』

『いつも逃げてるよな』
いつもの木上戦が思い浮かび言葉に出してしまった。

『なんで、知ってるのー??』

『まあな。そういえば、アイツはどうした?』

『夕食用に狩りに行ったよ』

『お前置いてか?』

『たまに。』

口寄せ獣アオダ。今後はそっちを警戒した方が良さそうだな。

『次、いつカカシに会える??』

その目に驚いた。
『カ、カカシさんな!!10も上なんだから。』

『大蛇、お前の父親は強かったから忍者の素質は充分にある。あとはお前次第だ。』

咄嗟に判断できたからよかったが、あの父親とは違った危うさだった。

なんなんだ、あの。

『お前じゃなくてつららだからねー!!』

うるさい!!
なんなんだ、あのキラキラした目は。

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2025-02-24 23:01

 つらら❄ by 茶々 凍姫


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