Plussian blue labyrinth

NHKスペシャル「生命40億年はるかな旅」のオリジナルサウンドトラック（音楽：大島ミチル　全3枚）2枚目の第6曲「藍色の匂い」という曲が好きだった。
一寸、1ミリ先すらも見えない迷宮から抜け出せない、暗くて足もよろついて痺れの感覚すら忘れて思い通りに動かせないところにはまっている感じの曲。
しかし、その先には、どこかに「希望」があるのかもしれないが、今は見出せないというのも同時に感じられてくる。
自分がこの曲と出会った当時、極寒のシベリアを馬橇で横断し、巻き込まれた戦争に駆り出された漂流者をダブらせていた。
延々と果てしなく、ただ橇の二本筋だけがかろうじて刻まれるブリザードの「大地」、砲弾が飛び交い兵士が敵に突撃して自滅していく戦場、そこから1平方ミリも抜け出せない漂流者。そこに救いの手を差し伸べる「天使」はいるだろうか。今はまだ、出会えてない。
そんな漂流者に、このサウンドトラックの曲をいくつも重ねていた。