さいごの仁王立ち

「そうか。俺は長門の兄貴の仇、討てなかったのか･･･」
──────────────────────────────────────────────────────────────────
「広瀬。仇なんてとらなくていいんだよ。お前が、神城組のみんなが生きててくれたら俺は嬉しいんだよ。俺の仇なんて、どうでもいい──ごめんね？」

「！？！」

「だから、ね？前、見て生きて？」

「そんな、俺はだっ、て･･･長門の兄貴･･･を」

「うん。ありがと広瀬。嬉しいよ──思い出したい時に思い出して？そうしたらいつでも一緒だろ？」

「長門の兄貴･･･言い逃げはずるいで、す･･･思い出さなくても、いつも、胸(ここ)に兄貴がいます。ずっとずっと･･･あなたの──」

〈仇を〉

病室の白い天井が。

滲んで見えたのは気のせいだろうか？

忘れられない〈仇〉って文字が頭の中を占拠している。

これを忘れる事が出来たなら。
俺の中の長門の兄貴は･･･

笑ってくれるだろうか。

さっきみたいに悲しそうな笑顔じゃなくて･･･。

◆◆◆
まさか広瀬さん目覚めないエンドとかだったら驚くなあ。悲しいし！基本的に神城組の皆は長門君だいすきなので(脳内設定)長門君以外の誰か一人を描いていようともこうして長門君が出てきたりします。