人で憎しみを知った炎

炎は樹を愛していました。しかし、同じ証を持つ二人が愛し合うことは出来ません。そばにいるだけでいいと思っていた炎と何も知らない樹の前に「最初の男」は現れたのです。男に惹かれていく樹に耐えられなかった炎は神様に男のことを話しました。すると神様は男を消してしまおうとしました。神様は知っていたのです、男が実によって創られたことを。嘆き悲しむ樹に炎はいいました。「貴女が悲しいことは私も悲しいですわ。彼を逃がすには下界へ堕すしかないですわ。」炎は樹を説得すると男を下界へ続く階段へ連れて行きました。「この火をあげましょう。これは下界の獣さえ寄せ付けないものですわ。」そう言って炎は男に赤い憎しみの火をわたしました。火は使い方を間違えると全てを燃やし尽くしてしまうモノでした。その火を頼りに階段を降りていく男を炎は見下ろしていました。/連作です 前illust/11727718 次 まだです
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2010-08-25 00:57

 koti


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