「ドラゴンだッ！」

自らが人気ランキング最下層であると知り、そこからの脱却を目指すべくデコ出し︎︎お団子ヘア♀ファイターは髪型を変えた。
その翌日からは宿を出て、街周辺の花を踏み潰す事が目的の旅。
ファイターはこの時、常に仲間達の、特に男達の反応を気にしていた。
いや、それしか気にしていなかった。

(誰か私を見て！イメチェンしたのよッ！さあ早く見ろ！見て惚れて泣くのよ！)

ファイターが脳内で叫ぶ。
その時、先頭をゆく仲間の1人(ナイト20代男性)がファイターの方へ振り返った。
そして彼は慌てた様子を見せたのだ。

(ハッ！ようやく私の魅力に気づいたのねッ！？)

今だ、と言わんばかりに長い髪をなびかせアピールするファイター︎︎ 、湧き上がる高揚感でスマイルを浮かべ追撃する。
ナイトは口数こそ少ないが筋肉隆々で仲間思いの良い男だ。
しかし、ナイトが見ていたのは彼女ではなかった。
彼はファイター︎︎の背後まで迫った影を指し示し、大きな声で叫んだ。