非暴力・非服従
OPIUMEISTER - 凶悪犯罪、政治犯、違法薬物取引、多数の軽犯罪、等々。
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女が面会室に入る。あるのは机と椅子。部屋の周りに不審な黒い窓。
OPIUMEISTER はその2つある椅子の反対側に座っている。
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『やあ。あんたか……久しぶりだな。あんたには悪いことをしたよ……。』
『ところでちょっとレクチャーの時間をいだだけないかな。』
(女がいきなり OPIUMEISTER の胸ぐらを掴んで机に彼女の顔を叩きつける)
『あうぅ……!!……まぁそんなもんだと思ったよ。』
『だがな……もっと強くやらないと。相手は服従しない。』
(OPIUMEISTER の頬が裏拳で強く殴られる)
『……ッッ!やれやれ……凶暴な生徒さんだ。それじゃあせっかちさんの為に掻い摘んで行こうか。』
--
『人間の動かし方には概ね3通りある。もちろん例外もあるがねぇ。』
- 『知的な者には、要項と理由を。』
- 『中間な者には、命令と備考を。』
- 『そして最も愚かな者には……脅迫を。』
『あとは……。』
『相手が法律や市の条例に基づいて動かされている。とか。』
『混乱している。とか。』
『自暴自棄に陥っている。とか……。』
『そうやって相手の背景に合わせて、適宜アプローチを変えていく。』
『これだけで大抵のひとは、まるでチェスの駒みたいに、いとも簡単に動かせるようになる。理論上はね。』
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『私はどうしてきたかって?』
『志願者を、██の最も人が集まるところ数ヶ所に集めて、焼身を行うようにアドバイスした。ただそれだけだよ。』
『彼ら彼女ら等が、山に行かせるのは、正直なところ勿体ない。』
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『何か社会的なメッセージを、「相手」に訴えるには、暴力が無くても解決出来ることがあるんだ。』
--
『私は、自分が良いことをしたとは思っていない。悪いことをしたとさえ。』
『私はただ、社会に力学を与える為に、他者を利用しただけに過ぎないよ。』
--
『その見下すような目でサツみたいな戯言を言うのをやめろ。』
『その様子だと、キミはまだ道徳に囚われているようにみえるね。』
『いいかい、私は狂人なんかじゃない。』
--
『一歩先を行っているだけなんだよ。』
--
(OPIUMEISTER が顔を激しく殴られる)
『アーーーーッ!!!……!!!アッハッハ!!!!』
『アハハ!!アッハッハ!!そうだ!!その気持ちだ!!』
『お前には持っていて、私には無いものだ!!!』
『そう、怒りだ!いや、憤怒!!』
『それさえあるのなら、お前は私以上に、更に大きな社会的力学を発生させることが……!!』
(OPIUMEISTER が椅子で顔を殴られる)
『ガァーーーーッッッ!!!今のはダイレクトヒットだったぞ……!』
『そうだ!怒れ!怒れ!!もっと怒れ!!!』
『お前にはそれがあるだけで!!私と肩を並べられるようになるのだ!!アハハ!!』
『お前は私と異なると人間だと思い込んでいるが、実際のところ根底は一緒だ!』
『そうだろう!』
『認めろ!憤怒のままドライブしろ!!そして私をもっと殴れよ!ホラ!』
--
看守A 『おい……今すぐ停止させろ!』
看守B 『彼女は制御されている。大丈夫だ。』
(女がドアを椅子で固定し更に OPIUMEISTER を虐待する)
看守たち 『まずい……早く止めろ!!』
--
『素晴らしい!今のできっと骨が折れた!』
『その力でお前は……。次世代の倫理を再構築するのだ!!!』
『アッハッハッハッハーーーーッ!!!!!!!!』
『……だがこれだけは言っておく。』
『私をおもちゃにしたところで何も変わらない……。』
『確かお前には助けるべき人々が居たな……。』
『ゲホッ……(血を吐く)……この感覚……懐かしいな……素晴らしい……!』
『お前が費やすべき時間は私に対する虐待なんかじゃない……。』
『今日、お前が行くべき場所で、たくさんの人間が文字通り燃え上がる。』
『初耳だろ。』
『お前のその顔を見たくて、ずっと黙っていたのさ。』
『場所は、お前に一番馴染みのある場所だ。』
『お前が……正義とやらに目覚めたところだ。』
『あと10分だ。』
『サツのパトカーでも奪って飛ばせば間に合うぞ。』
『このピストルをやるよ。こいつは人を殺すのには不向きだが、動けなくするには最適だ。』
『ここの面会室を出てすぐに目に付く者の足を打て。』
『相手が武器を構えているなら手だ。』
看守たち 『まずい……非殺傷兵器の準備をしろ……。』
『お前ほど物わかりの良いヤツはいないからな。行って来い。ベストフレンド……。』
(女が立ち上がり OPIUMEISTER の腹部を強烈に殴る)
『あうぅ……!!全く……手に負えないヤツだ……。』
『だがそれが良いんだよ……。』
『懐かしい……また人生が刺激だらけになるだろうな……!!!アッハッハ!!!』
『アーッハッッハッハ!!!アッハッハッハーーー!!!ッハァーーーーッ!!!!』
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女は手のひらに収まるサイズの小さなピストルを手に、面会室を出てすぐに周囲の人間の手足を一人一発ずつ撃ち始めた。
看守の怒号は一発の銃声と共に、痛みを訴える唸り声に瞬く間に切り替わる。
そうして1分もないまま激しい銃撃戦のあと。一台の防弾パトカーが撃たれながら署を出ていく。
妙なことに厳重なゲートは空いてある。
OPIUMEISTER の息がかかった人物が署内に居るのだろう。詰所は無人のままだった。
周りからの銃撃戦と怒号そして悲鳴、最終的にパトカーのスキール音を聴いている間……。
OPIUMEISTER は面会室の床で仰向けになりながら、ずっと壊れた人形のように笑っていた。
恍惚の表情を浮かべたまま。ずっと。ずっと笑っていた。
署内での銃撃戦が終わり静まり返った頃には、OPIUMEISTER の笑い声だけが、不気味に響き渡っていた。
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雨が降っている。
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=/=/=/=/=/=/=/=
※ご自身やその周辺のことでお困りの方は、破壊的行動に移す前に
以下の機関(これだけに限りません)にぜひご相談してみてください。
また、ご自身に神経症や分裂症等の疑いが少しでもあると思われた場合には
精神科にぜひご相談してみてください。
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### まもろうよ こころ - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/
### 電話相談 | 自殺対策 | 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_tel.html
### #いのちSOS
https://www.lifelink.or.jp/inochisos/
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女が面会室に入る。あるのは机と椅子。部屋の周りに不審な黒い窓。
OPIUMEISTER はその2つある椅子の反対側に座っている。
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『やあ。あんたか……久しぶりだな。あんたには悪いことをしたよ……。』
『ところでちょっとレクチャーの時間をいだだけないかな。』
(女がいきなり OPIUMEISTER の胸ぐらを掴んで机に彼女の顔を叩きつける)
『あうぅ……!!……まぁそんなもんだと思ったよ。』
『だがな……もっと強くやらないと。相手は服従しない。』
(OPIUMEISTER の頬が裏拳で強く殴られる)
『……ッッ!やれやれ……凶暴な生徒さんだ。それじゃあせっかちさんの為に掻い摘んで行こうか。』
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『人間の動かし方には概ね3通りある。もちろん例外もあるがねぇ。』
- 『知的な者には、要項と理由を。』
- 『中間な者には、命令と備考を。』
- 『そして最も愚かな者には……脅迫を。』
『あとは……。』
『相手が法律や市の条例に基づいて動かされている。とか。』
『混乱している。とか。』
『自暴自棄に陥っている。とか……。』
『そうやって相手の背景に合わせて、適宜アプローチを変えていく。』
『これだけで大抵のひとは、まるでチェスの駒みたいに、いとも簡単に動かせるようになる。理論上はね。』
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『私はどうしてきたかって?』
『志願者を、██の最も人が集まるところ数ヶ所に集めて、焼身を行うようにアドバイスした。ただそれだけだよ。』
『彼ら彼女ら等が、山に行かせるのは、正直なところ勿体ない。』
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『何か社会的なメッセージを、「相手」に訴えるには、暴力が無くても解決出来ることがあるんだ。』
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『私は、自分が良いことをしたとは思っていない。悪いことをしたとさえ。』
『私はただ、社会に力学を与える為に、他者を利用しただけに過ぎないよ。』
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『その見下すような目でサツみたいな戯言を言うのをやめろ。』
『その様子だと、キミはまだ道徳に囚われているようにみえるね。』
『いいかい、私は狂人なんかじゃない。』
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『一歩先を行っているだけなんだよ。』
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(OPIUMEISTER が顔を激しく殴られる)
『アーーーーッ!!!……!!!アッハッハ!!!!』
『アハハ!!アッハッハ!!そうだ!!その気持ちだ!!』
『お前には持っていて、私には無いものだ!!!』
『そう、怒りだ!いや、憤怒!!』
『それさえあるのなら、お前は私以上に、更に大きな社会的力学を発生させることが……!!』
(OPIUMEISTER が椅子で顔を殴られる)
『ガァーーーーッッッ!!!今のはダイレクトヒットだったぞ……!』
『そうだ!怒れ!怒れ!!もっと怒れ!!!』
『お前にはそれがあるだけで!!私と肩を並べられるようになるのだ!!アハハ!!』
『お前は私と異なると人間だと思い込んでいるが、実際のところ根底は一緒だ!』
『そうだろう!』
『認めろ!憤怒のままドライブしろ!!そして私をもっと殴れよ!ホラ!』
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看守A 『おい……今すぐ停止させろ!』
看守B 『彼女は制御されている。大丈夫だ。』
(女がドアを椅子で固定し更に OPIUMEISTER を虐待する)
看守たち 『まずい……早く止めろ!!』
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『素晴らしい!今のできっと骨が折れた!』
『その力でお前は……。次世代の倫理を再構築するのだ!!!』
『アッハッハッハッハーーーーッ!!!!!!!!』
『……だがこれだけは言っておく。』
『私をおもちゃにしたところで何も変わらない……。』
『確かお前には助けるべき人々が居たな……。』
『ゲホッ……(血を吐く)……この感覚……懐かしいな……素晴らしい……!』
『お前が費やすべき時間は私に対する虐待なんかじゃない……。』
『今日、お前が行くべき場所で、たくさんの人間が文字通り燃え上がる。』
『初耳だろ。』
『お前のその顔を見たくて、ずっと黙っていたのさ。』
『場所は、お前に一番馴染みのある場所だ。』
『お前が……正義とやらに目覚めたところだ。』
『あと10分だ。』
『サツのパトカーでも奪って飛ばせば間に合うぞ。』
『このピストルをやるよ。こいつは人を殺すのには不向きだが、動けなくするには最適だ。』
『ここの面会室を出てすぐに目に付く者の足を打て。』
『相手が武器を構えているなら手だ。』
看守たち 『まずい……非殺傷兵器の準備をしろ……。』
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看守の怒号は一発の銃声と共に、痛みを訴える唸り声に瞬く間に切り替わる。
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OPIUMEISTER の息がかかった人物が署内に居るのだろう。詰所は無人のままだった。
周りからの銃撃戦と怒号そして悲鳴、最終的にパトカーのスキール音を聴いている間……。
OPIUMEISTER は面会室の床で仰向けになりながら、ずっと壊れた人形のように笑っていた。
恍惚の表情を浮かべたまま。ずっと。ずっと笑っていた。
署内での銃撃戦が終わり静まり返った頃には、OPIUMEISTER の笑い声だけが、不気味に響き渡っていた。
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雨が降っている。
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以下の機関(これだけに限りません)にぜひご相談してみてください。
また、ご自身に神経症や分裂症等の疑いが少しでもあると思われた場合には
精神科にぜひご相談してみてください。
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### まもろうよ こころ - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/
### 電話相談 | 自殺対策 | 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_tel.html
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2025-03-21 10:59
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