星橋の誓い

② アピールポイント
満天の星と灯篭が織りなす幻想世界：夜空に流れる星の帯と、橋を照らす灯篭の柔らかな光が溶け合い、現実を超えた夢幻的な空間を演出。

天と地を結ぶ象徴的な「橋」の構図：橋は空と水面、夜と朝、願いと現実を繋ぐ象徴。観る者に“つながり”と“祈り”を想起させる。

色彩のドラマ性：夜空の群青と、朝日が昇る瞬間の紫〜黄金のグラデーションが融合し、静けさの中に感動を呼び起こす色彩構成。

異世界を旅するような没入感：川辺の山々、天の川のような星の流れ、灯篭の浮遊感が、見る人を物語世界へと優しく誘う。

③ 紹介文
『星橋の誓い』は、空と水面が溶け合う世界で、灯篭に願いを託す夜を描いた幻想風景作品です。
アーチ状にしなる木製の橋には、無数の灯篭が飾られ、ひとつひとつに思いが込められているかのように、静かに宙を漂います。

夜空には流れ星と天の川のような光の帯が交差し、空間全体に夢のような広がりを与えています。
その中央に昇りかけた朝日が差し込むことで、夜と朝、現世と彼岸、過去と未来が交わる“奇跡の瞬間”を表現しています。

この作品は、願いが天に届く儀式的な情景を想起させ、
誰もが一度は見たことのある“心の中の風景”を、ビジュアルとして具現化したような感覚を呼び起こします。

④ 物語
『七つ星の橋（ななつぼしのはし）』
この世界には、「星の橋」と呼ばれる不思議な場所がある。
七日ごとに一夜だけ現れるという、空にかかる木の橋――それは、人の願いが届く場所と伝えられている。

その橋が現れるのは、**“時の境目”**と呼ばれる瞬間。
夜明け前、最後の星が流れ落ちる時にだけ、空と水がひとつになり、橋がその間を渡す。

ある夜、少女ミユは亡き兄に伝えられなかった言葉を届けるため、星の橋を訪れる。
灯篭に「ありがとう」と書かれた願いの光を灯し、橋の中央にたどり着いたとき、
星の流れが強くなり、空から降り注ぐ光が彼女を包み込んだ。

その瞬間、兄の声が微かに聞こえた。
「ミユ、ありがとう。もう大丈夫だよ――」

橋はゆっくりと空へと消え、朝日が水面を照らす。
ミユは微笑みながら、静かに帰路についた。
もう、涙をこらえなくてもいい。

それ以来、「星橋の誓い」は、人々の心を繋ぐ場所として語り継がれている――
願いと再会、そして前へ進む勇気が宿る、星の夜の物語。