悲しいくらいにお別れ日和で。

昨年、祖父が亡くなりました。 
数年顔も見せなかった放蕩孫の自分が情けなく遺影の前で顔も上げられず涙が止まらなくなった時、祖母はそっと肩に手を置き、いつものように優しく笑っていました。  
葬儀も終わり、祖父を荼毘に付してる間親類で今後どうするかの相談をしていても祖母は「みんながええようにしてくれはったらええさかいに」と穏やかなままでした。 
やがて祖父のお骨が引き出され、整列してる親類の中でふと祖母に目が行きました。 
そっと一度だけ、たった一粒こぼれた涙を指先で小さくぬぐっていました。 
僕は抜けるような青空の下、あの曲を思い出すばかりで。 
今年祖母から届いた暑中見舞いの字は別人のそれのようによれてしまっていて。次の正月には帰阪して祖母の顔を見に行きたいです。
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2010-08-29 02:14

 寛村シイ夫


Comments (2)

寛村シイ夫 2010-08-31 15:59

>azisioさん コメントありがとうございます。歳をとると、個人的なものでも社会的にでもやっぱり何事もが、積み重ねて受け継いで作られて行ってるんだなぁって感じますね。マジメな話、大事にしていくべきものだと思います。

次郎太郎丸 2010-08-30 00:15

自分も、おととし爺さんを亡くしましたよ・・・でも、まぁ残ったものはあります。食堂やってた腕前で小さい頃から食べさせてもらってた料理の味、少しは再現できるようになりましたから。

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