ママヴァン・シー16

※2025年の夏コミ想定の絵のラフ画です。
※今後、Fanboxを開設した際に、特定の投稿画と共にそちらへ移行するかもしれません。

　新世界は「停滞・無変の世界」――故に、生命は死ぬこともなければ、老いることもなく、文明や文化、過去や歴史という経過が発生しない（厳密には、元に戻ってしまう）。それは美しさ、若さが劣化するあるいは消耗することがないが、増すこともないことを意味する。
　しかし、そんな中、モルガンはとある変異に気づく。

　――バーヴァン・シーが、あからさまに若々しい…というか、美しさが時より増している…と。

　バーヴァン・シーは新世界に到達したことでその肉体が変化し、生身の人とどうように定期的に身体を整えなければ人並みに汗をかき、人並みに不衛生にも成り得る。そのため、毎日入浴をする必要があるのだが……イゾルデがバーヴァン・シーの側を一時も離れたくないということで、入浴する時、バーヴァン・シーはイゾルデと混浴する。（イゾルデは純性の妖精で、その性質上、汗などの老廃物を出さず、「外的汚染（土やほこりや花粉、汚水分など）」を受けないため、本来は入浴などの衛生管理をする必要がない）

　モルガンは知った。――バーヴァン・シーの「美しさ」が時折増し、「若返り」と言っても過言ではない状態に成る訳を……。

　「これは……他所に知られるわけにはいけませんね。特に他の女性に知られた日には、血が流れるかもれませんし、なによりもバーヴァン・シーとイゾルデの平穏が壊れかねません」