《空の女神──アーク・ハーネス起動》

……へぇ、まさか本当に飛ぶとはな。
あいつがこの《アーク・ハーネス》を背負って空に上がる日が来るなんて、正直、夢みてぇな光景だよ。

見ての通りだが、この“翼”――《エクリブス・ランスス》はただの装飾じゃねぇ。
あれは攻撃にも推進にも使える可変型術式投擲刃だ。魔導核《セントロ・スパイン》から引き出された魔力を、線状術式で制御しながら形成してんだ。
翼のかたちをしてるのは、飛行姿勢の安定と視覚的威圧効果を兼ねてる。空中での威力制御と、対地戦略用に練り込まれた設計さ。

下に見えるのは、王国の本城区だな。都市そのものが魔導式の“術式円”の上に築かれてて、構造的に中央制御核と繋がってる。
……つまり、彼女が今、王国の空を飛んでるってのは、「制空権の象徴」であると同時に、「魔導制御の鍵を握ってる」って意味でもある。

あと、背面中央にある魔核が《セントロ・スパイン》。あれは反応型で、搭乗者の魔力特性に完全同期してる。
エリスが振り向いた瞬間に発光が強まってんの、見えたか？　あれは“迎撃姿勢”の反応だ。
つまり、あの姿――ただの空中警戒じゃねぇ。いつでも攻撃に転じられる、完全な“戦闘待機モード”だ。

……まったく。
あれだけの装備を、あんな軽やかに扱いやがって。
まさに“飛ぶ兵器”だよ、エリス・オルディアは。

。
▼本編はこちら　※本編ではやっと最近開発が始まりました
https://ncode.syosetu.com/n0337kg/
#無詠唱の魔法 #エリス・オルディア #小説家になろう