Amor sacro e Amor profano

reference：ティツィアーノ『聖愛と俗愛』

画中の「樅」は塚本邦雄の歌集『緑色研究』より引用しています。

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硫黄からは朱と水銀が生れ、その水銀といふ猛毒の液體金屬は、あらゆる他の金屬と化合する。但し、ただひとつ鐵*とだけは決して交らない。この凄じい謎は優に一つの作品の主題となり得た。私の綠の謎の前に、この妖異の金屬のテーマを選んだ。

(塚本邦雄「含羞の辭」『綠珠玲瓏館』 、1980年)

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*鐵……鉄の旧字体。

ティツィアーノの『聖愛と俗愛』にどんな寓意があるのかは研究者の間でも意見分かれてるけど、画面の右と左に離れて座ってるのが同一人物で、どうもヴィーナスらしい……ってのが定説としてある。

その流れで言えば、俺が描いたのは"ウチらは親密そうにぴったりひっついてるけど、本当の意味でひとつにはなれないね"みたいな絵。です。

pixivのキャプション欄に置くには怪文書すぎる。